先日、志村けんさんの訃報が伝えられました。志村けんさんは、筆者の子ども時代に『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』等で絶大な人気を誇り、たくさんの笑いと元気を届けてくれた国民的なお笑いタレントでした。辛いときや悲しいとき、志村けんさんの笑いにどれほどの人が救われたことでしょう。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大で、日本社会はこの先どうなるのかまったく見えていません。先行きへの「不安」が広がる状況だからこそ、たくさんの笑いと元気を届けてくれた国民的お笑いタレントの死がいっそう悔やまれます。志村けんさんのご冥福をお祈りします。

ところで「不安」と言えば、読者のみなさんは具体的にどのような「不安」をお持ちでしょうか? 最近では東京都の首都封鎖等への「不安」からスーパーマーケットで食料品等の生活必需品が飛ぶように売れるという出来事がありました。健康面での「不安」のほか、職を失うことへの「不安」、さらに長期的には老後への「不安」など様々な「不安」があるかと思います。

本連載では、そんな人生の様々な「不安」を「バラ色」にかえる方法をFPとしての立場から解き明かします。基本的にどのような「不安」であれ、できるだけ早く「気づく」ことが、「バラ色」にかえる秘訣となります。「危ないと気づいて先手を打つ」「安心しても良いと気づくことで不安から開放される」などその後の対処は大きく変わりますが、まずはできるだけ早く「気づく」ことが大切だと覚えておいてください。

今回は高額所得者と老後破綻のリスクについてお届けしましょう。

重要なのは金額そのものではなく「収支のバランス」

老後資金,いくら必要
(画像=NaumovaMarina / shutterstock, ZUU online)

人生で最も大きな「不安」の一つに「老後不安」があります。昨年6月、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書で「老後2000万円問題」が話題となり、多くのメディアで報じられました。

ここで一つ、大きな疑問が浮かびます。2000万円あれば老後は本当に安泰なのでしょうか? もちろん、必ずしもそうとは言えません。老後資金で最も重要なのは「収支のバランス」だからです。