人手不足の解消法、「賃金水準の引き上げ」がトップ
~積極的な人材活用、「女性」「シニア」が高く、「外国人」は15.7%~
はじめに
現在、就業者の増加傾向が続く中、有効求人倍率は高水準で推移するなど労働需給のひっ迫度が増している。また、限られた人材の獲得に向けて企業間の競争が激化する一方で、求職者にとっては就業機会の拡大や賃金の上昇など明るい材料として捉えられる。こうしたなかで、人手不足による人件費の上昇が企業の収益状況に大きく影響するため、人材の確保や生産性の向上など、人手不足の解消に向けた取り組みは企業の喫緊の課題となっている。
そこで、帝国データバンク高松支店は人手不足の解消に関する四国地区の企業の見解について調査を実施した。
■調査期間は2019年8月19日~31日、調査対象は四国地区に本社が所在する企業721社で、有効回答企業数は293社(回答率40.6%)
調査結果
1 従業員が「不足」している企業が半数超にのぼるなか、不足している部門・役割は「生産現場に携わる従業員」(64.9%)が最も高く、「営業部門の従業員」(49.1%)、「高度な技術を持つ従業員」(42.1%)が続いた。
2 人手不足による影響は、「需要増加への対応が困難」が49.1%でトップとなり、『建設』『製造』で高水準を示した。次いで、「現状の事業規模の維持が困難」(30.4%)、「時間外労働の増加」(29.2%)が続いた。
3 今後積極的に活用したい人材は「女性」が29.7%で最も高く、「シニア」(28.3%)、「外国人」(15.7%)が続いた。
4 人手不足の解消に向けての取り組みでは、「賃金水準の引き上げ」が41.6%でトップとなり、特に「中小企業」での割合が高かった。次いで、「残業等の時間外労働の削減」(37.5%)、「設備投資による省力化」(36.2%)が続いた。
5 人手不足の解消に向けて社会全体が取り組むべきことは、ハローワークなどの「職業紹介機能の強化・充実」が34.5%でトップ。次いで、「働き方改革の推進」(28.7%)、「通年採用の拡大」(27.3%)が続いた。