企業の24.7%が海外に進出
~ 海外進出への課題、「社内人材(邦人)の確保」がトップ ~
はじめに
政府は、成長戦略のなかで中小企業の海外進出を重要な政策課題として位置づけている。こうしたなか、国や自治体の積極的な支援を追い風として、大企業だけでなく、中小企業を含む日本企業がより一層の海外進出を目指すことが期待されている。一方で、企業にとって、現地情報の収集や日本と諸外国との関係などが海外に進出する際のリスクとして顕在している。
そこで、帝国データバンクは、海外進出に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年9月調査とともに行った。
■調査期間は2019年9月13日~30日、調査対象は全国2万3,696社で、有効回答企業数は9,901社(回答率41.8%)。なお、海外進出に関する調査は、2012年5月、2014年9月に続いて今回で3回目
■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
1 海外への進出状況において、企業の24.7%が直接・間接のいずれかの形で海外に進出をしている。業界別では、『製造』(39.8%)が最も高く、次いで、『卸売』(29.5%)、『金融』(27.6%)が2割超で続いた。他方、進出していない企業は7割超となった
2 海外に進出するうえで相談をした相手は、「取引先企業」(38.0%)がトップ(複数回答)。以下、「公的な支援機関」(29.0%)、「メインバンク」(26.0%)、「現地企業」(16.6%)、「現地日系企業」(15.5%)と続く
3 現在の進出先として、生産拠点・販売先ともに「中国」が最も重視している国となった。それぞれの上位10カ国・地域では「アメリカ」以外はすべてアジア諸国・地域が並んだ
4 海外進出への課題として、「社内人材(邦人)の確保」が45.2%で最も高かった(複数回答)。以下、「言語の違い」(37.9%)や「文化・商習慣の違い」(37.3%)、「海外進出に向けた社内体制の整備」(36.6%)、「進出先の経済情勢に関する情報収集」(33.9%)が上位
5 期待する支援サービス、「法制度や商習慣に関する支援」が42.0%でトップ(複数回答)。次いで、「リスクマネジメント」(36.1%)、「人材育成支援」(28.6%)が続いた