NTT株は現在4,000~5,500円のレンジで推移している。2018年11月にレンジの底にタッチした後上昇が続いており、レンジの上限5,500円に迫りつつある状況だ。

今後NTT株はこのレンジをブレイクするのか、それともレンジに留まるのかが注目される。NTT株の値動きを探る上でのポイントを、NTTドコモ株との連動性なども含めて解説する。

NTTの最近の株価動向

NTT,株価
(画像=wothan/Shutterstock.com)

NTT株<日本電信電話:9432>は2016年以降、4,000~5,500円の狭い値幅の中で取引されている。2018年11月に4,050円の安値を付けた後上昇が続いており、2019年6月には5,000円に到達、その後も上昇トレンドが継続している。

NTT,株価
(NTT株価(週足チャート))

2017年11月30日には5,905円まで上昇したが、再び4,000~5,500円のレンジに戻った。現在、NTT株は、再びレンジの上限に接近している。

1999年の高値と2011年の安値の50%水準が5,600円付近

NTTの株価はITバブル期に急騰し、1999年11月には9,700円を記録した。しかしその後は急落し、2011年3月に1,610円をつけている。

20年来の高値9,700円と安値1,610円の間の1/2の水準は5,600円付近だ(正確には5,655円)。2017年11月に一時的に6,000円目前にまで上昇したNTT株は、直近20年の高値と安値の間の、いわゆる「半値戻し」の水準だ。

現在のNTTの株価は、1997~1998年と同水準である。NTTドコモのIPOや、ITバブルとその崩壊の後21~22年を経て、それらが発生する前の株価に戻っており、落ち着いていると言えるのかもしれない。

NTT,株価
(NTT株価チャート(月足))

過去にNTTの株価が大きく変動した要因

過去、NTTの株価が大きく変動した要因は以下の2点だ。

1 アベノミクス相場以降の着実な株価上昇
2 NTTドコモとの株価の連動性

①アベノミクス相場以降の着実な株価上昇

2012年11月に解散総選挙が行われ、自民党が政権に復帰し第2次安倍内閣が発足した。その経済重視の政策はアベノミクスと呼ばれて株式市場で好感され、2012年末からアベノミクス相場と呼ばれる株価上昇が発生した。

2012年は2,000円を割っていたNTT株は、2013年2月に2,000円を回復、その後の息の長い上昇がスタートする。2013年にはアベノミクス相場による上昇が落ち着く銘柄も多かったが、NTT株は2015年まで上昇を続け、2015年8月には5,000円を回復した。アベノミクス相場以降、NTT株は2倍以上上昇したことになる。

2015年8月にはチャイナショックなどで値を崩す銘柄が多かったが、NTTは大きく下落することなく現在に至っている。

ただし2016年以降は伸び悩んでおり、現在は4,000~5,500円のレンジで推移している。

②NTTドコモとの株価の連動性

NTTは、NTTドコモの存在を抜きに語ることはできない。NTTドコモは、1998年10月にNTTの子会社として株式を上場(IPO)し、現在もNTTの連結子会社となっている。

2019年3月期のNTT決算における各事業部門の損益状況は以下のとおりだ。

・移動通信事業セグメント 営業収益4兆8,408億円、営業利益1兆136億円
・地域通信事業セグメント 営業収益3兆1,523億円、営業利益3,607億円
・長距離・国際通信セグメント 営業収益2兆2,787億円、営業利益1,001億円
・データ通信事業セグメント 営業利益2兆1,636億円、営業利益1,477億円
・その他の事業セグメント 営業収益1兆2,403億円、営業利益856億円

NTT本体(NTT東日本、NTT西日本など)の地域通信事業セグメントの営業利益が3,607億円であるのに対し、ドコモの移動通信事業セグメントは営業利益が1兆136億円と、NTT本体事業の3倍近い利益を計上している。資本関係ではNTTが親会社でNTTドコモが子会社だが、利益ではドコモがNTT本体を凌駕しており、NTTグループの屋台骨を支えている。

よって、NTTはドコモの収益に大きく影響を受けることになる。株価についても、NTTとNTTドコモは連動する傾向にある。

以下は、NTTおよびNTTドコモの株価推移だ(ともに1999年以降の月足)。

NTT,株価
(NTT(月足))
NTT,株価
(NTTドコモ(月足))

