株式新聞は毎年、新年の相場見通しアンケートを実施している。ここでは市場関係者が選んだ2020年の有望テーマを取り上げ、独自の注目銘柄をシリーズで紹介していく。第1回は前年に続いて1位となった5G(次世代高速通信システム)。同規格の先に控える「ポスト5G」にまで焦点を当て、有力株を探りたい。

5G
(画像=PIXTA)

猫も杓子(しゃくし)も――。19年はそう言いたくなるほど5G物色が活発となり、誰もが知る大企業からここ一番の商機をつかむ中堅どころまで、幅広い関連銘柄が登場した。春にもキャリア3社が商用サービスを開始する20年もマーケットの注目度は高いまま。相場見通しアンケートでは5Gが18票と2位に10票の大差をつけ、2年連続でトップに選出された。

既に現実買いの局面を迎えている5G。計測器のアンリツ(6754)のほか、電子部品の村田製作所(6981)、電子デバイス(窒化ガリウム)の住友電気工業(5802)、水晶発振器の大真空(6962)といったサプライヤー、協和エクシオ(1951)のような電気工事、さらには共用通信設備のJTOWER(4485・M、情報通信)と、人気化した銘柄はまさに枚挙にいとまがない。

日本などで「5G元年」に当たる20年も、こうしたスター株の一角の動きは引き続き見逃せない。一方、比較的マークの薄かった銘柄の中には、これから本格的な相場が始まるものも控えているはずだ。その候補の一つがSMK(6798)だ。

同社は老舗の電子部品メーカー。5G用のコネクターの新製品を投入し、来3月期に量産に入る。コネクターは高速大容量通信の要となるアンテナ回りでニーズが強く、数量、機能ともにスケールアップが求められている。また、5G、さらにはポスト5Gの時代に一段と存在感が高まる無線技術に関しても同社は強みを持ち、この分野に注力していく方向。株価はここ数年の安値圏にとどまり、他の5G株に対する出遅れ修正の余地がある。

また、5G時代のキーワードの一つが「放熱」だ。情報処理の質・量が飛躍的に拡大することで、電子機器の発熱量が増えるためだ。プリント基板に穴を開けるPCBドリルのユニオンツール(6278)のほか、回路から生じる熱を素早く除去するための熱伝導率を持つ「合成マグネサイト」の量産に世界で初めて成功した神島化学工業(4026・(2))も面白い存在だ。(1月8日株式新聞掲載記事)

>>話題のテーマや注目株を一足早くお届け「株式新聞WEB」限定プレミアム銘柄も

【関連株式ニュース 株式新聞へ】
コジマが急騰、第1四半期の営業利益が上期予想に接近
ドーンが続急騰し連日の昨年来高値更新、通期の業績予想を上方修正
10日大引けの日経平均株価=110円70銭高の2万3850円57銭と続伸
日経平均は110円高と続伸、米国株の最高値更新など支え、上げ幅縮小後に持ち直す=10日後場
日経平均先物・オプション1月限SQ値は2万3857円19銭