特集1回目は、カリスマ投資家のDAIBOUCHOUさんと、株式評論家としても人気の坂本慎太郎さんに、コロナショックを体験した感想や対処法について話を聞いた。第2回では、専業投資家として様々な手法を手掛けるTyunさんと、「ミスターストップ高」の異名を持つ天海源一郎さんに取材。コロナショックへの対応や今後の注目セクターなどを述べてもらった。

Tyun(ちゅん)
東京都在住の専業投資家。2005年に100万円を元手に株式投資を開始。手法はデイトレードとスイングトレードが中心で、荒稼ぎするよりも大負けしないことを重視する。下げ相場では空売りを積極的に駆使するなど、どのような相場でも安定したパフォーマンスで資産を増やし、2012年に資産1億円を達成。PO(公募増資)やIPO(株式の新規公開)狙い、株主優待取りといったローリスク投資も手がける。趣味は旅行、ドライブ、ゲーム、飲み歩き。ツイッターは@hiro_tyun

いつもと同様の「ロング・ショート戦略」で深傷を回避

大物投資家の危機管理
(画像=creativeneko/shutterstock.com,ZUU online)

新型コロナウイルスの感染が中国以外の国々にも広がり始めた際、ウイルス性の感染症による相場の急変を見て、Tyunさんが思い起こしたのは2009年の新型インフルエンザ流行時の展開だった。当時の新型インフルエンザは毒性が弱く、経済への影響も限定的だったことが油断につながったという。

「今回もその程度で済むかもしれないという先入観を心の片隅に抱いてしまい、まさかこれだけのショックが走るなんて想像していませんでした」(Tyunさん、以下同じ)

新型インフルエンザの流行時と同様、さほど警戒感を強めていなかったわけだが、日頃から脇を固めたトレードに徹していたことが幸いしたようだ。

「もともと僕はデイトレやスイングといった短期売買のウエートが高いうえ、買いポジションと売りポジションを両方持つ“ロング・ショート戦略”を多用するトレードスタイルです。買いと売りのどちらか一方向に極端なバイアスをかけたポジションを持つことが少ないので、相場のトレンドが急変しても深傷を負うリスクが比較的低かったのが強みでした。その反面、どんどん上昇を続けて他のトレーダーが大きく儲ける相場では、さほど利益を伸ばせないというデメリットはありますが……」

このようなトレードスタイルを理由に、コロナショックの際にも特に動じることなく相場を冷静に観察していたというTyunさん。やがて、これまで以上に手数を打つ攻めのトレードに打って出たという。

「暴落が訪れてもあまりダメージを受けない手法だったので割と冷静でいられましたが、ほかの多くのトレーダーは損失が膨らんでパニックになっていました。そういった局面こそ、むしろチャンスが無数に潜んでいると考えたんです。通常よりも時間軸の短いトレードの回数を増やし、貪欲に利益を取りにいくことを試みました」

4つのポイントで効率的にリターンを狙う

その際、以下の4つのポイントについて強く意識していたそうだ。