(本記事は、敷田憲司・徳井ちひろの著書『KPI・目標必達のコンテンツマーケティング 成功の最新メソッド』エムディエヌコーポレーション2019年10月1日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
コンテンツマーケティングのメリット
まずは、コンテンツマーケティングのメリットから紹介します。
広告費用を抑えられる
リスティング広告であれば、クリックに費用がかかります。インプレッション課金のDSP広告では、広告が表示される毎に費用がかかります。
コンテンツマーケティングでは、コンテンツの制作費用以外の費用がほとんど必要ありません。自社のメディアで公開したコンテンツが自然検索で上位表示されれば、大きな広告効果が見込めますが、もちろん何度ユーザーが訪れても費用は0円です。表示やクリックで費用が発生する広告とは違い、コンテンツは露出しても費用がかからないため、ユーザーに読まれれば読まれるほど、費用対効果が良くなっていくのです。
自社の資産になる
当たり前のことですが、広告は出稿停止すれば、集客が0になります。しかしコンテンツは、一度作ってしまえば、自社の資産となり、半永久的にユーザーへのアプローチをし続けてくれます。広告のように費用をかけている間しか効果が現れないということもないのです。
ブランディング効果が大きい
専門性の高いコンテンツを公開していくことで、読者の安心感を生むことができます。また、自社の考え方やポリシーをきちんと発信していくことで、企業のブランドイメージが確立されていきますので、コンテンツマーケティングには圧倒的なブランディング効果があります。
潜在的な顧客にアプローチできる
通常、サービスだけを訴求したサイトであれば、サービス名などの直接的なキーワードでしか集客ができません。しかし、幅広い情報を取り扱うコンテンツを持つことで、すぐにサービスを検討するわけではない潜在的な層に対してもアプローチが可能です。
顧客を育成できる
さまざまなロングテールキーワードで幅広く集めてきた潜在層に向けて、メルマガなどを活用し、段階的にコンテンツ配信を行っていくことで、ユーザーの検討度合いを進め、育成していくことが可能です。
コンテンツマーケティングのデメリット
メリットの多いコンテンツマーケティングですが、デメリットも存在します。コンテンツマーケティングのデメリットには次のようなものがあります。
効果が出るまでに時間がかかる
リスティング広告などのWeb広告は、設定をして審査が通った瞬間からすぐにコンテンツがユーザーの目に触れます。しかし、自然検索やSNSでの露出がメイン集客経路であるコンテンツマーケティングは、ユーザーの目に触れるまでに時間がかかります。
また、一定の流入を得るために必要なコンテンツ数は多く、運用が安定軌道に乗るまでは根気が必要です。
運用に人的リソースが必要
コンテンツマーケティングを行うためには、コンテンツ企画・ライティング・リライト・画像の作成・コンテンツ公開後の効果測定や修正など、多くの手間暇がかかります。そのためには、専任担当を置くなど、人的リソースが必要になります。
成功するためにはノウハウが必要
多くの企業がコンテンツマーケティングを実施しています。しかし、すべての企業で満足のいく成果を出せているわけではありません。コンテンツマーケティングを成功させるには、Webサイトの設計からコンテンツ企画、効果測定に至るまで、Webマーケティングのノウハウが必要不可欠です。
デメリットもきちんと理解した上で取り組む
コンテンツマーケティング以外にもさまざまなマーケティング施策は存在します。自社の課題や、達成したい目標に合わせて、最適な施策を選択できるようにしましょう。
デメリットを理解しないままコンテンツマーケティングをスタートしてしまうと、思ったような成果が得られなかった、という結果になってしまうかも知れません。
*コンテンツマーケティングでリーチを広げ、リターゲティング広告で刈り取りを行うなど、 コンテンツマーケティングと広告をうまく組み合わせることで、さらに大きな成果を出すこともできます。
*「翌月から期間限定のキャンペーンを打ち出すので、認知拡大をしたい」というように、急ぎで短期的な集客を行いたい場合、コンテンツマーケティングは不向きです。その場合はリスティング広告やSNS広告など、キャンペーン期間中の広告出稿の方が向いています。コンテンツマーケティングに限らず、さまざまな手法を理解し、最適なものを選択できるといいですね。
