• 2020年度第2四半期決算 12月19日引け後

  • 予想売上高100.8億ドル

  • 予想EPS0.58ドル

長引く米中貿易戦争の中で、ナイキ (NYSE:NKE)の株価は2019年では33%の上昇となっている。これはナイキが正しい戦略で事業を推進してきたことを証明するパフォーマンスと言っていいだろう。ナイキ株の堅調な上昇の中、19日発表の同社決算が注目される。

今年のナイキの成長戦略に対し疑念を抱く要素はなかったと言っていいだろう。ナイキの取り組みの最前線にあるのは2017年に発表した「トリプルダブル戦略」である。これは、イノベーション、市場投入速度、顧客直販をそれぞれ2倍にすることを目標とするものである。

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ナイキ 週足(画像=Investing.com)

ナイキはこの戦略によって良い業績を叩き出しており、競合他社のシェアを奪い返している。また過去11年の四半期決算の市場予想の約90%において市場予想を上回っている。

ナイキのブランド力は確固たるものになっており、ファッション性も高い上で、スポーツシーンだけではなく現在ではあらゆるところで着用が見られるようになった。

ドイツ発祥のライバルであるアディダス(OTC:ADDYY)から米国内のシェアを奪いつつ、またアジアの成長市場でも大きく成長している。

オンライン売上の増加

前回の決算報告では、貿易戦争の最中にもかかわらず中国での売上が27%増加した(為替調整なし)。

今後に目を向けると、どれくらいのスピードで成長が見込めるのかが課題となってくる。今週火曜日では市場最高値では100.17ドルをつけ、終値は99.65ドルであった。S&P500の平均予想PERは19倍である中、ナイキ株の予想PERは約29倍となっている。

割高なPERとなっている中で、今回の決算内容は現在の株価の上昇を裏付ける必要があるだろう。

ナイキの事業戦略で優れている点は、オンライン戦略であり、コスト削減と売上高・利益の増加を可能にしている。ナイキのオンライン売上は昨年に35%増加した後、第1四半期(6-8月期)で前年度42%の増加となっている。

また第1四半期では、米国国内では30%の増加、欧州・中東・アフリカにおいては2桁成長、アジアや南米では50%増、そして中国においては70%の増加である。

また、ナイキのウィメンズ商品に焦点を当てた戦略も功を奏している。前回の決算報告では、ウィメンズ領域で売上において2桁成長となっていた。

ナイキの長期的な戦略としてアンディ・キャンピオン最高財務責任者(CFO)は、ウィメンズ商品を第1に、次にアパレル、そして、デジタル分野や海外展開を挙げていた。多くのアナリストは、デジタル領域などのこれらの事業戦略は今後のナイキの業績を大いに支えるだろうとしている。

総括

ナイキの利益成長の強さは、スポーツウェア事業からより利益率の高い事業への移り変わりを反映したものである。そして、ナイキは四半期配当額は0.245ドル、直近配当利回りは約1%となっている。ナイキの堅調な増配の上で、我々は長期投資家にとって最適な銘柄として推薦する。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル