帝国データバンク
(画像=PIXTA)

女性管理職割合は平均6.5%、前年より減少
~ 女性の活躍促進、子育て支援など家庭における負担軽減がカギ ~

はじめに

生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感が高まるなか、政府は女性の活躍促進を政策の重要な柱として掲げている。女性の労働への参画は、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業における新たな視点の導入や男性の働き方改革としても位置付けられている。他方、女性が労働に参画するうえで、多くの課題がいまだ解決されていないのも実情である。

そこで、帝国データバンクでは、女性登用に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年7月調査とともに行った。

■調査期間は2019年7月18日~31日、調査対象は全国2万3,650社で、有効回答企業数は1万91社(回答率42.7%)。なお、女性登用に関する調査は、2013年以降、毎年7月に実施、今回で7回目。うち、群馬県内企業は344社で、有効回答企業数は152社(回答率44.2%)

■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している

調査結果

1 女性管理職の割合は平均6.5%と前年比0.6ポイント低下。「30%以上」の企業は6.6%で、前年と同率であった。他方、女性管理職がいない企業は52.6%と、前年より減少したものの、依然半数を上回るなど、女性管理職の登用がなかなか進まない状況にある。また、女性従業員の割合は平均24.9%で同1.9ポイント上昇、女性役員の割合は平均8.6%で同2.8ポイント低下した。

2 今後、女性管理職の割合が増えると見込んでいる企業は20.4%。また、今後女性役員の割合が増えると見込んでいる企業は8.6%だった。

3 社内外を問わず女性の活用・登用を進めている企業は50.0%。その効果は、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」(55.3%)が5割強となり、突出して高い。以下、「多様な働き方が促進された」(32.9%)、「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」(28.9%)が上位となった。

4 女性の活躍を促進するために重視する上位3項目は、女性の家庭における負担軽減に関する項目が並ぶ。育休復帰支援などの「仕事と子育ての両立支援」(61.8%)が6割超でトップ。「保育サービスの充実」(59.2%)「妊娠・出産・子育て支援の充実」(55.3%)が続き、それぞれ5割を超えた。