コロナウイルスは、経済にも大きな影響を与えている。上場企業であり、老舗企業であるレナウンが民事再生手続きに入るなど、企業規模を問わず、苦しんでいる企業も多い。そんな中、今、資金繰りの救世主として注目されているのが、クラウドファクタリングだ。従来柄のファクタリングとの違いを合わせて解説する。

中小企業がコロナで抱える「資金繰り」という課題

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(画像=wothan/Shutterstock.com)

コロナショックで、多くの企業が打撃を受けている。実際、5月中旬時点で150件以上がコロナウイルスの影響で倒産するなど、まさに中小企業にとっては死活問題だろう。東京商工リサーチが4月に行った調査によると、ほぼすべての企業が「コロナによる影響がある、または今後出てくる可能性がある」と回答しており、今後さらに日本経済に悪影響が出てくる可能性もある。

中小企業においては、売上の減少も確かに大きな影響を与えるだろうが、それ以上に影響を与えるのが、資金繰りだ。コロナにより売上が減ったり営業が止まったりしても、支出はそう簡単に減らすことはできないし、限界もある。実際、上記の調査において、約半数は資金繰りに影響がある、と回答しているし、そのうちほとんどが、6か月以内に影響が出てくると回答している。中小企業にとって、資金繰りは喫緊の課題なのだ。

もちろん政府としても、様々な保証を行うことで、企業の倒産を防ごうとしている。実際、持続化給付金という形で給付を行ったり、無担保での融資を行ったりなどをしているが、実際のところ、「それだけでは足りない」「もっと急を要する」という中小企業からの声が多いのも事実だろう。この資金繰りを乗り越えられるかどうかが、中小企業にとっての1つの生命線といえそうだ。

NTT西日本と提携、注目度が高まるOLTA

コロナショックで多くの企業が混乱にある中、ひそかに注目を集めている企業がある。クラウドファクタリングを手掛けるOLTAだ。同社は2017年に設立した新しい企業である。

同社はコロナショックの最中にありながら、様々な企業と提携を行うことで、知名度を高めつつある。中でも注目度を高めたのが、5月に発表されたNTT西日本との提携だろう。NTT西日本の基盤を使って、今後、ビジネスを拡大していくことが期待されている。その他にも、地銀や人材サービス業などとも提携を行っており、着々と業務基盤を拡大していっているという印象を受ける。

クラウドファクタリングが中小企業の救世主になる?

では、ここに来てOLTAの注目度が高まっているのはなぜだろうか。それは、OLTAが手掛ける、「クラウドファクタリング」のビジネスが、中小企業の資金繰りを救う可能性があるからだ。

クラウドファクタリングのビジネスモデル

まずは、クラウドファクタリングのビジネスモデルについて解説しよう。クラウドファクタリングとは、文字通り、ファクタリングのクラウド化、つまり電子化だ。

これまでも、ファクタリングというサービスはあった。ファクタリングは、売掛債権を買い取るサービスだ。一般的に、商品やサービスを提供したあと、実際にその売上が入金されるまでにはタイムラグがある。そのタイムラグを短くするかわりに、手数料を支払うというのが一般的なビジネスモデルだ。

ファクタリング会社が直接債権を回収する三社間ファクタリングと、債権の回収後、ファクタリング会社に支払いを行う二社間ファクタリングがある。このファクタリング業務をオンラインで行うのが、クラウドファクタリングなのだ。

クラウドファクタリングのメリットは?

では、クラウドファクタリングは、通常のファクタリングに比べて、どのような点がメリットになるのだろうか。主な点を紹介する。

1つは、支払いまでのスピードだ。通常、ファクタリングを行うにはファクタリング会社との面談があり、その後、審査を通過してから、2~8日で振り込まれるという仕組みになっており、依頼してから2週間くらいかかることが多い。一方、クラウドファクタリングの場合、面談不要、24時間以内審査、即日振込と、最短2~3日で入金を受けることが可能になる。このスピード感が第一のメリットだろう。

2つ目は、機密性だ。クラウドファクタリングは、二社間ファクタリングがベースとなっている。そのため、取引先には、ファクタリングを利用したことは知られずに済む。信用、信頼がベースとなる中小企業にとっては、大きなメリットと言えるだろう。

3つ目は、手数料だ。三社間ファクタリングに比べて二社間ファクタリングは手数料が高いことが多いが、一般的な二社間ファクタリングに比べて、クラウドファクタリングは、比較的手数料が抑えられている(2~9%程度)。

手数料や機密性の面でもメリットはあるが、このコロナショックの状況下において、スピードの速さというのは、資金繰りが厳しい中小企業にとって、特に魅力的なのではないだろうか。

資金繰りに困ったら、クラウドファクタリングという手段も検討を

コロナショックとも呼ばれるように、コロナウイルスの影響はとても大きい。実際、資金繰りに窮する企業は、これからさらに増えてくることが予想される。一方で、ファクタリングなどのサービスを使えば、資金繰りにプラスになることは間違いない。クラウドファクタリングは、従来のファクタリングに比べて、圧倒的なスピードの速さが魅力だ。もし、資金繰りに窮するケースがあれば、利用を検討してみてもいいかもしれない。(提供:THE OWNER

文・THE OWNER編集部