帝国データバンク
(画像=PIXTA)

震災関連倒産は、9年間で2021件判明
~ 「東北」は2年連続の前年比増加 ~

はじめに

東日本大震災の発生からまもなく9年。政府による震災後の「集中復興期間」は2016年3月末で終了し、以降は「復興・創生期間」と位置付けられ各種支援が継続されている。被災地域の産業面においても、交通・物流網の構築のほか販路開拓や資金繰りに対する各種支援など、再生に向けた一層の取り組みが進む。

一方で、地震や津波による建物損壊や風評被害などの影響が残っている企業も多く、震災により経営環境が悪化し、事業停止を余儀なくされるケースが現在もなお発生している。

こうしたなか、帝国データバンクでは東日本大震災による影響を受けたことで倒産した企業(負債1000万円以上、法的整理による倒産、個人事業主含む)を「東日本大震災関連倒産」と定義し、震災発生直後の2011年3月から2020年2月末までの9年間で判明した関連倒産について集計・分析した。

調査結果

1 東日本大震災発生から9年間で判明した「東日本大震災関連倒産」は累計2021件、負債総額は1兆7048億600万円にのぼった。「9年目」となる2019年3月から2020年2月までの倒産は50件と、「1年目」の1割未満にとどまったが、集計開始以降初めての前年比増加となった

2 地域別件数をみると、9年間累計で「関東」が973件(構成比48.1%)で最多。以下、被災地である「東北」(419件、同20.7%)、「中部」(224件、同11.1%)と続いた

3 業種別件数をみると、9年間累計の最多は「サービス業」の447件(構成比22.1%)。うち、「ホテル・旅館経営」が125件で突出している