不動産投資ビギナーの中には、ローン(融資)審査に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。せっかく物件を選んだり手続きを踏んだりしても審査に通らなかったら時間のムダになってしまう……そんな不安を解消してくれるローン審査の事前チェック方法を紹介します。
「ローン審査が通りやすいか」を事前にチェックする3つの方法
不動産投資ローンの審査の不安を解消する手段には、以下の3つが挙げられます。
・自分の信用情報を確認する
・年収倍率を目安にする
・不動産会社の営業担当者にアドバイスしてもらう
いずれも実際にすぐ使える方法です。それぞれの内容を確認していきましょう。
ローン審査のチェック方法1:自分の信用情報を確認する
信用情報機関にはいくつかの種類がある
信用情報とは、クレジットやローンの一人ひとりの履歴です。契約内容や支払い状況について約5~10年程度の情報が保存されています。金融機関は信用情報機関に登録された信用情報を参考にしながら「申込者にお金を貸していいのか」「いくらまでなら貸せるのか」を判断の一つとしているのです。なお金融機関のカテゴリによって以下の3つの信用情報機関があります。
・CIC (クレジット会社系)
・JICC(消費者金融・クレジット会社系)
・全国銀行個人信用情報センター(銀行・信用金庫系)
例えば不動産投資を始めるための費用としてクレジット会社にローンの申し込みをする予定であれば、CICの信用情報を確認するのがよいでしょう。自分では信用情報に問題ないと思っていても過去5年以内に引き落としにならなかった履歴が残っている可能性もあります。クレジットカードの取引履歴だけでなく「マイカー」「マイホーム」のローンについても注意が必要です。
またスマホや携帯の本体を分割支払いした場合も信用情報に登録されます。そのため携帯代金の決済が遅れたことがある場合も取引情報が延滞情報として記録されている可能性があるので注意しましょう。
信用情報を開示するための手続きと利用料
信用情報を開示するには「郵送」「窓口」「インターネット」「スマホ」などの方法があります。一番手軽なのはスマホ経由での開示でしょう。例えばCICの信用情報開示までの流れは次の4ステップです。
1.利用環境の確認など(対応のOSバージョンになっているか)
2.受付番号の取得(クレジット会社に登録の電話番号を利用)
3.受付番号をフォームに入力
4.開示報告書の表示
サービス利用手数料は1,000円(税込み)かかります。
開示した信用情報の注意点
開示した信用情報には、契約内容や支払い、遅延履歴などが記載されているだけで「融資可」「融資不可」といった内容が記載されているわけではありません。あくまでも融資判断は、信用情報を見た金融機関が独自の方法で行います。信用情報を開示請求した人が分かるのは、現状の借入状況や金融事故情報があるかどうかです。
そのためあくまでも「信用情報に問題はないからローン審査に通る可能性がある」「延滞履歴があったからローン審査に通るのは難しそう」といった目安程度の確認として使用するのがよいでしょう。
ローン審査のチェック方法2:年収倍率を目安にする
年収倍率とは、「ローン総額が年収の何倍か」という指標です。例えば年収1,000万円でローン総額が1億円なら年収倍率は10倍になります。金融機関によって審査基準は異なるため年収倍率に絶対的な基準はありません。しかし平均値を知っておけばおおまかな参考にはなります。
2020年2月に株式会社MFSが約2,000人のサラリーマン投資家を対象に行った調査によると不動産投資ローンの年収倍率は平均 11.8 倍でした。
また事前審査承認率は、以下のような割合になっています。
年収倍率 | 事前審査承認率 |
1~5倍 | 37% |
6~10倍 | 28% |
11~15倍 | 13% |
16~20倍 | 8% |
21倍~ | 14% |
年収倍率11倍未満だと65%が承認されているのに対して11~20倍では21%と大幅に承認率が落ち込むことが分かります。これらのデータに基づくと「高年収」「金融資産が多い」といったローン審査で属性が高くなる一部の人を除くと、年収倍率11倍以内を目安に借入額を設定するのが無難です。6~10倍だと28%ですが年収倍率を5倍以内に抑えられれば37%まで承認率が上がります。
ローン審査のチェック法3:営業担当者にアドバイスしてもらう
「不動産投資ローンの審査が通りやすいか」をより手軽に事前チェックする方法としては、不動産会社の営業担当者に相談するのも方法の一つ手です。例えば「自分の年収や条件で本当に通るのだろうか」「過去にクレジットで遅延したことがあって心配」などの不安をストレートにぶつけてみましょう。
ただし前提としては、「その不動産会社に数多くの販売実績がある」「営業担当者に豊富な契約経験がある」といったことが条件になるでしょう。このような条件を満たす不動産会社であれば、営業担当者の経験則からローン審査が通る可能性やポイントをアドバイスしてくれることが期待できます。
不動産投資のローン審査のポイントを押さえておこう
ここでは3つのローン審査の事前チェック方法を解説してきました。基本的にローン審査は金融機関によっても内容が異なります。そのためローン審査の可否は実際に受けてみないと分からないものです。 ただ審査の肝となるポイントや見落としがちな信用情報の確認などを行い対処しておけば、通過する確率を高めることが期待できるのではないでしょうか。(提供:Incomepress )
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