激務なコンサルタントでありながら、不動産投資家として本業の年収の何倍もの金額を稼ぎ、“億超え”の資産を築く。連載『資産“億超え”の兼業投資家が教える「時間レバレッジ」のかけ方』では、石川貴康さんがいかにして時間を生み出し、資産を増やし続けているのかを実例を交えて紹介してもらう。

第17回のテーマは「計画対応とイベントドリブンによる効率化」。

石川さんは仕事でもプライベートでも計画立案〜計画対応をすることで、限られた時間を最大化し、さまざまな活動を行っている。一方で、計画対応できない分野に関しては、想定できる事象が発生した際に、事前に組み立てておいた対応策を講じる「イベントドリブン」手法を用いているという。

企業活動に学ぶ時間の効率化

This Is Me/shutterstock, ZUU online
(画像=This Is Me/shutterstock, ZUU online)

企業とは利益を追求するために設立され、運営されている組織体である。そのため適切な資金と時間を投入することで、最大の収益を生むことが求められる。このように人の作業時間を最小にして収益を最大化することを目指しているため、企業活動は時間短縮の手法の宝庫である。

もちろん、硬直化した組織は時間を浪費するし、組織に縛られてかえって非効率な時間の使い方をすることもある。そうした企業や組織は、徐々に駆逐されていくだろう。

限られた資源である時間を、もっとも効率的に使った企業が勝ち残っていく。それは個人も同じだろう。同じ時間を使うのであれば、アウトプットが大きく、優れているほうが有利なのだ。

企業の合理性をもっともよく表すのが「計画」である。計画とは、あらかじめ未来を予想し、ヒト・モノ・カネを節約し、もっとも効果的に投入していく企てだ。スケジュールを決め、スケジュールどおりにヒト・モノ・カネを投入し、想定どおりの収益を生むことが目指される。

企業におけるヒト・モノ・カネのうち、時間にかかわるのはヒトの部分だ。ヒトの時間投入が少ないほどコストが下がり、収益率が上がる。ヒトの労力、時間の投入をあらかじめ企てて、計画どおりに投入することで、時間効率を最大化させるのである。

時間をコントロールするために押さえたい方法1:タスク設計

計画立案においてヒトの時間をコントロールするために必要なのが、タスク設計と作業設計である。タスク設計と作業設計は「似て非なるもの」なので解説する。

作業は処理手順が集まったものだ。タスクは作業を集めた大きな塊で、例えば、基本設計や詳細設計、プログラミング、テストなどである。タスクは前後依存、順序性が重要であり、タスクの連携をタスクフローとして設計する。

タスクの流れであるタスクフローができたら、スケジュール化する。いつそのタスクを行うのか、そのタスクでどれくらいの時間を使うのか、といったことを計画する。時間は、投入されるヒトの人数によって延長したり、短縮したりする。

1人で行うと2時間かかるところが、2人で行うと1時間でできる場合もある。タスクにヒトを割り付けることで、時間を伸縮できるのがタスク設計だ。

時間をコントロールするために押さえたい方法2:作業設計

一方、作業設計は手順の合理性を組み立てることである。例えば、あるドキュメントは最初から最後まで流れで作るのか、それとも必要なドキュメントをとりあえず作ってから、出来上がったドキュメントを使って、後からストーリーを作って組み立てるのかで、作業の順序も効率も変わる。

製造現場での作業設計の例として、時計を考えてみよう。時計を組み立てる際、ムーブメントを筐体に一つ一つ組み入れていく場合と、ムーブメントだけ別に作っておき、筐体にはめ込むだけで終了とする場合で、効率が変わる。

前者は職人でないとできないが、後者は普通の作業者でも可能で、作業時間は短くできる。こうした作業手順を組み立てるのが作業設計である。

仕事や生活に「計画対応」を取り入れて時間レバレッジを

私は常に仕事でも生活でも「計画対応」している。そもそも、企業に計画立案をコンサルティングする立場なので、当然と言えば当然だ。