(本記事は、清水久氏、須崎雄介氏の著書『挑戦と成長を諦めたくない人の目標達成術』合同フォレスト、2019年7月12日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

「また会いたい」と思われる人になる

成功者
(画像=skyNext/Shutterstock.com)

●うまくいっている人の共通点

私がこれまで出会ったり見聞きしたりしてきた、「この人はすごい」「この人こそ本当の成功者だ」と思える人の共通点を分析し、私自身も現在進行形で目指している人物像です。

それが、「温かい人」

世の中でうまくいっている人たちは、みんな温かい人たちなのです。

温かい人だけでは、漠然としていて輪郭がはっきりとしてこないかもしれません。別の言葉に言い換えれば、誰からも好かれる人、安心感を与えてくれる人、自然と人が寄り集まってくる人、一緒にいて「血が通っているな」と感じられる人、いろいろな場面で気持ちが入っている人、そして「また会いたい」と思われる人、といったイメージです。

最後に挙げた「また会いたい」と思える人というのは、もしかしたら一番なじみやすいイメージかもしれません。これまでの人生の中で、あなたは「また会いたい」と思える人に出会ったことがあるはずです。

すでにこのような人物像を目指して日々を生きている方もいらっしゃることでしょう。温かい人に近づくための思考や行動を習慣化し、価値観へと育ませている最中かもしれません。

仕事がうまく回らない人、人間関係で悩んでいる人、将来のことに悩んでいる人は、まず自分が「温かい人」へと変わっていくことを意識しましょう。

●「温かい」の反対は「フラットな人」

私は営業マン時代から、このような「温かい人」になることをひたすら目指していました。

温かい人は自然と人を引き寄せるため、私は当時から「磁石人間」とも呼んでいます。

磁石人間は出会いのチャンスが多いため、人材にも仕事にも恵まれ、財も豊かになっていきます。時に彼らはそれを「自分は運が良かっただけ」と謙虚に言いますが、「温かい人だったから」というれっきとした理由があるのです。

ただ私の場合、温かい人を目指すことに躍起になり過ぎて、たまに「近づいたらやけどするんじゃないか」というくらい熱くなってしまうことがあるようです。

しかし私は頑張っている人を応援する立場、いわば情熱担当ですから、熱過ぎるくらいがちょうどいいかもしれません。私はそれでいいとして、多くの方は熱いよりも温かいを目指しましょう。

温かい人のイメージをさらに膨らませるために、温かい人とは反対の人についてここでは考えておきましょう。

温かい人の反対は、冷たい人ではなく、感情に抑揚のない人です。

何事に対しても常にフラットな心境で、顔色ひとつ変えないポーカーフェイス。このような人が、温かい人の対極にある人といえます。

気持ちが入っていない人は印象に残りづらく、また会いたいなとは思われにくい存在です。

お店にたとえると分かりやすいです。

また行きたくなるお店というのは、店内の雰囲気や商品の質ももちろんですが、一番印象に残っているのは店員さんの笑顔と心の込もった対応です。店員さんにまったく気持ちが込もっていなかったら、いくらいい商品があったとしてもまた行きたいという気持ちは湧きにくいですよね。

気持ちが常にフラットな人は、物事を俯瞰し過ぎている傾向があります。自分のことをまるで他人事のように扱うため、あらゆることに対して「全力で受け止め、全力で投げ返す」という気概が欠けています。

私が携わっているコーチング事業では、クライアントの方には常に全力でいてもらうことを徹底しています。しかし中には、恥ずかしいからなのか物事に冷静過ぎるのか、なかなか気持ちを入れてくれない方も見受けられます。

「何で感情を出さないの?」
「変わるためにここに来たんじゃないの?」

こちらとしては、とてももどかしく感じることもしばしばです。誰よりも自分自身が変わりたいと思ってくれないと、コーチングの意味がありません。こちらが本気でボールを投げたら、向こうも懸命にキャッチし思い切り投げ返してほしいのです。

対極にあるフラットな人の特徴を挙げてきたことで、目指すべき温かい人の輪郭がよりはっきりしてきたことと思います。

目の前の一つ一つに対して感情を入れていく。これが温かい人のスタートラインなのです。

●手本にしたい温かい人

たとえば営業マンの方で、お客さまに対して、マニュアル的な商品説明だけのロボットのようなプレゼンをしていないでしょうか。

そんなやり方ではお客さまの心に響かず、商品を買いたいと思わせることはできませんよね。

これから紹介していく温かい人になるためのアイデアをぜひ取り入れてください。感情を出しながらお客さまとの距離を近づけていけば、相手にこちらの温度が自然と伝わっていくはずです。

「なんだか分からないけどあなたが勧めるから買うよ」となるのがベストです。大げさではなく、このくらいの信頼関係が築けるまでを目指してください。

人間関係に悩んでいる方も、まずは自分の感情を出すことからスタートしましょう。相手の話にうなずくだけでもコミュニケーションの幅は広がりますので、興味関心を持って接することを意識してください

最後に、具体的な例として、最も有名で誰もが納得する「メチャクチャ温かい人」のモデルを挙げます。

それは、タレントであり名司会者のタモリさんです。

タモリさんこそ、日本で最も有名な温かい人代表です。誰からも好かれていて、人を寄せ付ける磁石人間で、何にでも誰にでも興味関心を持ち、いつも感情が表に出ていて、愛情にあふれています。お茶の間もまた会いたくて、ついついタモリさんの番組にチャンネルを合わせてしまいます。

これまで挙げてきた温かい人の特徴をすべて満たしているといっていいでしょう。納得ですよね?

私はこれまで磁石人間とか温かい人とか、漠然としたイメージを目指していましたが、本当はタモリさんみたいな人になりたいのかもしれません。

私の新しい目標が出来上がりました。

というわけで、温かい人になって目標達成が上手になりたいなら、まずはあなたにとって目標となる人を見つけて、一挙手一投足を観察し、真似てみましょう

挑戦と成長を諦めたくない人の目標達成術
清水久(しみず・ひさし)
株式会社NEOSHAKEHANDS代表取締役社長。自由が丘産能短期大学経営管理コース卒業。ジュエリー業界やブライダル業界、人材業界などを経て、2016年に独立。2017年にセミナー講師へ転身し、主に経営コンサルティングやセミナー、講演活動を精力的に行うほか、出版事業や教育事業なども行う。
須崎雄介(すざき・ゆうすけ)
株式会社KEYOFLIFE代表取締役社長。青山学院大学文学部心理学科(現教育人間科学部)卒業。学校法人で専門学校教員として7年間勤務。2016年に起業・副業のコンサルタントとして独立。その後、保険代理店の経営、不動産事業なども手がける。

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