印象は「言語化」できる

38歳からのビジネスコーデ図鑑
(画像=photoB/photoAC)

芸能人ではなく、一般人のスタイリストとして今まで4500人以上の買い物に同行してきた森井良行氏のもとには、「服」を変えたことで、仕事や恋愛がうまくいったという嬉しい報告が続々と寄せられています。目的や目標に合った服を着ることで、まわりからの評価が高まり、自信も湧いてきます。それは、服選びの大きな醍醐味です。

ここでは、新著『38歳からのビジネスコーデ図鑑』から、ビジネスからプライベートまで、「評価される見た目」をつくる服装術を紹介します。

「服を変えたら、想像以上の効果があった」

・入社初日でも気負わず、職場にすぐ馴染めました!
・営業成績で年間MVPを獲れました!
・ビジネス交流会が名刺交換だけで終わらず、取引が劇的に増えました!
・社内恋愛が成就しました!

これらの報告はすべて、「服」を変えただけで、仕事や恋愛など人生がうまくいった方々から寄せられたものです。

たとえば、私のところに相談に来られたIT企業で働く男性(30代)は、服を変えて恋愛が成就しました。彼が思いを寄せていたのは同じ職場の女性。しかし、社内の人間関係ということで、気持ちをストレートに伝えることができずに悩んでいたそうです。あなたなら、どうやって職場の気になる女性と接点をつくりますか? 

「そのネイル、素敵だね!」 

このようにほめてみたらどうでしょうか。たしかに、彼女を喜ばせることができそうですが、「突然、何?」と警戒される恐れもありそうです。

そこで私は、女性のほうから声をかけてもらう「服のしかけ」を提案しました。その結果……、

「そのネクタイ、素敵ですね!」

意中の女性からそう声をかけられて、会話のきっかけが生まれたそうです。

きっかけとなった服のしかけは、「淡いピンクのネクタイ」。彼が自分では選ばない、女性的な色を服に取り入れて、女性が思わず声をかけたくなるような爽やかな印象を目指しました。それ以降、業務外のやりとりが増えた彼らは、社外でも会う関係に発展。そして、正式に交際が始まったそうです!

「なりたい自分」を言葉にすると印象が変わる

一般的に男性は、女性と比べると、おしゃれに無頓着になりがちです。20代、30代のうちは、それで問題ないと思います。しかし、40代を目前にすると、普通にスーツを着ているだけでは格好がつきにくくなってきます。また、服選びがワンパターンになりがちで、なかなか新しいアイテムに手が伸びない方も多いのではないでしょうか。

それは、「おしゃれメンタル」の不足に原因があります。おしゃれメンタルとは、「おしゃれに気後れせず、服を着こなす精神」のことです。おしゃれメンタルに必要なのは、「なりたい自分」を具体的に描くこと、それだけです。なりたい自分や目的・目標から逆算して考えれば、これまで挑戦したことのなかった服やアイテムでも、「将来の自分に必要なもの」と思えて、自然に身につけることができます。そうして、「おしゃれメンタル」が確立すれば、服だけでなく、顔つきも変わり、まわりの反応が劇的に変わるはずです。

そこで、今回はオフィス編・オフィスカジュアル編・プライベート編の3つのシーンで、目的・目標を実現させるために効果的なコーデを紹介します。

【オフィス編】外資系生命保険会社のトップ営業マン風

38歳からのビジネスコーデ図鑑
本書96ページより(画像=日本実業出版社)

青みが強いライトネイビーのスーツは、イキイキとした印象を与えます。さらに、明るい色のネクタイと合わせれば、親近感をプラスできます。たとえば、3色使いのネクタイで、白色が入っているものです。明るさが特徴のライトネイビースーツには、明るい色のネクタイが馴染みます。単色なら、水色やオレンジがおすすめです。

売上勝負の世界にいる外資系生命保険会社の営業マンは、「できるヤツ」というイメージですが、顧客からの信頼を勝ち取るために、「親近感」や「安心感」といった印象も大切にしているそうです。青系のスーツに抵抗がある人は、いつもの紺色のスーツよりワントーン明るい色から始めてみましょう。

【オフィスカジュアル編】プロのセミナー講師風

38歳からのビジネスコーデ図鑑
本書138ページより(画像=日本実業出版社)

お客様から「人前で話すときに着る服」をオーダーされたときは、明るい服を選ぶことが多いです。そのほうが舞台映えし、その人のスキルが際立って見えるからです。女性であれば白いジャケットも選択肢に挙がりますが、男性が着こなすには難易度が高いでしょう。

そこで、ベージュ色のジャケットです。男性のビジネスファッションでは黒・紺・グレーなどの色が多いので、ベージュ色のジャケットは、ひときわ明るい印象を与えます。

パンツは、チャコールグレーのスラックスにして、ジャケットの明るい印象を引き締めます。このコーデには、白シャツにノーネクタイも◎です。ネクタイを絞めるなら、紺色など濃い目のネクタイと合わせると印象がグッと締まります。

【プライベート編】都会的で表参道が似合う30~40代の大人の男風

38歳からのビジネスコーデ図鑑
本書160ページより(画像=日本実業出版社)

東京で女性に人気の表参道。その街並みにマッチする大人は年齢にかかわらず若々しいイメージですが、年齢は服装で十分カバーできます。

休日に履く白いスニーカーは、見るからに爽やかな印象を与えます。さらに、くるぶし丈のパンツと合わせれば、都会的なイメージがプラスされます。「足元の白靴は汚れやすい」という理由で敬遠する男性が多いですが、女性からの好感度は想像以上に高いのです。白いスニーカーの汚れは、100円ショップで販売されている水回り用の「メラミンスポンジ」を使えばきれいに落とせます。また、靴ヒモも汚れたら洗ったり変えたりしましょう。

服は、「人生を変える」ツールです

服には、色々な役割があります。温度調節などを目的とした「機能」、個性の演出を目的とした「ファッション」、そして人間関係の潤滑油となる「コミュニケーション」……などなど。私は、これまでいただいた「服で人生が変わった瞬間」のご報告を通じて、「単にお客様に似合う服を選ぶのではなく、お客様の目的を達成する服を選ぶことが私の役割である」と思うようになりました。

それまでは、TPO(時・場所・場合)に合った服選びを大切にしていましたが、「お客様の目的・目標を実現させるためにはどんな服が効果的か」ということを重視して服を選ぶようになったのです。

目的や目標に合った服を着ていると、まわりから「最近、あいつなんか変わったぞ」と期待を抱いてもらいやすくなります。そして、まわりからの評価が高まると、自信が湧いてきます。これは、服を変える大きな醍醐味だと私は思っています。

もし、今あなたが、何かしらのチャレンジをとまどっていたり、あきらめていたりしていても、一度きりの人生だから現状を打破したいと思っているならば、本書で紹介したビジネスコーデをぜひ試してみてください。そうすれば、「人の反応」が面白いように変わって、自分自身の心も変わり、現状にいい影響を与える行動をとることができるようになります。そして、服以上に、あなたの顔つきが変わっているはずです。

(提供:日本実業出版社)

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