これからFXを始める初心者の中には、失敗して資金を失うことに不安を感じる人も多いだろう。

今回は、FX初心者がやりがちな失敗について解説すると同時に、リアルな失敗談を紹介する。また、利益をあげるための方法や、相場予想に役立つ分析手法についても分かりやすく解説する。

FXとは?仕組みを簡単におさらい

FX
(画像=PIXTA)

FXは、二国間の通貨を売買して、売買差益で利益を出す投資方法だ。自己資金の最大25倍までレバレッジをかけられるため、少額から始めても大きな利益を狙えるという特徴がある。

少ない元手で大きく稼げる可能性のあるFXは、幅広い世代に人気がある。FX取引のみで生計を立てる専業トレーダーもいれば、サラリーマンや公務員として働くかたわら、副業としてFXをする人もいる。

仕事で収入を上げるのは簡単なことではない。収入を上げようと思えば、実績を積んだり専門知識を身に付けたりといった努力が必要だ。努力の末に責任ある立場を任されて初めて、昇給が実現する。ただ、それが責任やストレスに見合う昇給額かというと、必ずしもそうとは限らない。

しかしFXの場合、取引を始めたその日に利益をあげることもできる。もちろん向き不向きがあるうえに損失を出してしまう可能性もある。勉強や情報収集は必要だが、努力がダイレクトに利益につながるのはうれしいものだ。

FXトレードで初心者がやりがちな失敗

魅力の多いFXだが、リスクを十分に認識しておかなければ、一瞬で資金を失ってしまう可能性もある。具体的に初心者がやりがちな失敗を2つ紹介する。

レバレッジをかけすぎる

自己資金の最大25倍までレバレッジをかけられるのは、FX取引の大きな魅力だ。株式投資では、信用取引でも約3倍までしかレバレッジをかけることができない。4万円の自己資金で100万円の取引ができるFXは、夢のある投資方法だと感じる人が多いだろう。

しかし、レバレッジをかけすぎると、その分損失も大きくなる。大きくもうけられる可能性があるということは、大きく損をする可能性もあるということだ。この事実をよく認識し、最初は2倍ぐらいのレバレッジからトレードをスタートすることが望ましい。

慣れてきたら、3倍、5倍と少しずつレバレッジを上げていくといいだろう。

強制ロスカットされてしまう

FXには、投資家を守るため、強制ロスカットという仕組みが設けられている。強制ロスカットとは、評価損が一定以上になったとき、システム上強制的にすべてのポジションが決済されてしまうことをいう。

強制ロスカットは、FX会社が定める証拠金維持率を下回った場合に実行される。そのため、証拠金維持率を下回らないように、注意して見ておくことが大切だ。また、レバレッジをかけすぎないことも、強制ロスカットを防ぐうえで効果的に働くだろう。

FX初心者のリアルな失敗談

続いては、FX初心者のリアルな失敗談を紹介する。FX取引においてどういう心理が危険なのかを知り、失敗しないよう自分なりに対策することが大切だ。

負け分を取り返そうと借金をしてしまったAさん

結婚を機に会社を退職し、地元を離れて専業主婦になったAさん。自分が専業では、子どもが生まれたときに心もとないと考え、収入を得る方法を探し始めた。とはいえ、地元を離れて知り合いもいない状況で、パートを始めることには不安を覚えたという。

そんなとき、AさんはSNSで「FXでもうけた」という投稿を度々見かけ、興味を持つようになった。自分なりにFXについて調べ、余裕資金の範囲内で取引を始めてみることにした。

レバレッジをかけすぎないよう慎重に取り組んだこともあり、意外にも最初は順調に利益を出せた。少額から始めたが、これだけ利益が出るならと、少しずつ取引額を増やしていく。しかし、順調に思えた矢先、突如相場が変動した。

追加証拠金の入金を求められたAさんは、混乱した。追加証拠金を入金できなければ、強制ロスカットによって、すべてのポジションが決済されてしまう。「もう少しだけ追加証拠金を入れれば、きっと相場は上がるに違いない」。そう考えたAさんは、生活費の口座にあったお金を追加証拠金として入金した。

それでも、微妙なラインで相場は上がる気配を見せない。再び追加証拠金の入金を求められ、失敗したままで終わりたくなかったAさんは、ついに消費者金融からお金を借りてしまう。

「あと少し相場が上がれば、借りた分は余裕で返せる」。そう思ってすがるような気持ちで借金を繰り返すうちに、とうとう取り返しがつかないほど借金がふくらんでしまった。

その後、借金が発覚したことを機に夫婦で話し合い、ポジションのほとんどは決済した。Aさんは再び正社員として働くようになり、夫と2人で借金の返済を続けている。

ポジポジ病でじわじわと負けがかさんで退場したBさん

会社員のBさんは、本業以外に副収入を得たいと考えるようになり、24時間取引ができるFXに目をつけた。昼間は会社で働き、帰宅後の時間帯を利用して、トレードを行った。いつしかBさんにとって、帰宅してからのトレードの時間が毎日の楽しみになっていた。

予想どおりに相場が動いて利益が確定すると、高揚感がみなぎる。Bさんはつい夜中まで取引をするクセがつき、日中眠くなることが多くなった。帰宅するとすぐパソコンの前に座り、トレードを始める日々。Bさんはいつしか、ポジションを持っていないと落ち着かなくなっていた。

FXトレーダーの間では、常にポジションを持っていないと落ち着かず、好機を待てない状態を「ポジポジ病」と呼ぶ。Bさんはまさにそんな状態に陥っていた。相場が上がる・下がるという予想をするよりも早く、「きっと上がる」という気持ちで通貨ペアを保有してしまう。

そんな状態で、利益をあげ続けられるわけがない。いつしか負けが続き、Bさんはこれまで貯めてきた貯金を切り崩すようになった。結局、10年かけて貯めた400万円の貯金をすべてFXにつぎ込み、それでも負けを取り返せずに、強制ロスカットで退場を余儀なくされてしまう。

もうFX取引をすることはできず、貯金残高も数万円程度しかなくなった。Bさんはその後、立ち直るまでに半年近い時間を要したという。

FX初心者が失敗を回避する秘策!勝ちパターンを作るには?

