ギア沼という言葉をご存じでしょうか?「ギア」と言っても歯車ではなく、キャンプやダイビングなどのアウトドアで使う道具のことです。「沼」はズブズブとはまっていく様子のたとえで、「ギア沼」とはギアを次々に買い続けてしまう状態をいいます。

ギア好きの人は、「人とかぶる」ことを嫌います。職人が作った竹竿を愛用するなど、値段やエコかどうかで購入を決めるわけではないのです。今、このような新しい価値観が芽生えつつあります。

キャンプ沼を垣間見る

キャンプ沼
(画像=Pinkyone/Shutterstock.com)

ギア沼の一つに、キャンプ用品にはまる「キャンプ沼」があります。インターネットで「キャンプ沼」と検索してみて下さい。沼にはまっている人たちが開設するブログやSNSのアカウントがたくさん出てきます。

キャンプにはまると、それを少しでも快適にするために用品をそろえていくことが喜びとなり、熱く語ってしまうのです。

キャンプ用品は、テントだけではありません。寝袋やマット、テーブル、チェア、バーベキューグリル、バーナー、クーラーボックス、調理器具、ランタンなど、実に多くの用品があります。テントを張る際の杭(ペグ)を打つハンマーといった小道具まであります。

テントだけでも、ドームテントやツールームテント、ワンポールテント、ロッジ型などがあり、広さなどが異なるため、用途に応じて選択します。日帰り用の簡易なテントは1枚の生地でできたシングルウォールテント、宿泊用は2枚の生地からなるダブルウォールテントが一般的です。テントの生地や色、ポールの素材、通気性なども選択のポイントです。

ブランドもモンベル、スノーピーク、コールマン、ノースイーグル、キャプテンスタッグなど、有名ブランドだけでもかなりの数があります。それぞれが独自の機能性や長所を謳い、購入者はキャンプ仲間やネット上の評判などを参考にして選びます。

無数にある組み合わせの中から、用途や人数、設営場所、デザインを考慮して、自分好みのものを選びます。キャンプの経験や用品の知識、予算などをもとに、ベストと思える用品を選んで使うことは非常に楽しい経験であり、キャンプの醍醐味の一つと言えるでしょう。

ダイビング沼も奥が深い

ダイビング用品も奥が深いです。マスクやスノーケル、フィン、ウェットスーツあたりはダイビング未経験者でも思いつくでしょう。ほかにも水深や減圧不要限界を知るのに必要なダイブコンピューター、浮力を調節するBCD、タンクとつないで呼吸するためのレギュレーター、水中ナイフ、美しい海中の風景を撮影する水中カメラなどがあります。

「ダイビング沼」で検索すると、はまっている人のブログがたくさん出てきます。ブランドもツサやアクアラング、スキューバプロ、ガルなどさまざまです。命にかかわる機材も多いため性能が最も重要ですが、その上で好きな色やデザインを選ぶのはダイバーの楽しみとなっています。

ただの「見せびらかしの消費」とは違う、実利が求められるギア

ブランド物の服やバッグは、実質的な性能以上に高価であること自体がステータスであり、それを購入することは「見せびらかしの消費」と呼ばれる消費行動と言われています。

ブランド服と違って、ギアを使うのは大自然の中です。過酷な状況においては、ギアは利用者を守る役割を担います。よってデザインやブランド価値だけで実用性に乏しいギアは、淘汰されることになるでしょう。

今はSNS全盛の時代です。実用性をクリアした上で、ネット上で自分が持っているものアピールをするのも楽しいでしょう。仲間内で「持っているもの自慢」をしながらキャンプやダイビングを楽しむことも「今どきのエンターテインメント」なのかもしれません。

「はまる沼」は人それぞれ。いっそ楽しく「はまって」みてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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