感染症対策、高まる健康意識

ビタミン
(画像=Evan Lorne/Shutterstock.com)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人々の健康意識が高まっている。手洗いやアルコール除菌などの対策はもちろん、病気にかからないための日常的な体調管理が重要だ。手軽に摂取することができるビタミンの関連銘柄に関心が向かいそうだ。

ビタミンは、人間の体の維持に不可欠な5大栄養素の一つで、体調を整えたり体がエネルギーをつくる手助けをする。体内ではほとんど生み出せず、食べ物やサプリメント(栄養補助食品)によって補給する必要がある。

中でもビタミンCは効果が高いことで知られる。病気やストレスに対する抵抗力を強め、鉄分の吸収を良くする働きがある。また、ビタミンDは血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨を形成するのに役立つ。また、ビタミンDがインフルエンザを予防するという研究報告も近年では注目されている。特に高齢者は不足がちになりやすく、新型コロナウイルスへの不安が高まる状況において需要を増す可能性がある。

世界的にビタミン剤を中心とした健康食品市場は拡大し、日本もインターネットを通じた通販がけん引している。代表的な関連銘柄のファンケル(4921)は各種のビタミンを取りそろえたサプリメントのほか、栄養素を個人の体調に合わせて配合するオーダーメードのサービスを展開する。

ビタミンCでは、医薬品や医薬原料を手掛けるイワキ(8095)が浮上する。ビタミンCは同社の一般医薬品事業の収益柱。粉末や錠剤など幅広いニーズに応えた商品を展開する。業績面では前11月期の連結営業利益が21億円(前々期比15%増)に伸長。医薬原薬の値上げに加え、医療用、一般用の医薬品販売も好調だった。今期の営業利益は22億円と小幅な成長にとどまる計画だが、波乱の全体相場の中で安定感に魅力を増している。

イワキの株価は1月の安値442円を底に同月下旬には556円まで上昇。足元では調整が進み500円を割り込んだが、200日移動平均線の近辺で踏みとどまっている。

このほか、食品副原料の専門商社オーウイル(3143・(2))もビタミンCを取り扱う。10日には今3月期の業績予想を小幅ながら引き上げている。

ビタミンDは、大塚ホールディングス(4578)の子会社大塚製薬がサプリを展開。また、ビタミンDはキノコや魚に多く含まれるため、ホクト(1379)やマルハニチロ(1333)、日本水産(1332)、ホウスイ(1352)などもマークしたい。(2月28日株式新聞掲載記事)

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