2019年9月から10月にかけて、2020年春夏パリ・コレクションが開催されました。例年以上に装いの楽しさ、喜びを表現したものが多かった今回のコレクション。目だったテーマや、目を引いたブランドはいったいどのようなものだったのでしょうか。解説します。

コレクションはその年の世相を表す?

2020年,春夏パリコレ
(画像=eversummerphoto/Shutterstock.com)

パリ・コレクションといえば、デザイナーのコレクションの発表の場で、「オシャレ」や「華やか」と言ったイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。確かにそういった側面もあるのですが、実は、ファッションには、その年の世相やトレンドを表す側面もあるのです。

例えばここ数年、多くのブランドが毛皮を使わないという宣言をしています。これは、今、世界が経済成長だけでなく、持続可能な開発を続けていこうというトレンドに沿ったものです。一方で、今から12~13年前は、ロシアの景気が良かったということで、毛皮をあしらったコレクションが多くありました。

このように、ファッションと経済というのは密接につながっており、逆に言えば、ファッショントレンドから、現在の経済状況を読み解くことができるのです。

2020年春夏のパリ・コレクションでよく見られたテーマは?

では、2020年春夏パリ・コレクションで見られたテーマやディテールについて、主だったものを紹介していきましょう。

華やかなレースやフリルなどで「喜び」を表現

まず多く見られたのが、レースやフリル、明るいカラーなどを大胆に使い、装う喜びを表現したブランドです。現在、世界の経済状況は決して良いとは言えず、いわゆる明るい未来が見えているわけではないかもしれません。しかし、そういった状況だからこそ、ファッションで明るさを表現する、そういったブランドが多くあったのではないでしょうか。

特にその象徴ともいえるのが、クリスチャン・ラクロワ氏とドリス・ヴァン・ノッテン氏がタッグを組んだことでしょう。ドリス・ヴァン・ノッテン氏が、「もう一度着飾ることの楽しさを取り戻したい」と考え、クリスチャン・ラクロワ氏にオファーして生まれた今回のコレクションは、明るいカラー、プリント、クチュールの技巧がふんだんに盛り込まれたショーになっています。

また、20世紀初頭のベル・エポックをテーマにしたルイ・ヴィトンでは70年代風の煌びやかな装飾や、クラシックでエレガントな装いが目につきましたし、ヴァージニア・ウルフの「オーランド」をテーマにしたコム・デ・ギャルソンでは、貴族を連想させる華やかな色柄や、コルセットやパニエを使った大胆なシルエットが目につきました。また、ロエベでは、上流階級のエレガンスをテーマに、さまざまなレースを大胆に使ったルックが目を引きました。

ビッグシルエットも今回は明るいカラーで表現

一方、もう一つ目についたのが、ビッグシルエットのルックです。「快適に過ごしたい」という思いから、ゆったりとしたシルエットの洋服は今や市場の大きなトレンドの1つとなっています。

今回のコレクションでは、ビッグシルエットも明るいカラーが多かったのが特徴でした。「仕事のための装い」をテーマにしたバレンシアガでは、これまで以上にビッグシルエットのアウターやジャケットが見られましたが、それと同時に、鮮やかなグリーンのジャケット、ピンクのパワーショルダーのドレスなど、鮮やか×ビッグシルエットという掛け合わせに注目が集まりました。

また、バルマンやミュグレーなど、ビッグシルエットを得意としていたブランドも、ニュートラルなカラーではなく、鮮やかな色のコレクションが増えている印象でした。

2020年の春夏ファッションは華やかさが増すかもしれない

パリ・コレクションをはじめとするコレクションでトレンドとなった要素は、「実質的な価値のある現実的な服」を意味するリアル・クローズの世界でも、トレンドとして落とし込まれてきます。これまで以上に華やかさ、鮮やかさが目立ったパリ・コレクション。2020年の春夏ファッションは、いつもより少し華やかな装いになるかもしれません。(提供:JPRIME


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