(本記事は、清水久氏、須崎雄介氏の著書『挑戦と成長を諦めたくない人の目標達成術』合同フォレスト、2019年7月12日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
うまくいかない人の共通点
●「自分を変える」がスタートライン
目標を達成するためには、まず「正しい目標の立て方」を身に付ける必要があります。さらには、目標達成に向けて常に気持ちを高いところに維持していくための、心身両面でのスキルアップも必要です。
つまり、目標を達成できる人になるには、目標設定の前に、自分の行動や思考を見直し、変えていくことがポイントになります。
まずは「自分を変える」という観点からスタートさせていきます。私がこれまで出会ってきた、「目標達成がうまくいかない人」の共通点から、問題点を解決するためにどのように自分の行動や思考を見直し、変えていく必要があるかを紹介していきます。
あなたの克服すべき課題が見いだされ、解決方法が明確になったときは、速やかに実行に移してみてください。そしてまた新しい難題や挑戦が見つかったとき、本書を開いてみてください。
●悩みがあると空回り
私は人の悩みを聞き、その解決法を一緒に考えることを仕事としています。
ある時はメンタルのコーチ、ある時は経営コンサルタント、またある時はカウンセラー。さまざまな肩書きで活動しています。
これら肩書きの共通点は、クライアントにとっての最良な応援者、もしくはサポーターとしての役割です。
目の前に立ちはだかる壁をどのように乗り越えていくか、もしくは壊すのか、はたまたヒラリとよけてかわすのか、そういった悩み打破の答えを一緒に探していき、くじけかけていた心を立て直すことが私の使命であり、日々悩みを抱えている方と二人三脚で問題解決に取り組んでいます。
私の元へ相談に来られる方々は、何かしら夢や目的や目標を持っているにもかかわらず、なかなか達成できずにもがいています。
「営業でなかなか成果が出なくて」と打ち明ける営業マンの方や、「出世や給料アップが望めない」と将来を憂える方、「売り上げが年々落ちてきている」と頭を抱える自営業の方や経営者の方など、多くは仕事に関する悩みから打ち明けられます。
しかしカウンセリングを続けていくと、「そもそも仕事が楽しくない」「人間関係がうまくいっていない」「借金が気掛かりで仕事に集中できない」など、別次元の悩みが判明していきます。
悩みの種類としては、まずお金の悩みが多いです。続いて人間関係の悩みで、これは職場や家庭や恋愛など、どんな人でもどこかしらで悩みごとを抱えています。
さらに続くのは仕事の悩みです。今の仕事が自分に合っていない、仕事の内容に自信が持てない、といった不安を抱えている人もいます。
これら悩みを抱えている人は、自力で解決する方法が見つからず、途方に暮れています。
加えて、1つ悩みを抱えていると、脳の容量を食われてしまい、何かに没頭したくても気掛かりで最大のパフォーマンスを発揮することができなくなります。生活のすべてが空回りしがちになってしまうのです。
仕事でノルマが達成できないのは、実はプライベートな問題が引き金となっていた。そんなケースも少なくありません。
目標を達成する意欲、気持ちの余裕を失ってしまうのも当たり前かもしれません。
目標がなかなか達成できない現状を打破したいのであれば、今抱えている悩みの源をまず解消していくという思考に切り換えるべきです。
自分以外のことが原因で悩みを抱えているという人も、自分のほうから変えていく思考をぜひ持ってほしいです。良くならない現状を悲観しているだけでは何も解決しませんから。
悩みの撃退方法については、本書でいくつもの側面から提案をしていきます。まずは気になるタイトルの項目から目を通していくのでもいいので、あなたの悩みをやっつける新しいアイデアを手に入れてください。
少しだけヒントを先出しすると、一番早い悩み解消の方法は、仲間を増やすことです。
あなたの悩みは、相談し協力してくれる最適な仲間がいないから解決しないのかもしれません。
自分から動きだし、こちらが先に周りを助け、価値を提供していきましょう。そうすれば悩みを一緒に解決してくれる人が出てくるはずです。
とにかく、人生の悩みが多い人ほど、新しい目標を立てて実行しようとしてもうまくいきませんし、そもそもチャレンジしていこうという気持ちが湧いてきません。
悩みの源を探り当て、悩みを解消することを第一の目標としましょう。
●途中で投げ出す
自分なりに新しい目標を立てたはいいけれど、なかなかうまくいかず達成に至らない人もいます。
そしてそのほとんどのケースでは、うまくいかないことに嫌気が差して目標達成を諦めるか、目標を立てたこと自体を忘れてしまいます。
当然ですが、途中でやめてしまったら、目標達成などあり得ません。
逆に言えば、続けてさえいければ、ゴールに向けて着実に前進しているので、いつか目標に届く日がきます。
ただし、正しい目標を立て、正しい方法で目標を目指して進まないと、いつまでも同じ道をぐるぐる巡って、ゴールへたどり着くことはできません。
自分で正しい目標を立てることや、目標達成への計画づくりを、私たちは学校教育の中できちんと学んだことがありません。トライ&エラーを繰り返していき、自己流で身に付けていくしかないのです。しかし多くの人がそれを自覚できていない上に身に付けるハードルがなかなか高いため、うまく目標を達成できないまま成長してしまいます。
●情熱がない
「やろう」と決めたのになかなか熱が入らない、モチベーションが上がらないという人もいるでしょう。
自分自身のスキル不足や考えの甘さを責める人がいますが、そんなにネガティブになる必要はありません。
目標に対して情熱のスイッチがオンにならないのは、これも目標の設定が良くないからかもしれませんし、目標に対する自身のとらえ方に問題があるのかもしれません。
目標を文字に起こして眺めてみて、「楽しそう」「ワクワクする」「やってみたい」と思えなかったら、自分とマッチしていない目標を持っていることになります。
●イメージが湧かない
目標達成できない人の共通点の最後に紹介したいのが、イメージできない人です。
目標を達成した先にある自分や、自分を取り巻く環境がどうなっているか、イメージを膨らませること。これが目標達成のための最大の秘訣です。
あなたが今目標を持っているとして、その目標を達成した先で、あなたがどんな人生を歩むことができるのか。じっくりイメージする時間を作ってみてください。これは決して無駄なことではありません。それどころか、目標達成のためには欠かせない思考過程なのです。
これができていない人は結構多く、そのために目標達成を果たすことができません。
私の場合、このイメージをすることが比較的得意で、子どもの頃からイメージを膨らます訓練を意識的にしてきたおかげで、目標を達成し続けてこられたと思っています。
小学校の卒業アルバムの「将来の夢」に、同級生たちが「パイロット」や「ケーキ屋さん」といった憧れの職業を書いていたのに対し、貧しい家庭で育った私は、「大大大大金持ち」と力強く書きました。
どんな仕事をしてお金を稼ぐかは、あまり重要ではなかったのです。とにかくお金をたくさん得て、そのお金でやりたいことをたくさんイメージしていました。その時のイメージが、今も行動のエネルギー源になっていると思っています。
世の中は超スピードで便利になり、自分から積極的に動かなくても、受け身でも情報が次々に入ってくるようになりました。
便利になることはとてもいいことなのですが、その半面で、イメージする力が根こそぎ奪われている気がしてなりません。
イメージはやる気の源ですから、やる気を奪われているも同然なのです。
ですからこれからの時代はとくに、意識してイメージすることが大切です。
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