急な対応が必要なら「電話」

このように、メールを受信したらすぐ対応してしまう「早く返さなきゃ病」「メールチェック病」は残業時間を増やし、仕事のクオリティを落とす危険なものです。

考えてみましょう。そもそもメールはそんなに早く返す必要があるものでしょうか。

現在、私は講演や研修などで全国を行脚しています。たとえば、丸1日研修の場合、昼休みも主催者と食事をすることがあるので、メールを返信している余裕はありません。よって、一度朝にメールをチェックした後、返信するのは夕方になることもあります。

しかし、そのことで文句を言われたことも、返信が遅くなったせいで仕事を他社に奪われたこともありません。つまり、すべてのメールに即レスする必要はないのです。

ここでできるリーダーはチームとして「メール禁止タイム」を設けるのです。

「メール禁止タイム」とは、ある一定の時間帯、メールや電話、社内での会話を禁止にして、自分の仕事に集中する時間を設ける施策です。こうすることで、その時間帯にじっくりとデスクに向かってクリエイティブな仕事をするのです。

この制度は、下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社が導入していた「がんばるタイム」を参考にしています。

また、できれば時間帯ごとに、チームの全メンバーがどれだけの数の重要なメールを受信しているかを聞き、比較的業務に支障が出ない時間帯に設定するのがいいでしょう。

仮にカスタマーセンターなど、誰かがメール対応しないといけない場合は、「メール禁止タイム」をシフト制にするのも1つの手です。

しかし、そうは言っても、リーダー自身は、部下から急ぎの決裁の承認や報告、相談などが入ったりするので、急な対応を迫られることもあるでしょう。

その場合は、なるべく電話をもらうようにしましょう。そうすることで、対応自体のレスポンスも早くなりますし、部下の側も遠慮なく上司に電話することができます。

リーダーの「やってはいけない」
吉田幸弘 発売日: 2019年03月19日
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リーダーの「やってはいけない」
(画像=THE21オンラインより)

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)
リフレッシュコミュニケーションズ代表
1970年、東京都生まれ。大手旅行代理店を経て、学校法人、外資系専門商社、広告代理店で管理職を経験。「怒ってばかりのコミュニケーション」で降格を経験したことからコミュニケーションを学び、2011年に独立。現在はコーチングの手法を駆使し、経営者や中間管理職向けにコンサルティング活動を行なう。(『THE21オンライン』2019年09月06日 公開)

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