新型コロナウイルスは中国以外の地域にも広がり続け、市場の関心を集めている。
コロナウイルスの感染者数は78000人を上回り、2400人余りが死亡している。中国以外では、韓国やイラン、イタリアなどで死亡事例が報告されている。イランでは過去2日間で18人の感染が確認され、そのうち4人が死亡している。
NYダウ平均株価は先週の金曜日(21日)、0.78%安となった。コロナウイルスが米国や世界経済に対して、予想を上回る悪影響をもたらすと見られている。
コロナウイルスが懸念される中、今週は一部の大企業が決算報告を行う。以下の3銘柄に注目すべきである。
1.ホームデポ
米大手ホームセンターのホーム・デポ (NYSE:HD)は、2月25日寄り付き前に第4四半期(11-1月期)決算を報告する。予想売上高は257億ドル、予想EPSは2.11ドルとなっている。
堅調な個人消費支出を背景に、同社は過去数年間に渡って成長を遂げてきた。
しかし、前四半期の決算報告では、アナリスト予想を下回り、年間成長見通しを下方修正した。
同社の21日の終値は245.34ドルとなっており、年初来で12%以上上昇している。このことから、同社の業績への期待が高まっていることが窺える。
2.セールスフォース
クラウドコンピューティング大手のセールスフォース・ドット・コム (NYSE:CRM)は、25日の引け後に第4四半期(11-1月期)決算報告を行う。予想売上高は47億ドル、予想EPSは0.56ドルとなっている。
同社は12月上旬の第3四半期決算以降、株価が約17%高となっている。
同社の強気な年間業績見通しが、株価を下支えしている。RBCキャピタルマーケッツは1月「セールスフォースは2020年に大きく上昇する可能性がある」と述べ、同社をトップピック銘柄に指定した。アナリストのAlex Zukin氏は、同社の売上増加率が2024年度には20%を超えると見ており、同株を「重要な戦略的資産」としている。
同社の成長を牽引する要因は、昨年に153億ドルで買収したタブローソフトウェアである。買収は株式交換で行われ、同社にとって過去最大の買収であった。この買収は、同社がビジネスインテリジェンスへ参入する一歩となった。
同社によると、今回の買収によって売上が増加したものの、マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)やオラクル (NYSE:ORCL)とはこれまで以上に激しく競合するとのこと。
3.ビヨンドミート
人口肉を製造・開発するビヨンドミート (NASDAQ:BYND)は、28日の引け後に第4四半期(11-1月期)決算を報告する。
同社は昨年、レストランやスーパーマーケットを通じて急速な成長を実現してきた。今後は、その成長を持続させるための新商品や広告を打ち出していく。ビヨンドミートは現在、米国のカールスジュニアやハーディーズ、ダンキンドーナツと提携を結んでおり、最近はカナダのサブウェイとの提携を発表した。
タイソン・フーズ (NYSE:TSN)やスミスフィールド・フーズ(OTC:WHGLY)、ネスレ (OTC:NSRGY)、ケロッグ・カンパニー (NYSE:K)などの大手食品メーカーは、人口肉市場への参入を目論んでおり、ビヨンドミートにとって逆風となっている。
同株は5月1日に1株当たり25ドルで新規株式公開(IPO)を実施し、その後急騰した。7月末には、過去最高値の239.71ドルを記録した。その後、株価は大幅に下落したものの、年初来では55%上昇した。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル