「ぜひうちの社においでよ」「良い会社だよ」と心から言えるか
3つ目の質問は、ぐっと個人的なことです。
3、会社に来るのが楽しいかどうか
会社訪問に来た学生に、自分の会社のネガティブな面を語る人はいないでしょう。
「給料は悪くないよ」とか「休日出勤も基本的にないし」とか「ブラック要素もないし」とか、いわゆる条件的に悪くないということは誰でも言えるのです。もっと言えば、そういうことは人事・採用セクションの人に聞けば具体的に教えてくれます。
あえて先輩に聞くべきは、「楽しく働けているかどうか」なのです。
何をもって会社を「楽しい」と言うかは、人によってそれぞれです。しかし、本当に「良い会社だよ」「ぜひ、うちを受けて仲間になろうよ」と言える会社かどうかというのは、楽しいかどうか、です。
「使命感ややりがいをもって働けている」ことかもしれません。
「自分が向上していけるという感覚がある」ことかもしれません。
「他ではやっていない面白いことをやれる」ことかもしれません。
どんな楽しさがあるのかを教えてもらうことで、その会社の本当の魅力が分かるのではないかと思います。
また、そういった話をいろいろな会社で聞いてみることで、自分がどういうエピソードにワクワクするかによって、どういう会社に入りたいと思っているのか、自分自身の望んでいることに気づくこともできるでしょう。
「楽しく働けている」という話が聞けないということは、「この会社を志望するのはやめたほうがいいよ」と言っているのと同然だと受けとめることができます。このような会社では、働きがいも低く、チームワークも悪く、社員の表情も暗いものです。
小宮一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント、小宮コンサルタンツ代表
1957年、大阪府生まれ。1981年、京都大学法学部を卒業後、東京銀行に入行。1986年、米国ダートマス大学経営大学院でMBAを取得。帰国後、経営戦略情報システム、M&A業務や国際コンサルティングを手がける。1993年には、カンボジアPKOに国際選挙監視員として参加。1996年、〔株〕小宮コンサルタンツを設立。『小宮一慶の1分で読む!「 日経新聞」最大活用術』(日本経済新聞出版社)など、著書多数。(『THE21オンライン』2019年12月17日 公開)
【関連記事THE21オンラインより】
・「ミレニアル世代」が重視する会社選びのポイントとは?
・「日本一学生が集まる中小企業」が教える採用のコツ
・「シゴトでココロオドル人」を、技術の力で世界中に増やす