※本連載は日本でまだ翻訳されていない海外のビジネス書を紹介しています、書籍タイトルは著者による翻訳です
カリフォルニア大学・ハースビジネススクールの心理学専門家は、自信についてある一つの結論に達した。
それは「ある程度の自信は良いものであるが、自信過剰は成長を妨げることがある」というものである。
ビジネス書や啓発書においても度々取り上げられる「自信」について。本当に人生を向上させてくれる自信の持ち方とは。
発売日:2020年5月26日
ジャンル:ビジネス書
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書籍概要
自信とは、人生において不可欠な要素である。自信を持つことで、人は自分の可能性を信じ、未来のビジョンを描くことができる。また、自信は人に勇気を与え、逆境に立ち向かう決意を固めさせる。
多くのビジネス書においても、自信を持つことの必要性や自信不足がいかに人に悪影響を与えるかについて述べられている。
自信を持つことが有効であるという点については、この書籍においても否定されるものではない。
しかし、著者はさらに一歩踏み込み、印象的な論を述べている。
それが、過剰な自信は人の成長を妨げる可能性があるということである。
過剰な自信を持つと、人はそれ以上の成長を求めなくなったり、身の丈に合わない目標に向けて時間や労力をかけ始める。
残念ながら、後から見ればそれらは完全に無駄な時間、無駄な出費となる。
自信は人の人生を豊かにしてくれるが、過剰になると人に無駄な努力を強いかねない。
著者は、成功への鍵は自信不足と自信過剰、どちらの状態をも回避し、完全な自信を持つことであると述べている。
それでは、完全な自信を持つために、また自分の自信が過剰あるいは過少となっていないかを知るためにはどうすれば良いのか。
この書籍を読めば良いのである。
この本をおすすめする読者層
著者が述べる自信についての論の有効性は、ビジネスの場への影響だけに留まらない。人生を生きる中で、自己評価やそれに基づく意思決定は必ずついてまわるものである。
完全な自信を身につけることは、人生をより良い方向へ導いてくれるものであり、かつ誤った方向へ歩み始めるのを止めてくれるものでもある。
「自信」とタイトルに関する書籍はたくさんある。その多くは、自信を持つ方法や自信を持つ重要性を述べたもので、主に自信不足の人に向けられたものである。
この書籍は、自信不足の人にとってももちろん大変有効である。しかし、対象はそれだけではない。
むしろ「自分はちゃんと自信を持っているし、大丈夫」と感じている人にこそお勧めしたい。
「大丈夫」と感じてこの書籍を素通りした感性…自信過剰による成長の妨げは起きていないだろうか。
著者について
組織行動の博士号を持ち、カリフォルニア大学・ハースビジネススクールにて教鞭をとる。研究分野は「自信」に関して。