要旨
中国において、新型コロナの影響を最も受けた2020年1-3月の小売総額は、前年同期比19.0%減の7.9兆元と大幅に減少した。外食や高額消費が急減し、消費全体が冷え込んだ形だ。
一方、ネット販売をみると、食品、日用品の販売が急増しており、’巣ごもり消費’におけるネット販売のプレゼンスが向上した姿が見えてくる。ネット小売額は小売総額の23.6%を占めるまで拡大し、前年同期と比べると5.4ポイントも上昇した。
消費のあり方の変化に伴って、労働需要や労働市場も変動する。新型コロナによって注目されたのが‘人材や労働力の緩やかなシェアリング’だ。需要拡大するオンラインの事業者が、縮小するオフラインの事業者と直接提携し、一時的に人材や労働力を共有、借り受ける仕組みだ。例えば、レストラン、娯楽施設などで働いていた人材を、提携したネットスーパーやネット通販の受注作業や在庫管理業務などに一時的に配置転換するものである。2月8日にアリババグループのネットスーパー盒馬鮮生が提唱したことで、他事業にも拡大した。