失敗パターンを知るとFX取引が怖くなるかもしれないが、対策方法をきちんと知っていれば、必要以上に恐れる必要はない。続いては、FX初心者が損をしないために押さえておきたいポイントを3つ紹介する。

損切ルールを決める

初心者が失敗を避けるには、自分なりの損切ルールを設け、厳格に従うことが効果的だ。損切ルールには、「損失が投資額の10%になったら損切する」「目指す利益の半額の損失が出たら損切する」といったものがある。

一番大切なのは、自分が決めた損切ルールには絶対に従うことだ。ここがブレてしまうと、結局ルールが形骸化してしまい、万一の場合の損失が大きくなってしまう。

損失が確定すると一瞬落ち込むのは事実だが、じつは含み損を抱えたままのほうがはるかに大きなストレスがかかる。損切した後は必要以上に落ち込まず、気持ちを切り替えていくことも大切だ。

レバレッジをかけすぎない

レバレッジをかけると、それだけ強制ロスカットのリスクが大きくなる。初心者はいきなりレバレッジをかけすぎず、節度を守ってトレードするようにしたい。

自己資金よりはるかに大きな金額で取引していると、ランナーズハイのような状態になることがある。そうなってしまうと、冷静な投資判断が損なわれてしまう。常に冷静でいるためにも、レバレッジをかけすぎず、自分がコントロールできる範囲の金額で取引することが大切だ。

通貨ペアの性質を知る

通貨には、メジャー通貨とマイナー通貨がある。メジャー通貨とは、日本円・米ドル・ユーロなど先進国の通貨だ。一方、南アフリカランドやメキシコペソなど新興国の通貨は、マイナー通貨と呼ばれている。

メジャー通貨は流通量が多いため、値動きが安定しやすいという特徴がある。特に米ドル・ユーロ・日本円は値動きが安定していることで有名だ。

メジャー通貨の中でも、主要通貨ペアと呼ばれるのが「米ドル/日本円」「ユーロ/米ドル」「ポンド/米ドル」「米ドル/スイスフラン」の4つだ。初心者はまずこの主要通貨ペアから取引を始めると安心だろう。

失敗を防ぐには勉強や情報収集が大切

初心者がFXで失敗しないためには、勉強や情報収集が欠かせない。FXで利益が出る仕組みや、レバレッジの目安、損切ルールの設け方など、FX初心者が学ぶべきことはたくさんある。

ただし、勉強するばかりで取引を始めるのを先延ばしにし過ぎるのも、チャンスを逃すことにつながる。大切なのは、勉強と実践のバランスだ。

勉強した内容の範囲内で無理をせずに取引をして、取引に慣れてきたら、少しずつ新しいことに挑戦してみる。そんな堅実な姿勢が、失敗を避けることにつながるだろう。

初心者必読!相場予想に役立つ2つの手法

続いて、FX初心者が失敗を防ぐために学んでおきたい2つの分析手法を紹介する。

ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルズ分析とは、政治や地域情勢などマクロ的な情報をもとに相場を予想する分析手法だ。

選挙結果や二国間の対立、経済状況、石油価格など、相場に影響を与える事象は世の中に数えきれないほどある。その中でも自分が保有する通貨ペアに影響を与えそうな出来事を見極め、相場予想に生かす必要がある。

ファンダメンタルズ分析で正確に相場を予想することは、経験豊富なトレーダーでも難しい。しかし、初心者の頃からファンダメンタルズ分析に取り組むことで、少しずつ世の中の出来事と相場の関連が見えてくるだろう。

ファンダメンタルズ分析は一朝一夕で身に付けられるものではないからこそ、初心者のうちから根気よく取り組むことが大切だ。

テクニカル分析とは

テクニカル分析とは、値動きのグラフであるチャートをもとに、相場を予想する分析手法だ。ファンダメンタルズ分析と比べて、すぐに成果につながりやすいという特徴がある。

テクニカル分析にはたくさんの方法があるが、まずはメジャーなチャート「ローソク足」を読み取れるようになることが大切だ。ローソク足は、縦長の四角形と縦線で表され、ろうそくに似て見えることからこう呼ばれている。

ローソク足は始値(はじめね)・終値(おわりね)・高値(たかね)・安値(やすね)をすべて読み取れる優秀なチャートだ。ローソク足を読み取れるようになったら、単純移動平均線などを取り入れてみるといいだろう。

常に冷静でいることが勝ち組になるコツ

感情に任せてFX取引をしても、いい結果は生まれない。FX初心者が失敗を避けるためには、常に冷静な自分を保つことが大切だ。

レバレッジをかけすぎないように注意し、損切ルールに従ってトレードすれば、少しずつでも着実に投資感覚を磨くことができる。すぐに大きな利益を狙わず、まずは足元を固めることが、将来の大きな利益につながるだろう。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)