2020年が幕を開けた。本特集では、新年にさらに自身の資産を増やし、人生を加速させていこうと考える読者のために、金融・経済各テーマ別に一年の展望を解説する。

第3回は市場への影響も大きいであろう国際的なイベントについて概観する。

titoOnz/ shutterstock, ZUU online
(画像=titoOnz/ shutterstock, ZUU online)

東京オリンピック、Brexit(ブレグジット)、アメリカ大統領選……。2020年も世界における注目イベントが目白押しだ。2020年のビッグイベントを紹介しつつ、こうしたイベントが市場や人々の生活に与える影響について考えていこう。

ブレグジット(2020年1月31日の見込み)

19年もニュースとして世界的に盛んに報じられた「Brexit(ブレグジット)」問題。ブレグジットは「Britain(イギリス)」と「Exit(離脱)」をつなげた造語で、イギリスがEU(欧州連合)を最終的に離脱するのか否かに、ヨーロッパ諸国の国民を含めた世界中の人々が関心を寄せた。

この問題は国民投票の結果に端を発し、その後は先行きが不透明な状況が続いていたが、19年12月に保守党が総選挙で大勝したことで、20年1月末にブレグジットが行われることがほぼ確実な情勢となった。20年末までが「移行期間」とされ、EUとイギリスの間でさまざまな取り決めが詰められていくことになる。

ブレグジットが日本経済に及ぼす影響は限定的という見方もあるが、イギリスに進出している日系企業が周辺国との貿易で苦慮することも考えられる。ブレグジットが円ユーロ、円ポンドの相場に与える影響にも注目が集まる。

東京オリンピック(2020年7月24日に開幕)

日本国民にとって20年のもっとも大きなイベントが「東京オリンピック・パラリンピック」だ。オリンピックは7月24日から8月9日まで、パラリンピックは8月25日から9月6日まで行われ、オリンピックでは史上最多の33競技・339種目で金メダルが争われる。(一部の競技は開会式に先駆けて試合が組まれている)

この間、多くの外国人観光客の訪日が見込まれ、試合会場などの周辺を中心に宿泊実績の伸びが予想される。オリンピックに合わせてJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」も暫定開業し、東京が五輪の開催都市となる20年は日本にとって明るいニュースも多くなるはずだ。

東京都はオリンピック・パラリンピックの経済効果が30年までの試算で30兆円を超えると見ているが、懸念もある。オリンピック開催後の反動だ。例えば現在は宿泊施設などに対する投資が盛んに行われているが、需要が一服すれば供給過多の状態になる可能性もある。業界によっては働く人の雇用などにも影響を与えそうだ。

香港立法議会選(2020年9月に実施)

市民デモが長引く香港。中国本土への犯罪容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案が発端となり、いまだ終わりが見えない状況が続いている。

19年11月に実施された区議会議員選挙では民主派がじつに85%の議席を占める大勝利となり、新中派にとっては厳しい結果となった。次の注目の選挙となるが、20年9月の立法議会選だ。新中派が勢力を弱めるのか、それとも民主派が躍進するのかに関心が集まる。

香港には17年10月時点で約2万5000人の日本人が住んでおり、日本企業の進出や投資も盛んだ。市民デモがすでにこうした在留邦人の生活や現地の日系企業に影響を与えており、早期の事態の収束が望まれるところだ。

ドバイ万博(2020年10月に開幕)