東証1部に上場するKADOKAWA <9468> は、傘下に出版、映像・ゲーム、Webサービス等の事業を展開する持株会社である。2019年3月期の売上の内訳を見ると出版事業が56%、映像・ゲーム事業が23%、Webサービス事業12%、その他9%となっている。

注目されるのは、昨年11月14日発表の2020年3月期中間決算(4〜9月)で本業の利益を示す営業利益が前年同期比2.2倍の63億円と大幅増益となったことだ。映像・ゲーム事業で2019年3月発売のアクションアドベンチャーゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の累計出荷が全世界で400万本を超えるヒットとなり、同セグメントの中間営業利益を前年同期比で11億円押し上げた。また、Webサービス事業では前期に事業改革によるリストラコストを計上した『ニコニコ動画』サービスの収益が1億円の赤字から15億円の黒字へ転換、同セグメントの営業利益を同16億円押し上げている。

KADOKAWAは上記中間決算を受けて、通期(2020年3月期)の営業利益を期初予想の54億円から前期比3.7倍増の100億円へ上方修正した。中間時点での営業利益の進捗率が63%に達していることから市場関係者の期待感も強く、アナリストの平均予想を示すQUICKコンセンサスも2020年3月期の営業利益で110億円となっている。

KADOKAWAの株価は中間決算発表の翌11月15日の終値で6.1%高の1591円を記録。その後も買い人気は継続し、12月27日には一時2137円と5年ぶりの高値を付ける場面も観測されている。2019年2月15日の安値1076円からの上昇率は98%だ。

KADOKAWA,株価
(画像=IgorGolovniov / shutterstock, ZUU online)

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