ZUU onlineが開催している、経営者が知っておくべき「新型コロナウイルス後の○○」をテーマにしたZoomによるウェビナー。4月8日(水)18時からは、株式会社ユニコーン代表取締役の安田次郎 氏に、「コロナ時代の資金調達!スタートアップが押さえるべき投資獲得法」を聞いた。

※本記事はウェビナーの収録内容をそのまま書き起こしたものです

リーマンブラザーズでリーマンショックも経験

コロナ時代の資金調達!スタートアップが押さえるべき投資獲得法
(画像=ZUU online編集部)

菅野:それでは定刻になりましたので、始めたいと思います。お待たせいたしました。ZUU online副編集長の菅野でございます。よろしくお願いいたします。この時間は、株式会社ユニコーン代表取締役の安田様をお招きしまして、「コロナ時代の資金調達 スタートアップが抑えるべき投資獲得法」について流していきたいと思います。安田さん、よろしくお願いします。

安田:よろしくお願いします。

菅野:すみません、こんな大変な中お時間頂きまして。

安田:いえ、とんでもないです。こちらこそこういった機会をいただきありがとうございます。

菅野:ありがとうございます。そちらも、あれですか。当然、リモートとかそういう感じの働き方になっていますか。

安田:そうですね。原則、もう在宅勤務、リモートワークという形になっています。

菅野:そうなんですね。私たちもリモートになっていまして。ただいま、自宅の部屋から中継しているんですけれども。後ろにある旗は、昨日の夜急いでオフィスに取りに帰って。

安田:(笑)

菅野:そうなんです。重い中もってきたんですけれども。すみません、背景がチャチで…

安田:いえいえ

菅野:はい。では一旦画面共有させていただきまして…。改めてなんですが、安田さんのプロフィールが映っているかな、と思います。改めて自己紹介をお願いしてよろしいでしょうか。

安田:はい。株式会社ユニコーンの代表取締役の、安田次郎と申します。よろしくお願いします。私は元々ですね、証券会社…90年に、国際証券…今で言う、三菱UFJモルガンスタンレー証券というところに入りまして、基本的にずっと証券会社で働いておりました。途中転職をいたしまして、それこそリーマンブラザーズが破綻したときにはリーマンブラザーズにいたということであります。

仕事としては、主に資金調達の仕事に従事しておりました。企業のファイナンス、あるいはいわゆる新規株式公開(IPO)の主幹事案等々を行ってきました。

リーマンショックの時、リーマンブラザーズのアジア・ヨーロッパの舞台というのは、野村証券の方に買収されたという形で、その後野村証券では色々な…第三者割当て型の資金調達ですとか、事業会社さんが保有する株式の売却、あるいは自社株、こういったものに関してデリバティブを活用したスキームなどのソリューションを提供しておりました。

実は、私一回、2012年に証券界を離れて、全く別のことをしておりました。ところが、後ほどご説明させていただきますが、「株式投資型のクラウドファンディング」が解禁になったことを受けて「これは面白いな」「これはまさに日本に必要なスキームだ」と、しかも、自分がまさに自分がやってきた、経験したきたことが役に立つんじゃないかということで。

当時数名でユニコーンを立ち上げて、2019年、昨年の2月から代表を務めているという形でございます。

したがって、今コロナウイルスの影響で世界中で大変なことが起こっております。「リーマンショックを超える影響が出るのではないか」という可能性も言われておりますが、言ってみれば私の場合、89年に就職活動をして、バブルの真っ只中で就職活動をしてます。で、その後バブルが崩壊。途中ではITバブルの崩壊、東日本大震災もありました。リーマンショックもありました。ということで、ずっといろんなことを経験してきておりますので、そういった経験を少し皆さんとシェアをさせていただいて、今年、これから何を考えて資金調達、あるいは投資家さんであれば、投資をしていくべきなのかというところをお話しさせていただければというふうに思っております。

Wework騒動から変化していたスタートアップの資金調達環境

菅野:はい、ありがとうございます。もうご経歴からわかるように、IB側のエキスパートでいらっしゃると思いますので、今日は法人の経営者様がご覧になっているケースが多いと思いますので、ぜひ皆さまよろしくお願いします。

先に申し上げておいた方がいいのが、ユニコーンとZUUの関係性について申し上げておかないと、ポジショントークというか…後々わかった後、「あいつらなんだったんだ」というふうになると思いますので、安田さんからちょっと、改めてユニコーンとZUUの関係性についてご教示いただいてもよろしいでしょうか。

安田:はい。今、弊社の親会社がZUU社でございます。株式保有率で言うと、52%ほどを保有していただいております。と同時に、業務提携をしようと言うことで、業務資本提携と言う形で行っております。

菅野:ありがとうございます。

安田: 関係性としては、そう言ったことになります。 お互い協力しあって、いろんな案件を行なっていきたいと言うふうに思っております。

菅野: ありがとうございます。

ですので、いわばちょっと身内同士の話し合いとなりますので、まずそこを最初に申し上げておかないとフェアじゃないかな、と思いましてご説明させていただきました。

それでは、内容に入っていきたいと思います。

安田さん、今回ご用意いただいている資料がありますので、そちらに移った方がいいですかね。

安田:そうですね、はい。

菅野:今画面共有します。こちらですかね。今映ってますか?

