今、スマートフォンは最も身近なツールの1つと言っても過言ではないでしょう。メッセンジャーを使ってコミュニケーションを取り、写真や動画を撮影し、さらにそれを見るのもスマートフォン1つでOK。スケジュール管理から、ウォーキングの距離計測まで、ありとあらゆることがスマートフォンだけでこなせる時代になりました。

広く知られるようになったのは、アップルからiPhoneが登場した2006年頃。現在、普及率は13歳~49歳帯がいずれも80%超、70歳以上でも40%近くと、大変高い水準です。しかし登場から十数年が経過し、そろそろ「スマートフォンの次」と噂されるデバイスが登場してきました。その1つが「MRスマートグラス」です。

MRとはMixed Realityの略で、「複合現実」を意味します。映像の世界に入り込んだような体験ができるVR(Virtual Reality、仮想現実)、現実の世界に仮想の世界を重ねて表示できるAR(Augmented Reality、拡張現実)に似ていますが、カメラやセンサーを使うことで、詳細な位置情報がわかり、現実世界と仮想世界を融合し、仮想世界をよりリアルに感じられることがMRの特徴です。バーチャルな世界にいるキャラクターの後ろに回り込んだり、同じMR空間内を複数の人間が同時に体験できたりするため、ゲームやエンターテインメントの分野でもMRは活用されています。

そのMRスマートグラスがなぜ「ポストスマホ」と目されるのか? それは、メガネ型のウェアラブルデバイスで、いつでも簡単に身につけられ、目や耳から入ってくる情報をもれなくキャッチできるその形状によるところが大きいです。

対応デバイスは、マイクロソフトが2016年に発売した「HoloLens」(2019年11月に米国で「HoloLens 2」が発売開始)が有名ですが、米国Magic Leapによる「Magic Leap One」や中国Nrealの「NrealLight」など、スタートアップも続々と参入。なかでもNrealLightは、小型、軽量を実現し、ウェアラブルデバイスとしての魅力を大きく引き出したモデルといえるでしょう。

MRスマートグラスが日常生活を劇的に変える

ポストスマホ,MRスマートグラス
(画像=Tero Vesalainen/Shutterstock.com)

情報を取得できるのであれば、「Google Glass」に代表されるスマートグラスもありますが、MRに対応することで、その活用度は段違いです。KDDIは、日本国内におけるXR(VR、AR、MRなどの総称)技術を活用したスマートグラスの企画開発と日本展開を共同で推進するため、Nrealとパートナーシップを締結。その後メルカリも参画し、NrealLightに最適化した「メルカリ」の類似商品検索アプリ「Mercari Lens」のプロトタイプをリリースしました。これによると、気に入った物を見つけたとき、物を人差し指で指すだけで類似商品を検索。販売価格などの情報がスマートグラスのスクリーン上に表示されます。

こうした アプリの開発が進めば、日常の風景がMRスマートグラスをかけるだけで、テーマパークに変わったり、遠く離れた場所にいる人が目の前にあたかも現れたりするなど、想像もしなかったエンターテインメントコンテンツが楽しめるようになるかもしれません。

スマートフォンの登場から十数年。多くの人は、スマホの小さな画面に夢中になってきました。しかしポストスマホと目されるMRスマートグラスが普及すれば、画面の中だけに収まらない、新しい世界を見せてくれるはずです。新しいエンターテインメントとスマートで便利な暮らしをもたらす。それがMRスマートグラスの役割かもしれません。そしてスマートフォン以上の新しい世界を私たちに見せてくれることでしょう。(提供:JPRIME


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