電気自動車メーカーのテスラ (NASDAQ:TSLA)は、2019年第4四半期(10-12月期)における世界新車販売台数を報告した。10月に報告された第三四半期(7-9月期)決算を受け、同社の株価は約75%高となっている。

第4四半期における世界販売台数は11万2000台となった。また、上海工場ではモデル3を、週1000台以上生産していることが明らかとなった。

同社の株価は過去1ヶ月に渡って約34%高となっている。また、過去3取引日では約7%高となっている。

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テスラ週足チャート(画像=Investing.com)

好調な第3四半期決算を報告した10月以前、テスラは混乱状態に陥っていた。同社のイーロンマスクCEOは突如、会社の非上場化を表明し投資家の信頼を失った。信頼を裏切る数々の行為を受け、アナリストは同株の格付けを引き下げた。また、マスク氏は、CEOとしての素質が問われることとなった。

しかし、テスラの野望は、徐々に現実味を帯び始めている。1年足らずで上海のギガファクトリーを稼働させ、目標であった通年36万台の新車販売台数を突破した。このことから、同社は将来、自動車業界における主要企業となることが期待される。

「2020年はテスラにとって極めて重要な年である」とWedbush証券のDan Ives氏は述べた。

「中国での販売台数を伸ばし、マスク氏の壮大な野望に達成の兆しが現れると、2020年のテスラの株価は大きく値上がるだろう」

Ives氏によると、中国市場が2020年の同社にとって鍵となる。上海の工場では、夏からモデルYの生産も予定されている。

テスラの株価に孕む主なリスク

その一方で、中国市場が魅力的な市場であるか否かに関しては依然として不透明である。電気自動車に対する補助金の削減を受け、中国における電気自動車の販売台数は軟調である。

その他にも、米国における電気自動車の税控除額削減やマスク氏による約束破りなど、同株の上昇を阻む要因は複数存在する。同社は好調な業績を示した2018年を経て、2019年前半には株主の信頼を失った。再びこのようなことが起こる可能性を、常に留意すべきである。

テスラは今後、フリーキャッシュフローを創出し、債務削減に取り組む姿勢を示す必要がある。しかし、同株は悪材料に過激に反応し、投機対象となるリスクを孕んでいる。

モルガン・スタンレーは先月、テスラの目標株価を250ドルとした上で、目標株価を下方修正する可能性を示唆した。アナリストのdam Jonas氏は、投資家がテスラをテクノロジー企業ではなく自動車企業と見なし、株価が下落する可能性を示した。

Jonas氏は「我々はテスラに対して、長期的に強気な見解を抱いていない。市場はテスラを、自動車メーカーとして位置づけるようになるだろう」と述べた。

「テスラの株価が急騰する可能性は考えられるが、継続的に株価が伸びるとは考えていない」

総括

生産の強化や上海のギガファクトリーを受け、テスラが堅調であることは疑いようがない。しかし、今後は持続的な成長が可能であることを早急に示す必要がある。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス・アンワル