「吾輩はおっさんである」という認識を捨てよう!

――適応という言葉は、ともすれば、単に「周囲に合わせる」ことだと解釈される。しかし未来を構築するうえでの適応は、もっと高い視座を必要とする。

「まずは現在の社会構造を理解することが不可欠です。先に述べた、歪んだ仕組みに気づき、正確に把握すること。すると歪んだ仕組みの中で起こっていた、自分の意識の歪みにも気づきます。そこから、本来自分が何をしたいか、何ができるか未来への方策が見えてくるのです」

――歪んだ仕組みの中で長年働いた50代は被害者でもあり、時に加害者となったこともあったろう。若年者に、働く女性に、配偶者に対してフェアであったかどうかも振り返るべき時期だ。

「経済ニュースサイト『NewsPicks』が、『さよなら、おっさん。』という企画を組んでいましたね。ここでは、旧来の価値観にしがみつく人全般を、性別年齢を問わず『おっさん』と定義しています。

ということは、50代がこれから『脱おっさん』を図ることもできるのです。知識をつけて社会を観察し、自らを正しく位置づける。

そうしたマインドチェンジと準備をすれば、その先の人生を楽しめるはず。無敵の50代、今が花盛りです」

出口治明(立命館アジア太平洋大学 APU学長)
(『THE21オンライン』2020年05月08日 公開)

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