米国会計検査院(GAO)は、内国歳入庁(IRS)と財務省会計検査院(フィンセン)が、仮想通貨に外国資産報告法がどのように適用されるかを説明する必要があると表明した。
米会計検査院によると、内国歳入庁は仮想通貨に関する2019年の指針が正式なものではないことを明確にし、金融機関による仮想通貨の報告を拡大し、財務省の金融犯罪取締ネットワークと協力して外国資産報告法が仮想通貨にどのように適用されるかを検討する必要があるという。
GAOは発表された報告書の中で、金融機関など第三者による仮想通貨に関する情報報告について、「納税者が遵守することを困難にし、IRSが税務遵守リスクに対処することを困難にしている」と指摘し、「第三者による報告の対象となる仮想通貨利用者の数を制限する不明確な要件と報告基準が一因となっている」との見解を示した。
海外資産の報告義務、仮想通貨への適用に説明が必要
IRSは2014年と2019年に、納税者と実務家が提起したいくつかの疑問、例えば仮想通貨は課税目的では財産として扱われ、仮想通貨を使用することで課税可能なキャピタルゲインを生み出すことができるという疑問に対処する指針を発表した。
GAOは、「ただ2019年の指針の一部は、内国会報(Internal Revenue Bulletin)には掲載されていないため、正式なものではない。IRSは、内国会報Iに公表されている指針のみがIRSの権威ある法解釈であるとしている。IRSは、指針のこの部分が権威あるものではなく、変更される可能性があることを納税者に明確にしなかった」と説明した。IRSとフィンセンも「外国で保有する金融資産の報告要件が仮想通貨に適用される場合、明確かつ公に説明する」必要があるという。
GAOによると、外国口座税務コンプライアンス法 (FATCA) に基づく報告義務の仮想通貨への適用についても説明する必要があるという。GAOは、これらの要件に関する情報を明確化し、公開することで、「税金執行に利用できるデータを改善し、納税者が法的に義務付けられていない報告書を提出する可能性を低くすることができる」とした。
© 2020 ALM Media Properties, LLC