激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、“億超え”の資産を築く。連載『資産“億超え”の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。

第13回のテーマは「自動化で時間を生み出す」である。製造業や流通業でよく使われる考え方に「定期定量」化がある。あらかじめ決めた数字を、決めたタイミングで自動的に発注するだけなので、その都度考える必要がなく、時間を有効に使うことができる。石川さんは定期定量の考え方のほかに、不定期定量や定期不定量、不定期不定量など、さまざまな手法を日常で生かしているという。

日常で扱える製造業・流通業の知恵

CG Alex/ shutterstock.com, ZUU online
(画像=CG Alex/ shutterstock.com, ZUU online)

日々、膨大な情報にさらされ、その都度判断し、意思決定をしなければならない現代において、毎度同じような分析や判断をしていては時間が無駄になる。一度分析・判断したことは、その1回で済ませて、あとは自動化して時間をセーブすべきである。その方法が定期定量化と不定期定量化=発注点化だ。

製造業や流通業でよく使われる考え方であるが、日常生活でも役に立つので紹介したい。

製造業・流通業の知恵 1:定期定量の仕組み

製造業や流通業は、日々膨大な取扱商品を抱えている。何千、何万という種類を管理することもざらである。もし全品目に対して毎日、売れた数、在庫の減り具合、今後の売れ方の予測を立て、仕入れるべきか否か、どれくらいの数量を仕入れるべきかを判断していたら、いくら時間があっても足りなくなってしまう。

そこで、考えられたのが発注方式の自動化だ。まずは、定期定量発注方式である。定期定量とは、在庫数量を測るタイミングを決めて、事前に決めておいた数量を切ったら、補充を発注するという考え方である。

例えば、毎日10個売れる商品があるとしよう。この商品は発注して入荷するまでに5日かかり、発注のタイミングも5日ごとだとする。この場合、事前に決めておいた数量=発注点は50個と考える。発注から入荷まで5日かかるので、この5日の間をしのげる数量を切ったら、補充しないとまずいからだ。

具体的に説明する。現時点で在庫が50個あるとすると、50個発注すれば、それが入って来るのは5日先である。商品が入ってくるまでに5日あり、毎日10個売れるので、ちょうど在庫がゼロになったタイミングで50個入荷される。

5日経ったこのタイミングで再び50個発注すると、入荷した50個が売れていく。また5日後に50個入荷し、途切れることなく販売を継続できるというわけだ。実際は、50個以上売れることもあるので、発注点を60個として、60個を切ったら50個発注するといった余裕を持たせた運用になる。追加でのせた10個分が「安全在庫」というわけだ。

決められた個数を、決められたタイミングで発注するだけなので、いちいち考える必要がない。機械的に発注できるので、商品が何万種類あっても自動化ができる。つまり、手間がかからないのだ。

定期定量化を日常で生かす例:食材購入

さて、この定期定量化は日常生活において、どんなときに使えるのだろうか。私は宅配の食材購入で使っている。わが家では毎週金曜日に発注し、翌金曜日に食材が届く。週に野菜ボックス1箱、低温殺菌牛乳3本、肉2パック、シラス2パック、納豆3パック、豆腐1パック、卵6個パック、トマト、バナナが届けられる。

1週間で使う量を登録していれば毎週勝手に発注され、補充される格好だ。水も毎月20リットルのミネラルウォーターボックスを4ボックス買っており、毎月20日頃届けられる。

基本食材は定期定量発注で、考える必要をなくしている。そうすれば、スーパーなどへ買いに行く手間もいらない。基本的な食材を買う時間はゼロにし、時間をセーブするのだ。実際、わが家では外へ食材を買いに行く機会は皆無に近い。私も妻もその分、仕事や好きなことに時間を使っている。

定期定量化できることを集めてみよう

定期定量化できれば、考える時間が不要になる。機械的に対処でき、自動化できる。こうした事柄があれば考えずに済むので、どんどん推進すべきだ。例えば、私が定期定量化している事柄は、以下のようなものだ。