(本記事は、堀口龍介の著書『1分で売る 最小の労力で成果を最大化させる「AI時代の即決営業」』冬至書房の中から一部を抜粋・編集しています)

コース内容・支払い方法・支払い回数を明確にする

相手を契約に誘導する二者択一の質問術
(画像=PIXTA)

みなさんは、「二者択一」という言葉を知っていると思います。お客様に2つの選択肢を提示して、どちらかひとつを選んでもらう。これが、「二者択一」の一般的な意味ですね。

お客様に「コーヒーを飲みますか?」と、ひとつだけの選択肢を与えた場合、YESかNOの返事が返ってきます。このような質問の仕方だと、NOの選択肢を与えることになってしまいます。

そこで、質問や提案を「二者択一」に変えてみると、どうなるでしょうか。もしお客様からオーダーを取りたいのであれば「お客様、コーヒーになさいますか? それとも紅茶になさいますか?」と、コーヒーと紅茶の2つの選択肢を与えると、お客様は「コーヒーにします」「紅茶にします」と、どちらかのオーダーを選択しやすくなります。

これが「二者択一」の方法です。即決営業では、「二者択一」を応用して、お客様を契約 に誘導する技術として使っています。

例えば、アポイントを取る場合なら「お客様、もしお話を聞くのであれば、平日か土日、どちらがよろしいですか?」、契約間際のクロージングの際なら「もし契約するとしたなら、お支払い方法はクレジットカード払いになりますか?それとも銀行振込になりますか?」となります。

このように、小さな2つの選択肢を与えて、お客様がそれに答えていく。そうすること によって、契約というゴールに誘導していくわけです。先にも述べましたが、とても大事なことですので、もう一度言います。

クロージングは、ゴールに寄せてから。

これは、先にも紹介した私が経営する営業会社の合言葉。お客様をゴールという契約の側に寄せてからクロージングをすることが大事という意味でした。私たち営業マンは、お客様に商品説明をして、料金説明をして、それからクロージングをします。「契約してください」と迫っていくわけです。

商品説明と料金説明が終わった時点では、お客様は契約からすごく遠い場所にいます。まだ、お客様が契約をするというゴールが明確にはなっていない状態です。ゴールが明確ではないまま、お客様にクロージングというシュートを打ったとしても、お客様は「どのコースにするか考えてから連絡します」「支払い方法を何回にするか、ゆっくり考えたい」 という具合に、曖昧に逃げられてしまいます。

コース内容、支払い方法、支払い回数の3つが明確になっていれば、お客様を契約に誘導しやすくなります。クロージングもかけやすくなるわけです。ですから、お客様にクロージングをかけるときは、必ずお客様をゴールの側まで寄せてからにしてください

2つの選択肢しかお客様に提示しない

では、どうすればお客様をゴールの側まで寄せられるのでしょうか。どうすれば、コース内容、支払い方法、支払い回数の3つを明確にできるのでしょうか。これは、実は簡単です。お客様に聞くだけでいいのです。

例えば自動車の販売だったとしたら「お客様、もし契約するとしたら、カーナビありのパッケージにしますか?それともカーナビなしのパッケージにしますか?」、もし脱毛サロンだったら「お客様、もし契約するとしたら、全身脱毛コースになさいますか?それとも部分脱毛コースになさいますか?」という形で、2つの選択肢をお客様に与えていきます。

このときに注意してほしいのが、「もし契約するとしたら」という仮説のフレーズを付けること。「二者択一」のフレーズは「仮定法」の技術と一緒に使うのが基本形です。「二者択一」の技術を繰り返すだけで、お客様はゴールに寄せられていきます。

支払い方法も同じです。

「お客様、もし契約するとしたら、クレジットカード払いになりそうですか?それとも銀行振込になりそうですか?」と、2つの選択肢を与えていくわけです。

この技術のポイントは、お客様に提示する選択肢を、必ず2つだけにすること。もし選択肢が3つ以上あると、お客様は迷ってしまうからです。もちろんコース内容、支払い方法、支払い回数には複数あるかと思います。でも、大まかに2つに絞ってお客様に提示することが大事です。

支払い回数の場合で見ていきましょう。

「お客様、もし契約するとしたら、一括払いになりそうですか? それとも分割払いになりそうですか?」と、まずは大まかに2つの選択肢を提示します。もしお客様が一括払いを選んだら、それで支払い回数は明確になります。

ただ、お客様が分割払いを選んできたら、支払い回数は、6回、12回、24回、36回など、いろいろな選択肢が残されることになります。

この場合でも、すべての選択肢を提示するのではなく、大まかに2つに絞ってください。私も営業マン時代は、支払い回数を2つに絞って提示していました。

「お客様、分割払いの場合、2回、6回、12回、24回、36回、48回、60回など、いろんな回数を選べるのですが、だいたいみなさんは、24回払い、もしくは36回払いのどちらかになさっています。もしお客様が契約するとしたら、24回払い、36回払いのどちらになりそうですか?」

このように、24回と36回に絞って聞いてしまいます。「二者択一」で質問をしていくと、コース内容、支払い方法、支払い回数の3つが明確になっていきます。

ゴールから遠く離れた場所でシュートを打ったとしても、ゴールは決まりにくいもの。サッカー、バスケットボール、ゴルフなど、いろいろな球技がありますが、選手はボールをゴールに寄せる行為に、ほとんどの時間を使っています。なぜなら、ゴールから近い場所でシュートを打つほうが、ゴールに入りやすいからです。

営業も同じです。いかにお客様をゴールの側に寄せていくのかがポイントです。合言葉は「クロージングは、ゴールに寄せてから」です。

1分で売る 最小の労力で成果を最大化させる「AI時代の即決営」
著者:堀口龍介
1976年大阪生まれ。別名「セールス堀口」。有名企業をはじめ、トップセールスを目指す営業パーソンに対して、お客様の「考えます」の攻略に特化した業界唯一のメソッドを提供。メディア出演多数。 営業本ランキング1位を獲得した著書『即決営業』/『1分で売る』では、商談の「その日その場」で契約を取るための、とことん具体的なノウハウが学べる。「今日から使える営業本」として口コミで広がり続けている。YouTube再生回数は100万回を突破

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