要旨
- GDPにおける民間設備投資は19年7-9月期が前期比年率▲2.3%と2期連続のマイナスとなったほか、前期の同▲1.0%からマイナス幅が拡大しており、7期ぶりのプラス成長となった住宅投資とは対照的となっている。
- 民間設備投資が軟調な要因として、原油価格の下落に伴う資源関連の建設投資の減少、鉱工業生産の頭打ちに加え、トランプ大統領の通商政策に対する不透明感を背景に企業経営者が設備投資に慎重になっていることなどが挙げられる。
- 10-12月期も設備投資の回復はもたついている可能性が高い。設備投資の先行指標である耐久財受注のコア資本財受注の減少が続いているほか、資源関連などの建設投資の減少が続いており、設備投資が3期連続のマイナス成長となる可能性を示唆している。
- 一方、20年は緩やかに持ち直しが見込まれる。世界経済の成長率が小幅ながら加速するとみられるほか、金融環境が緩和的となっているなどが設備投資には追い風となっている。また、通商政策の不透明感も米中貿易戦争の一時休戦など好転する兆しが見えていることも回復を後押ししよう。