安田:そうですね。

菅野:ああ、よかったです。

安田:本日のテーマとしては、「株式投資型クラウドファンディングについて」と言うことなんですが、その前に、コロナウイルスの影響というのがどういう形で証券市場に表れてくるのかというところをちょっと考察してみたいと思います。

スタートアップ企業さんが資金調達をする件ですが、この数年非常に増えてきております。あるリサーチ機関によりますと、2018年度が4400億くらい、5000億くらいということででですね、これは5年前に比べると約3倍、4倍くらいの水準になってきております。

ただ、今回こういったコロナの影響で、大きく状況が変わる可能性が高いというふうに思っています。

実は、コロナ騒動というか、コロナウイルスが起こる前にその兆しがありまして。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますけど、WeWorkという会社がございます。これが、 未上場企業の中では非常に時価総額、まあ企業価値が高いということでですね、IPOを目指していたというところなんですが。結果的に、IPOをすることができなかったと。投資家からの評価がそこまで高くならなかったということがあります。

なぜかと言いますと、この数年は、とにかく「ビジネスモデルが面白い」「成長可能性が高い」ということであれば、どんどん先行投資をして事業を拡大する、それが良しとされてきたんですね。

ところが、昨年の6月くらいから、WeWorkの件を契機に、投資家の方のスタンスが変わってきてですね。

「やはりきちんと利益を上げられる企業、あるいはもっというと、キャッシュを生み出すことができる企業でないとなかなか高い評価をつけられない、あるいは投資ができない」という風に変わってきたところに、今回の、まあ言ってみれば「コロナショック」が起こったということになります。

スタートアップの資金の担い手に変化

安田:これでどういうことが今後想定されるかと言いますと、今までスタートアップ企業へのリスクマネー、資金の供給者としては一番はやはりベンチャーキャピタルがございました。あとはやはり、事業会社がお金を投資する、いわゆるCVC、こう言ったものが大きかったわけなんですが、今回の影響で、この両者が投資をする金額あるいは投資先がかなり絞られるという可能性が高いという風に考えます。

ご存知の通り、特に事業会社ですね。コロナの影響は実体経済にどの程度インパクトが大きいのかというところはまだ不透明なところがありますけれど、少なくとも、多くの企業が影響を受けるということで、どちらかというと守りの戦略に変わってくるだろうということになりますので、新規の投資は基本的にストップする、あるいは行うにしても相当選別して投資をする形になると思います。

プロの投資家であるベンチャーキャピタルについても、同様の動きが起こってくるのではないかという風に思います。

一方で、私共の運営している株式投資型のクラウドファンディングというものは、そう言った意味では、これから企業さん、スタートアップ企業からのニーズが大きくなる、強くなるのではないかという風に思っています。

また、投資家の目から見ても、クラウドファンディングというのは基本的には共感というものがベースになった投資になりますので、どんな苦しい時、困難な時でも、人の心の中には、「頑張っている人を応援したい」というような気持ちというのは必ずあると思いますので。

こう言った「応援」という要素が入った投資というものが、より注目される年になるのではないかという風に思っております。

菅野:ありがとうございます。ちょっとなんか、冒頭から逸れてしまって申し訳ないんですけども、ソフトバンクさんの主幹事って野村(證券)じゃないですか。

で、安田さんは野村のIB部門にいらっしゃったと思うんですけれども、やっぱり、ご担当もされていたと思うんですが、孫さんの投資手法みたいなところを、直接対峙というか…取引されたこともあるんですか。

