「世界の航空会社ランキング(Top Airlines in the World )」の2020年版が発表され、ニュージーランド航空が6回目の首位に輝いた。ヴァージン・アトランティックを除き、トップ10に選ばれた航空会社の顔ぶれは変わらないものの、シンガポール航空が首位から2位に後退するなど、順位に変動があった。

世界の航空会社ランキングとは?

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(画像=Ryan Fletcher/Shutterstock.com)

同ランキングは、オーストラリアの航空評価機関「AirlineRatings.com」が優秀な航空会社に贈る「Airline Excellence Awards」とともに発表したものだ。

合計200年以上の業界経験を持つ7人の編集者が、安全性・政府による監査・機体の年数・乗客のレビュー、収益性・投資評価・製品の提供・スタッフを含む12の項目について、各航空会社を総合的に評価した。

「世界の航空会社ランキング」トップ5

世界の航空会社ランキングでトップ10入りした日本の航空会社は、全日空(ANA)。2019年の7位から3位へと大きくランクアップした一方で、昨年10位だった日本航空はトップ10入りを逃している。

5位…キャセイパシフィック航空

香港国際空港を拠点とし、世界200都市以上にネットワークを持つアジア最大規模の航空会社。2020年は「For Excellence in Long Haul travel(長距離フライト優秀賞)」を受賞。過去に「Best Business Class(ビジネスクラス最優秀賞)」や「Best Asia/Pacific Airline(アジア・太平洋航空会社最優秀賞)」など、数々の賞を獲得している。

4位…カンタス航空

オーストラリア最大の航空会社。顧客の支持率が極めて高く、過去数年にわたり「Airline Excellence Awards」の様々な賞を受賞している。フライト中はフルフラットでくつろげる「エアバス330 ビジネススイート」を筆頭に、革新的なアイデアを多く採用している。会員限定の上質なラウンジが高く評価され、「Best Domestic Airline Service(国内線航空サービス最優秀賞)」と 「Best Lounges(ラウンジ最優秀賞)」も獲得している。

3位…ANA(全日空)

日本が世界に誇る航空会社ANAが、トップ3入りを果たした。2019年4月には、日本初のボーイング787-10型機を導入。フルフラットシートを交互に配置することで、どの座席からでも直接通路に出られるようデザインされた「スタッガードシート」をビジネスクラスに採用するなど、快適な空の旅の追求に余念がない。

2位…シンガポール航空

世界最高のサービスや革新的なフライトに定評があり、様々な航空会社ランキングで上位にランクインするシンガポール航空。首位をニュージーランド航空に譲ったが、ファーストクラスより上のランクであるスイートクラスを導入し「First Class award(ファーストクラス賞)」を受賞した。

過去2年間で、エアバスA350型機やA380型機の改良版ボーイング787-10型機を導入。「シンガポールガール」と呼ばれるCA(客室乗務員)が着用するエキゾチックな制服「サロンケバヤ」も、同社のブランド力アップに貢献している。

1位…ニュージーランド航空

サービス、安全性、環境への配慮、スタッフのモチベーション、数々の賞を受賞した機内イノベーション力など、あらゆる点で世界の航空会社のリーダーとして相応しいパフォーマンスを見せ、首位を獲得。「プレミアムエコノミー(Best Premium Economy)最優秀賞」も受賞した。機内の快適さを重視して開発されたボーイング787-9型機に最新のシートを採用するなどして、最高の空の旅を提供している。

世界の航空会社ランキングトップ10

それでは世界の航空会社ランキングトップ10を順番に見てみよう。カッコ内は2019年版の順位だ。

10位 ヴァージンオーストラリア(2019年5位)
9位 カタール航空(4位)
8位 エバー航空(8位)
7位 ヴァージン・アトランティック(-)
6位 エミレーツ(6位)
5位 キャセイパシフィック(9位)
4位 カンタス(3位)
3位 ANA(7位)
2位 シンガポール航空(1位)
1位 ニュージーランド航空(2位)

航空業界は今後どうなる? 競争激化で利益率低迷

米市場調査企業IBISWorldの調査によると、2014年から2019年まで世界の航空業界の収益は低迷した。航空旅客と貨物の需要が拡大している一方で、燃料価格と市場の競争激化が航空券価格と貨物輸送料金に下向きの圧力をかけていることが原因だ。

各航空会社は、「需要が拡大すればするほど、収益が低下する」という負のサイクルから抜け出すために、新たな収益モデルを構築する必要があるだろう。渡航をカスタマイズできるビジネス・アヴィエーション(ビジネス航空・ビジネスジェット)の需要が欧米を中心に伸びているほか、Amazonが航空貨物輸送事業の拡大を計画しており、今後も市場競争が激化しそうだ。

「高品質なサービスは当たり前」という時代において顧客から支持されるためには、競合との差別化やブランド力の強化が不可欠と言えるだろう。

文・アラン・琴子(英国在住のフリーライター)/MONEY TIMES

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