人類が火星や月に移住する計画が進んでいます。例えば、米実業家のイーロン・マスク氏が率いる宇宙企業「スペースX」は2022年に最初の貨物を火星に送り届ける目標を掲げています。米アマゾンの最高経営責任者(CEO)としても知られるジェフ・ベゾス氏は自身が率いる宇宙企業「ブルーオリジン」を通じて人類を月に送り届ける計画を実現させようとしています。こうした動きにともなって、宇宙産業の発展も期待されています。

スペースX、2024年に人類を火星へ

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(画像=Alones/Shutterstock.com)

宇宙進出への取り組みが進むなか、先頭を行く企業のひとつはやはりスペースXでしょう。世界最強ともいわれる大型ロケット「ファルコンヘビー」に搭載できる貨物の積載量は約64トン。2018年に初めて打ち上げを成功させて以来、着実に成功回数を積み重ねてきました。スペースXが開発を進めているものの中には有人宇宙船「クルードラゴン」もあります。補給船「ドラゴン」は2012年に国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けて以降、こちらも多くの実績を積み重ねています。

スペースXは 宇宙服の開発も 進めています。それぞれの乗員に向けてオーダーメードで作られる宇宙服のヘルメットは3Dプリンターで制作され、耐火性にも優れているほか、機内の減圧などの事態にも対応できるといいます。スペースXは2022年に最初の貨物を火星に送り届けることを目標としています。これがうまくいけば、水資源の確認や発電、採掘、生命を維持するためのインフラの整備を行い、さらに2024年を目標に貨物とともに人間も火星へ送り届けるとしています。これが実現すれば、火星 の開発が本格化し 、最終的には火星で日常生活を送ることが可能になるかもしれません。

ブルーオリジン「今こそ、月に戻るとき」

宇宙を目指す企業としては、アマゾンのベゾスCEOが率いるブルーオリジンもあります。ブルーオリジンが目指す先は月です。ベゾス氏は2019年5月、月着陸船「ブルームーン」について発表を行いました。3.6トンの貨物を搭載しての精密な着陸が可能とうたっているほか、別の設計の機体では6.5トンの貨物を搭載できるとのことです。ベゾス氏は発表イベントで「今こそ、月に戻るときだ。今回は滞在する」と宣言し、2024年に人類を月面に送り届ける目標を発表しました。

ブルーオリジンによれば、ブルームーンの平らなデッキ部や低い位置にある収納部にはさまざまな種類の貨物類を簡単に搭載することができるといいます。着陸船にはまた、燃料電池が搭載されており、貨物類に電力供給を行うことで月面での長期間のミッションをサポートしてくれることでしょう。

NASA、有人 月面着陸目指す「アルテミス計画」

米航空宇宙局(NASA)は有人の月面着陸をめざす「アルテミス計画」を進めていて、2024年までに有人の月面着陸を目指しています。米国の宇宙飛行士が月面に降り立ったのは1960年代から70年代にかけて行われた「アポロ計画」が最後で、アルテミス計画が成功すれば、約半世紀ぶりの快挙となることでしょう。

米国は1950年代から旧ソ連とともに宇宙を舞台にした開発競争をリードしてきました。アポロ計画で人類を月面に送り込んだほか、有人宇宙船「スペースシャトル」の開発も進めました。しかし、コストの上昇や、1986年の「チャレンジャー号」と2003年の「コロンビア号」の2度の失敗などもあり、2011年に飛行した「アトランティス号」を最後にスペースシャトルは135回の打ち上げをもって退役しました。これ以降、米国はISSに宇宙飛行士を送り込む際にはロシアの宇宙船「ソユーズ」に頼っているのが現状です。

かつては高い国力を持った限られた国々でしか宇宙を舞台にした開発は進められませんでした。しかし、今では民間による開発も着実に成果をあげており、スペースXやブルーオリジンによる有人飛行が軌道に乗れば、その先には人類による火星や月への移住が現実のものとなるかもしれません。(提供:JPRIME


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