「コロナショック」は、間違いなく近い将来の経済の教科書に載るワードとなりそうだ。その相場急落のスピードは「100年に1度の危機」と言われたリーマンショックをも上回り、多くの投資家が資産を大きく削られる羽目になっている。そんな前例のない急落相場に対して、大物投資家たちはどう応じ、どう乗り切ってきたのだろうか。ここでは、歴戦のつわものであるDAIBOUCHOUさんと坂本慎太郎さんにコロナショックの感想や対処法、今後の投資プランなどを聞いた。

DAIBOUCHOU(だいぼうちょう)
会社員だった2000年に200万円を元手に株式投資をスタートさせ、2004年から専業投資家に転身。信用取引をフル活用し、不動産関連株への集中投資で資産を大膨張させる。以降、2億4000万円→9000万円→10億円→5億円など山あり谷ありの資産の増減を経験。現在は資産の総額は非公開だが、数々の相場を生き抜いてきたカリスマ投資家として、さまざまなメディアやセミナーなどで活躍中。

序盤は割安株へのシフトを進めるが、徐々に現金化を意識

大物投資家の危機管理
(画像=creativeneko/shutterstock.com,ZUU online)

最初に登場するのはDAIBOUCHOUさん。元手の200万円をわずか6年で10億円まで急拡大させたカリスマ投資家だ。以前は不動産関連株への一極集中投資や信用取引のフル活用など、リスクをとって資産を膨張させてきたが、現在は幅広い業種にわたって成長が期待の高い銘柄を保有している。

これまで数々のショック安を経験してきたDAIBOUCHOUさんも、今回のコロナショックには驚きを隠せないようだ。

「ここまで急激に下がる相場を経験したことはありませんでした。通常の下落相場では、割高な水準まで買われていた成長株の成長期待がはがれて大きく値を下げる一方、資産バリュー株(資産的に割安な株)はある程度まで下がった時点で下げ止まるケースが多いんです。ところが、今回は『ウィズコロナ』や『アフターコロナ』といったテーマに乗っている銘柄だけ買われ、あとは優良株も割安株も軒並み売られるという、見たことがないパターンでした」(DAIBOUCHOUさん)

年初の時点では、昨年後半に引き続き今年の相場も好調に推移すると予想していたため、「ポートフォリオも多少強気のポジションだった」という。中国で新型コロナウイルスの感染拡大の声が大きくなり、都市封鎖など規制が強化されているのを見て、徐々にその姿勢を改め始める。

「中国武漢の都市封鎖が行われた翌日の1月24日から、徐々に信用取引の買いポジションの返済をし始めました。続いて、2月半ばに発表された日本の10‐12月期のGDP成長率が、昨年10月の消費税増税の影響で大きく悪化したことを受けて、比較的割高と思われる成長株を売り、資産的に割安な株にシフトしたんです」

新型コロナウイルスの感染が欧米や中東まで広がり、世界経済への悪影響が懸念され株式相場が大きく下げた2月25日、「これは本格的にマズイな」と考えたDAIBOUCHOUさん。保有株をさらに減らして現金の比率を高めていく。