新型コロナウイルスの感染書類について、医師から自治体への手書きファックスによる連絡と一時なっていたことが海外メディアから揶揄されるなど、中央行政・自治体レベルのIT・デジタル化は、まだまだ遅れている。特に、国や自治体が持つデータのIT化による活用や、公的機関と民間を結ぶ情報のデジタル化は課題も多い。
遅れている不動産情報のデジタル化
不動産情報もそのひとつだ。旧来の商習慣が根強く残る不動産業界においては、デジタル化の遅れや情報の不透明性が強く、金融業界などに比べてデジタル化が大きく遅れている。一つの土地をとっても、上下水道・ガス管などの埋設物や河川・道路などの周辺情報、電線などインフラ設置物などの情報が一元的に取りまとめられた公的デジタルデータはない。地価についても、公示地価、路線価などはあるものの、地価を公的に取りまとめたデータもないことが不動産取引の電子化が進まないネックとなっているのが実情だ。
不動産のIT化である「不動産テック」の推進が注目されるなか、株式市場でも、アズ企画設計、アルヒ、香陵住販、コスモスイニシア、大和ハウス工業、野村不動産ホールディングス、ハウスドゥ、三井不動産、三菱地所、ランディックスなどが不動産テック関連銘柄として関心を集めている。
一方、こうした不動産テック分野ではベンチャー企業の取り組みも加速している。不動産テックサービスを開発・運営するリーウェイズ株式会社(本社:東京都渋谷区)は5月に、個人投資家向け不動産価値分析AIクラウド新サービス「Gate. IP Personal」の提供開始をリリースしている。
プロが査定する投資判断クオリティを個人が自宅で利用
リーウェイズは、過去1億件超の不動産ビッグデータを学習した人工知能が、不動産の価値を高精度に分析することが出来るAIクラウドサービス「Gate. IP(Investment Planner)」を運営している不動産テック企業だ。従来は、140社以上の不動産事業者や金融機関にサービスを提供してきたが、今回リリースした「Gate.IP Personal」のサービスを利用することで、新型コロナウイルスの感染拡大で外出が制限、またテレワークやリモートワークが求められるなかでも、個人投資家が不動産事業者と同じ目線で自宅にいながら物件を検討する事が可能となる。
つまり、本サービスの特長は不動産投資の「プロ仕様」であること。賃料下落率の任意設定等、無料の投資シミュレーションサービスにはない高度な分析が可能となっている。プロが査定する投資判断クオリティを自宅で利用できる「Gate. IP Personal」は、AI分析の情報だけでなく、専門家による個別の無料相談や、厳選した物件情報なども活用できるサービスが付加されていることが特徴だ。会員となると、月額1万円の会費で、月に15件まで査定可能で、全期間利回り・賃料査定・物件価格査定・空室率の推移・賃料下落の推移・50年先まで分析したキャッシュフロー・LTVなどの分析とシミュレーションの各種機能が利用できる。
自身の目で根拠ある物件選びをしたい、複数の検討物件を比較分析したい、すでに所有している物件の現在価値を知りたいといった個人投資家のニーズに対応し、会員は「Gate. IP Personal」の利用のほか、特典として無料個別相談や厳選物件情報の配信、セミナー情報やイベント情報を得ることができる。
個人投資家の参入で活性化する不動産取引ビジネス
アフターコロナの時代では、新しい生活様式の形成が求められるなか、不動産業界も大きな変革期を迎えることになることが予想される。不動産事業者や金融機関だけでなく、個人投資家が透明性・信頼性が高い不動産取引ビジネスに参入することで業界が活性化することが期待でき、そのためにも不動産テックの技術革新が求められている。
不動産テックを代表するイベントも実施予定
リーウェイズ代表の巻口成憲氏は不動産テック協会の代表理事でもある。その不動産テック協会が主催する、業界初の最大規模のオンラインイベント「 The Retech Week 2020」を2020年6月15日~27日の2週間に渡って開催予定。協会に所属する企業だけでなく連携団体も登壇し、「アフターコロナの不動産業界、不動産業界内でのDX(Digital Transformation)のあり方」についての講演、パネルディスカッションを公開。協会での部会活動を通した報告も行う。
【リーウェイズの会社概要】
会社名:リーウェイズ株式会社
代表取締役:巻口成憲
本社所在地: 東京都渋谷区渋谷2-6-12 ベルデ青山ビル5階
設立日:2014年2月3日
資本金:467,048,356円(資本準備金等含む)
事業内容:不動産テックサービス開発・提供
ホームページ:https://www.leeways.co.jp/