コンテンツマーケティングの効果についてのアンケート
リサーチ会社を利用して、約900名のメディア運営担当者にアンケートを取りました。その結果から、実際のコンテンツマーケティングの効果について見ていきましょう。
コンテンツマーケティングに期待している効果
コンテンツマーケティングに期待している効果として、「Webサイトの流入増加」が51.4%と最も多く、次いで「問い合わせや売り上げの増加」が48.7%、「ブランディング」、「顧客とのコミュニケーション」が続く結果になりました。やはり、認知拡大の手段として期待している人が多いようですね。
コンテンツマーケティングの成果を感じるまでにかかった期間
コンテンツマーケティングの成果を感じるまでにかかった期間は、3ヶ月未満が25.1%と最も多く、次いで6ヶ月が21.9%、1年未満13.7%となりました。1ヶ月未満や2ヶ月未満も含めると、半数以上が半年程度で成果を実感しているようです。
オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかると言われていますが、成果が出る目安は約半年と考えればいいでしょう。
コンテンツマーケティングを実施した効果
コンテンツマーケティング経由での問い合わせや売り上げが増えた企業が37.5%と最も多く、次いでSEO効果を感じている企業が36.1%、Webサイトへの流入が増えたが35.8%となりました。コンテンツがSEO効果を発揮し、サイトへの流入が増加したことで、問い合わせや売り上げが増加した企業が多いようですね。また、元々期待していた効果との乖離も少ないようです。
コンテンツマーケティングの効果の種類
さて、アンケートにもあったコンテンツマーケティングの効果について、さらに詳細に話していきます。
認知拡大
コンテンツマーケティングに期待している効果として最も挙がったのは、この認知拡大です。コンテンツマーケティングは、ひとつ一つがユーザーを集めてきてくれる優秀な広告になります。特に、検索ニーズを考慮したSEO用のコンテンツは、サイト全体のポテンシャルの底上げにもあるため、非常に重要です。
・サイトの流入を増やしたい
・ひとりでも多くの人にサイトを知ってもらいたい
・商品をすぐ購入するわけではない潜在的な層にアプローチしたい
そんな方は、まず認知拡大のためのコンテンツ施策を考えましょう。
ブランディング
コンテンツマーケティングはブランディング効果も抜群です。特に、オウンドメディアとして、コーポレートサイトやサービスサイトとは独立した形で運営する場合、ユーザーは親しみやすさを覚え、情報の信頼度が増すとも言われています。大手企業でも、ブランディングに重点を置いてコンテンツ施策をはじめるケースをよく見かけます。
・製品に対する想いを伝えたい
・社風を知って欲しい
・独自の考え方を啓蒙したい
“共感”などの感情を与えるには、コンテンツマーケティングが一番です。
ユーザーの育成
コンテンツマーケティングを行う上で、最も難しく、大切なのが、ユーザーの育成の部分です。ユーザーとのコミュニケーションを取り、元々潜在的なニーズしか持っていなかったユーザーに気付きを与え、購買意欲を育てていくというものです。コラム型のコンテンツだけではなく、メルマガやSNSもうまく活用していくことが成功のポイントです。
・ユーザーとコミュニケーションを取りたい
・ソーシャルメディアのエンゲージメントを獲得したい
・製品を好きになって欲しい
・課題解決ができる製品があることを認知させたい
ユーザーと定期的に接触していくことで、購買意欲を育てていけるようなコンテンツ設計をしていきましょう。
CV・売上の増加
コンテンツマーケティングに期待する効果として最も選ばれていたのが、CV・売上の増加です。コンテンツマーケティングに取り組む企業でよく耳にするのが「流入は増えたけど、CVがなかなか増えない」という悩みです。課題解決型のオウンドメディアなど、情報提供が主な役割となっているサイトでは、コミュニケーション設計が弱い場合に多々起こる問題です。
お問い合わせよりハードルの低い資料請求を用意する、価格の低いお試し商品も用意しておくなど、中間CVを用意できるといいでしょう。
・サイトの問い合わせや資料請求を増やしたい
・無料のセミナーや相談会に来て欲しい
・ECサイトの売上を増加させたい
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