読者の中にはメニコン <7780> のコンタクトレンズを愛用している人も多いのではないだろうか。同社は1951年に日本で初めて角膜コンタクトレンズを実用化した老舗で、国内最大手のコンタクトレンズメーカーである。ちなみに、社名のメニコンは「目にコンタクトレンズ」から付けたという。
メニコンの売上は過去10年間で2.4倍、同じく最終利益は4.2倍と拡大傾向にある。後段で述べる通り、株価は2月7日に年初来高値となる5340円を記録、昨年2月12日の安値2637円から約1年で2倍超に上昇している。そのメニコンの高成長の両輪が「高付加価値化」と「サブスクリプション」だ。
今回はメニコンの最新動向を見てみよう。
2020年3月期は過去最高益へ、高成長続く
2月7日、メニコンの株価は一時5340円まで買われ年初来高値を更新した。2月13日に決算発表を控える中、好業績を先取りした買いが先行したものと見られる。
2月13日発表のメニコンの2020年3月期第3四半期まで(4〜12月)の決算は、売上は5.1%増の633億円、本業の利益を示す営業利益は35.8%増の60億円と好決算だった。株価は2月7日にすでに高値を付けていたこともあり、利益確定の売り等で軟化する場面も見られたが大引にかけて反発する底堅さを示している。
ちなみに、四半期ベースの伸び率を見ると7〜9月期に売上で8.6%増、営業利益63.5%増を記録、10〜12月期は売上で1.7%増、営業利益2.2%減と減速しており、このことも利益確定の売りを誘った一因と見られる。ただし、7〜9月期は消費増税前の駆け込み需要増、10〜12月期はその反動と見られ、中長期的な高成長路線そのものに変化はないと考えられている。
実際メニコンは2020年3月期(通期)の見通しについて、売上5%増の850億円、営業利益29%増の72億円と従来予想を変えていない。予想通りとなれば売上・利益ともに過去最高を更新し、最終利益ベースで7期連続の増益となる見立てである。
高成長の両輪は「高付加価値化」「サブスク」
冒頭で述べた通り、メニコンの株価は昨年2月12日の安値2637円から約1年で2倍超に上昇している。株価が右肩上がりなのは売上・営業利益の安定成長に加え、採算の改善も顕著だからだ。