お笑い芸人で1億円プレーヤーとなった井村俊哉さん。今では投資や経済に特化した日本初のユーチューバーのプロダクション「Zeppy」の代表として、新たな視点で株を見ている。

井村俊哉さん PROFILE
お笑い芸人として活動し、「キングオブコント2011」で準決勝進出を果たす。100万円を元手に2011年に株式投資をスタートし、2017年4月には資産1億円を突破。同年、芸人を引退。2019年に投資・経済系ユーチューバーのプロダクション「Zeppy」を設立し、Zeppy投資ちゃんねるを運営。近著に『年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれたお金 の増やし方5.0』(日経BP)。

株式投資の動機は無限に 大好きな「お笑い」をするため

株で1億円をつくった“億り人”トレーダーたちの素顔
記事は2020年1月21日発売の『ZUU online magazine』に掲載されている特集からピックアップ。(写真=末松正義)

私が株式投資の世界に足を踏み入れたのは、21歳の大学3年生のとき。周りがすべて就職・進路の選択時期だったが、お笑い芸人になることしか頭になかった。とはいえ、先立つ稼ぎがないと生活ができないので、株式投資で生活費が稼げたら「無限にお笑いができる!」と考えて、持っていた“虎の子”の100万円を元手に株式投資の世界へ飛び込んだ。

最初のころは、儲かるなら何でもやるというスタンスだったが、結果的に中長期の企業成長にかけた「バイ&ホールド」が最も得意とする投資スタイルになった。保有する現物株を担保にレバレッジ(てこの原理)をかけた信用取引もしていた。ただし、信用取引は持ち越さないことを心がけ、ショート(売り)はあまり使わず、ロング(買い)が主体だった。

初期のころから信用取引を利用したのは、手数料が安いというのが一番の理由だ。デイトレは2011年から2017年の6年間、ほぼ毎日やった。芸人として売れていなかったので時間はたんまりあった(笑)。

ストップ高のときなどまれなケースを除いて基本的にオーバーナイトはせず、当日のクローズを心がけた。個人的には、数百万円の少ない投資資金のときならば高いリスクを取って挑戦してもいいと考えている。損失が生じても労働でリカバリーができるからだ。むしろ、その投資の失敗経験を後に生かすこともできるだろう。これが5000万円で失敗すると取り戻すのは困難だ。私も資産が半分になったことがある。