両者の値動きは、概ね類似している。2018年11月、ドコモの料金プランの引き下げ発表を契機に、ドコモショックと呼ばれる株価下落が発生した。ドコモは前日比15%安と急落し、NTTも同様に15%安に見舞われた。

資本関係では「NTTが主・ドコモが従」という関係だが、業績面では「ドコモが主・NTTが従」だ。両者のどちらが「卵」でどちらが「鶏」かはわからないが、「連動している」と捉えて問題ないだろう。

NTTの株価動向を予想するポイント、4,000~5,500円間のレンジ相場を認識すべし

NTT株は、4,000~5,500円のレンジ相場を2016年以降、3年以上も保っている。NTTの今後の株価動向を予想する際は、この4,000~5,500円のレンジを意識する必要がある。

現在は2018年11月を基点とする上昇の途上にあるが、レンジの上限が目前に迫っている。

NTTの今後の株価動向を予想する際、以下の2点が重要なポイントになると考えられる。

1 5,500円を確実に超えるか
2 4,000円を確実に割るか

①5,500円を確実に超えるか

NTTの株価は2017年11月に5.905円まで上昇しており、一時的にレンジの上限5,500円を超えた。しかし株価はそこに踏みとどまることができず、すぐに4,000~5,500円のレンジに戻された。

今後NTT株が上昇するためには4,000~5,500円のレンジの上限、5,500円を「確実に」超えなければならない。

NTT,株価
(NTT株価(週足チャート))

2017年11月にNTT株が6,000円目前まで迫った際、ドコモ株はレンジの上限に留まり、レンジを上方にブレイクしなかった。NTT株とドコモ株の連動性を踏まえると、2017年11月にNTT株がレンジを上方にブレイクする可能性は低く、この上昇は「ダマシ」の可能性が高い、と予想できた。

NTT,株価
(NTTドコモ株価(週足))

2018年10月、今度はドコモ株がレンジを上方にブレイクする動きを見せたが、NTT株はレンジに留まっていた。この時も両者の連動性を考慮して、ドコモショック前のドコモ株のロング(買い)は回避できた。

②4,000円を確実に割れるのか

下落の場合も、4,000~5,500円のレンジを意識する必要がある。両者がレンジを下回る値動きを見せるなら、NTT株は下方にブレイクして4,000円を割っていたかもしれない。

チャートパターンとしては、NTT株は「三尊天井」(3つの天井を形成するチャートパターンでヘッドアンドショルダーとも呼ばれる)の形成中、と考えることもできる。三尊天井は高値圏で生じ、相場反転のサインとなりうる。三尊天井だとすれば、現在の上昇は一時的なもので、下落に転じる可能性が考えられる。

NTT,株価
(NTT株価(週足チャート))

現段階ではドコモ株も上昇中であり、NTT株がすぐに下落することは考えにくい。しかし、NTT株のチャートに三尊天井のパターンが生じていることに留意することで、今後下落に転じた際は素早く対処できるだろう。

NTT株を買うには

NTT株の9月13日(金)終値は、5,209円だった。同社は100株単位で取引される銘柄なので、投資するためには50万円以上の資金が必要になる。

NTT株を購入するにあたって、手数料を抑えられる証券会社は以下のとおりだ。

・DMM.com証券 367円
・ライブスター証券 367円
・GMOクリック証券 479円(税込)
・SBI証券 525円
・楽天証券 525円
・岡三オンライン証券 648円
※いずれも税込み価格

DMM.com証券とライブスター証券なら、367円で株NTT株を購入できる。

以下、GMOクリック証券の470円、SBI証券・楽天証券・カブドットコム証券525円、岡三オンライン証券648円と続く。

なお、SBIネオモバイル証券を利用すれば1株単位(約5,300円)でも購入できる。

まとめ

NTTの業績は、NTTドコモが屋台骨となって支えている状態だ。営業利益ではNTTグループ全体の約6割をドコモが担っているため、NTTの株価についてもドコモ株の値動きを踏まえて考えなければならない。

現在のNTT株は、4,000~5,500円のレンジで推移している。ドコモ株もトレンド発生後に値動きが停滞するペナントパターンを形成しており、両銘柄とも一方的なトレンドは発生していない。

今後NTT株に大きな値動きが発生した際は、ドコモ株の値動きも確認することで、ダマシを避けられる可能性がある。NTT株は4,000円~5,500円のレンジを上下どちらに抜けるかが注目されるが、レンジを抜ける動きが生じたら、ドコモ株の値動きも確認することで、予想の精度を高めたい。