激戦が続く米ファストフード業界。その中でハンバーガーチェーン大手のマクドナルドが存在感を増している。後段で述べる通り、マクドナルド株は1月のダウ平均構成銘柄の上昇率ランキングでTOPとなる8.1%を記録、2位のマイクロソフトの8.0%、3位のIBMの6.9%を上回るパフォーマンスを示した。
とはいえ、米ファストフード業界の覇権争いは激しさを増しており、情勢はあまりにも不透明だ。今回は米ファストフード業界の最前線とともにマクドナルドの最新動向をリポートしよう。
10~12月期は増収増益、アナリスト予想上回る
マクドナルドの2019年10~12月期決算は増収増益となった。売上高は53億5000万ドルと前年同期比で3.6%増加し、ファクトセットがまとめたアナリスト予想(53億1000万ドル)を4000万ドル上回った。純利益は15億7000万ドルで同10.5%増、1株利益は2.08ドルで同14.2%のプラスとなった。また、調整後1株利益は1.97ドルでアナリスト予想を0.01ドル上回っている。
同期の既存店売上高は世界全体で5.9%増となり、市場予想の5.2%増を上回った。米国は5.1%増で、こちらもアナリスト予想の4.7%増を上回ったほか、米国以外も6.2%増となった。セットメニューの値上げ等がサポート要因となった。
世界全体の既存店売上高は、2019年通年でも5.9%増と高い伸びを示した。世界全体の来店客数も1%増と3年連続で増加したが、最大市場の米国は1.9%減と伸び悩んでいる。2018年の2.2%減からは改善したものの、他社との競争激化(後述)や高齢化による外食離れが響いたようだ。
1月の株価上昇率は「ダウ平均構成銘柄」でTOP
マクドナルドの株価は2月4日現在で214.62ドル、過去1年間の上昇率は20.9%とS&P500(20.5%)とほぼ同じである。ちなみに、過去52週間のマクドナルド株を見ると、安値は昨年2月の173.41ドル、高値は同8月の221.93ドル(過去最高値)だった。冒頭で述べた通り、1月は月間上昇率が8.1%とダウ平均構成銘柄でTOPに立ち、現在は昨年8月の過去最高値を視野に入れた水準にある。