安田:私は今までソフトバンクさんと何かビジネスをしたっていうのはないですね。残念ながら。

菅野:あー、そうですか。

安田:あの、間接的に当然…別の人が担当したので、間接的に話を聞くということはありましたけれども。直接担当させていただいたことはないです。

菅野:なるほど。あの、今日「WeWorkの方々がソフトバンクを訴える」みたいなニュースも出ていましたので、ちょっと寄り道に行ってしまいました。すみません。

コロナショックで注目?「株式投資型クラウドファンディング」とは

管野:このように、質問をタイムリーに投げかけていただければと思いますので、音声を入れられるのは私だけなので、皆様ぜひ、Q&Aという機能がウェビナーにはございます。Q&Aで質問を打ち込んでいただければ、その場その場で安田さんが回答させていただきますので、ぜひ気になったタイミングで打ち込んでいただければと思います。すぐこちらには気づくようになっておりますので、お願いします。

そしてもう既に1件来ておりまして。

安田さんには多分見てると思うんですけど、「株式投資型クラウドファンディングの知識がそんなになく、そこから知れればと思って参加しました」というコメントをいただいておりますので、多分この後のスライドで「そもそも株式型クラファンとはなんぞや」というところはご説明いただけると思いますので、ここは一旦完了、というところを押させていただきます。

じゃあ、一旦次のスライドに行きますか。

安田:はい、お願いします。クラウドファンディングという言葉自体はすっかり市民権を得て、知らない方はいらっしゃらないんじゃないかなという風に思いますが、実はタイプがいくつかありまして。

大きく分けるとこの5つですね。「寄付型」「購入型」「ファンド型」「融資型」「株式投資型」という風になります。

一番一般的なのは購入型というもので、例えば「自分でこんな商品を作ります。投資していただいた方には、それが出来上がったときにはお送りします」とか、あるいは「飲食店がスタートします。こんな編成の飲食店です。そのためのお金が必要です。開店できたら会員としてご利用いただけます」ですとか。こう言った形のものが非常に多いかと思います。

ただ、実は「寄付型」は文字通り寄付をするものでございますが、寄付型・購入型と、それ以外の3つのタイプの大きな違いが一つあって。ファンド型・融資型・株式投資型というのはいずれも金融商品という扱いなんですね。金融商品取引法という法律がここに入ってくるというような違いということになります。

この5つの中で、実は市場のサイズとして一番大きいのは融資型ですね。これは「貸付型」と呼ばれる時もありますけれど、投資家の人がお金を提供して、利回りという形で5%とか、そう言った利回り商品という形でリターンを受け取るというものでございます。多いのは不動産に対する投資のものです。

で、私共が運営する株式投資型というものが何かと言いますと、これは事業会社さんが実際に株式を発行して、お金を集めるというものになります。

2つ上にファンド型というのがあるんですけれども。よく株式投資型とファンド型を混同される方もいらっしゃるんですけれども。

ファンドを作って、そのファンドの後ろに投資家がいる、というケースはファンド型なんですけれども。株式投資型というのは、その事業会社に投資をした方はそこの株主になると、したがってユニコーンという会社が間に入ってユニコーンが株主になるのではなくて、Aさんという方が株式投資型のクラウドファンディングで投資をされると、その会社の株主になる。

株主になるというのはどういうことかと言いますと、法律に守られた権利を有することになりますので、そこが、大きな特徴になります。

当然、株主になると、もし株価が、株式の価値が上がれば、それを売却することでキャピタルゲインを得られたり、あるいは、その会社が配当を出す形であれば、その配当を得る権利を有することになります。

お金を集める側からすると、株式というものは基本的には資本金もしくは資本準備金という、いわゆる「自己資金」というものになりますので、負債と違って、返済する必要がない資金という形になります。

したがって、株式による調達を行うと、バランススートが改善されますので、より信用力が高まるという効果が期待されます。したがって、資金を調達したあと、また別の資金を調達しようという場合に、今まで「銀行さんは全然貸してくれない」というケースでも、自己資本を充実することによって、場合によっては今度は銀行さんがお金を貸してくれるというような効果も期待されます。

コロナショックで投資家もショック?

菅野:ありがとうございます。質問が早速来ているようで、「今何人が聴講していますか」という質問が来ています。

安田:(笑)

菅野:ちょっとこの質問は想定してなかったんですけれども、言っていいのか、ちょっと私今判断がつかないので、一旦非公開とさせてください。すみません。

安田:そうですね。

菅野:次の質問。「クラウドファンディングは一般の人からの応援が主だが、コロナ騒動で普通の人はそれどころではないのでは」と来ています。結構、もう 核心みたいなところですけれども。安田さん、こちらはいかがですか。

安田:そうですね。今回の騒動を受けて、いろんな形で影響を受けている方がいらっしゃると思います。

で、当然新規で投資をするというのはなかなか難しいという方もいらっしゃると思います。一方で、そんな中でも頑張っている経営者・企業を応援したいという方もいらっしゃるいう風に思っています。(後編へつづく)

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新型コロナウイルス後の○○