気を使ったつもりが逆に失礼になる文例

メールに限ったことではありませんが、気を使ったつもりで失礼な表現をしている文章もよく目にします。

例えば、ある分野の専門家とやり取りをしていて、自分の間違いを指摘されたとき、「生意気にも生半可な知識を披露し、ご不快な思いをさせて申し訳ありません」と送るケース。一見丁寧なようでいて、「あなたは私を生意気だと思い、不快になりましたよね」と決めつけています。

ここは、「不正確なことを書き、大変失礼しました」というように、自分のミスを認めるだけでいいのです。

非常に細かいニュアンスではありますが、相手が持つ印象は、意外に大きく違います。

謝罪の際は、相手の感情を勝手に先取りせず、自分のことについてだけ書きましょう。

《取材・構成:林 加愛》
《『THE21』2020年4月号より》

中川路亜紀(なかかわじ・あき)
コミュニケーション・ファクトリー代表
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て、98年にコミュニケーション・ファクトリーを設立。ビジネス文書、メールなどのビジネスコミュニケーション関連の企画・著述・講演活動を行なっている。『ビジネスメール文章術』(ダイヤモンド社)、『あなたのメールは、なぜ相手を怒らせるのか?』(光文社新書)など、著書多数。(『THE21オンライン』2020年03月09日 公開)

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