最近のナイキの話題といえば厚底シューズ「ヴェイパーフライ」を思い浮かべる人も多いことだろう。厚底シューズは陸上の長距離で好記録が続出したことで注目されていたが、1月中旬に世界陸連の新規則によって禁止される可能性が高いと報じられ、耳目を集めた。とはいえ、ウォール街では引き続きナイキを評価する声は根強い。背景には中国圏の需要増加や自社サイトの販売強化への期待、アスレジャーブームなどがある。

今回はそんなナイキの最新動向をリポートしよう。

9~11月期は32%増益、期待を裏切らない優良企業

ナイキ,株価
(画像=Benjamas / Photovec / shutterstock, ZUU online)

ナイキの2019年9~11月期(第2四半期)決算は増収増益となった。純利益は32%増の11億2000万ドルと急増したほか、1株利益も0.70ドルとファクトセットがまとめたアナリスト予想の0.58ドルを大きく上回った。ちなみに、ナイキが過去5年の四半期決算の利益で市場予想を下回ったのは1度しかなく、ウォール街では「期待を裏切らない優良企業」(アナリスト)と評価する声も聞かれる。

売上高は10%増の103億ドルと、こちらもアナリスト予想の101億ドルを上回った。売上高の大半を占める北米市場は前年同期比5%の増収となった。フットウエアの伸びが続く半面、アパレル製品の売上高は横バイだった。海外では中国圏の好調が続いており、同期の売上高は20%増加した。一方、オンライン販売の売上高は38%増とこちらも好調を維持したほか、北米のブラックフライデーの売上高も70%増加している。

四半期配当を11%引き上げ、長期保有の魅力も

2019年のナイキ株は好業績を後ろ盾に36.8%上昇した。先週1月22日には一時105.62ドルまで買われ、過去52週の高値を更新する場面も観測されている。ちなみに、2018年末時点のアナリスト予想では、2019年のナイキ株は19%の上昇が見込まれていたが、現実にはそれを上回るペースで上昇したことになる。