自分の老後や家族のために、長期的な観点から確実にお金を増やしたいのであれば、一生涯続ける「ライフタイム・インベストメント(Lifetime Investment)」を検討してみてはいかがだろう。

人生のキャッシュフローを作る「ライフタイム・インベストメント」

値上がりしたら即売却して利益を得る短期投資から、将来的な値上がりを見込んで待ちの戦略をとる長期投資まで、投資のスタイルは様々だ。どのスタイルが最適かは、投資の目的により異なる。

ライフタイム・インベストメントとは、自分と家族が一生お金に困らないために、できるだけ若い頃から長期的な資産運用を行うこと。

長期的資産運用というと真っ先に老後の資金が思い浮かぶが、それまでにも何度かまとまったお金が必要になる時期が人生には訪れる。車や住宅の購入資金、結婚資金、子供の教育費といった「ライフプランに必要な支出」に加え、社会人生活が長くなればなるほど冠婚葬祭などの「臨時出費」もかさむ。

普段の生活費は自分や配偶者の所得で賄うことができていても、「お金の必要な時にお金がない」というのであれば、ファイナンシャル・プランニングを見直す必要がある。生活費や臨時出費を補うために、借金をしたり老後のための蓄えを切り崩したりする必要がないように、安定したライフタイム・インベストメントを心掛けたい。

年金制度を賢く利用して、将来につながる資産形成を

shutterstock.com
(画像=Lorelyn Medina / shutterstock.com, ZUU online))

ライフタイム・インベストメントとして最も幅広く利用されている手法は、確定拠出年金制度や公的年金制度だろう。 日本においては、個人型の確定拠出年金として、iDeCoが導入され、注目を集めている。また、購入した株式や投資信託の配当、分配金、譲渡益などが非課税となるNISAという制度もある。

NISAには、非課税期間が5年(ロールオーバーすれば10年)の一般NISAと、20年のつみたてNISA、そして、親が子供のために子供の名義で非課税で資産運用する「ジュニアNISA」の三種類がある。

金融庁2018年3月末の調査によると、NISA(一般・つみたて)は1167 万口座を、ジュニアNISAは26 万口座を突破。買い付け額はそれぞれ13 兆 9387 億円、855 億円強と、国内の消費者間における貯蓄や投資への関心の高まりが伺い知れる。

同様の制度は海外にも存在する。NISAのモデルとなった英国のISAは、預貯金や公社債も購入できるほか、つみたてNISAに相当するライフタイムISA(LISA)が2017 年4月に導入された。LISAは政府補助金給付や非課税制度など、若年層(18~40歳)のマイホーム購入支援策を通し、将来につながる資産形成そのものを支援することを目的としている。

「投資の知識や経験に乏しくても、資産を運用できる投資法」として、より幅広い層にアピールしている。

ライフタイム・インベストメントに役立つ3つのステップ

年金制度やNISAを利用するだけではなく、もっと積極的にライフタイム・インベストメントをすることも可能である。 しかし、これまで投資経験のない人にとっては、どこから始めれば良いか迷うところだろう。知識や経験もないのに一括千金を狙い、株や証券に投資するのはリスクが高い。 以下の3つのステップで、一生涯続けられる資産運用をしよう。