カードローンの契約時には返済期間が設定されています。しかし、「返済期間内に完済しないといけない?」と思う人もいるのではないでしょうか。また、追加で借り入れをすると返済期間はどうなるのかも気になるところです。カードローンの返済期間とは、返済期限とは意味合いが異なります。今回は、カードローンの返済期間の基礎知識と「返済期間」「返済期限」「契約期間」の違いなどについて分かりやすく解説します。

総返済額を減らすポイントについても紹介しますので、カードローンを賢く利用するためにお役立てください。

カードローンの返済期間についての基礎知識

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(画像=PIXTA)

カードローンの返済期間について押さえておきたい基礎知識を3つ見ていきましょう。

1借入金額と返済期間・初回返済日の決まる仕組み

カード会社から新規で借り入れをする際、借入金額とともに返済期間と初回返済日が決定します。返済期間は、借入金額によって毎月の約定返済額が決定。その返済額で完済できる期間として決定します。例えば、30万円を借り入れて36回払いで返済するコースの場合の返済期間は3年です。初回返済日は、当月・翌月・翌々月いずれかの約定返済日となります。約定返済日が土日祝の場合、多くのカード会社は翌営業日にずれる仕組みです。

2約定返済と臨時返済

返済方法には「約定返済」「臨時返済」の2種類があります。

・約定返済
契約時に決定した返済日に、契約時に決められた約定返済額以上の金額を返済することです。

・臨時返済
約定返済以外に追加で返済する返済方法のことです。繰り上げ返済となるため、返済期間の短縮や利息の節約になります。

約定返済日の翌日~次回の約定返済日前日の期間に約定返済額以上の金額が返済された場合、臨時返済ではなく次の約定返済とみなすカード会社もあります。この場合、次回の約定返済日は翌々月の返済日に更新される仕組みです。ただしすべてのカード会社がこの仕組みというわけではないため、利用中のカード会社は約定返済日以外の入金をどのように扱うかは確認しておきましょう

3毎月の返済額と最低返済額

「毎月の返済額が決まっている」「最低返済額が決まっていて毎月の返済額が自由に決められる」といった場合がありますが、これは返済方式の違いによって決まります。返済方式は、大きく分けて「分割返済」「リボルビング返済」の2種類です。

・分割返済
毎月の返済額が決まっており追加で借り入れをすると、次回以降追加分上乗せした返済額が請求されます。

・リボルビング返済
毎月の返済額は一定でその額は最低返済額以上であれば自分で自由に決めることが可能です。

カードローンの返済期間・返済期限・契約期間

カードローンの返済期間と似た言葉に返済期限や契約期間があります。それぞれに少しずつ意味合いが異なりますが、混同して使われがちな言葉です。ここでそれぞれの言葉が指す意味について整理しておきましょう。

1返済期間とは現時点で借入額を完済するまでにかかる期間

返済期間とは、現時点で残っている借入額を約定返済額で返済し続けた場合、完済までにかかる期間のことです。そのため、追加で借り入れた場合、約定返済額が変わらなければ返済期間は延長され逆に繰り上げ返済をした場合は、返済期間は短縮されます。単純に計算した結果導き出される期間であり、「この日までに絶対返済しないといけない」という意味合いはありません。

完済しなければいけない期限と勘違いする場合が多い言葉ですので注意しましょう。

2返済期限とは完済期限のことだがカードローンでは定められていない

返済期限とは、借入額をすべて返済(完済)するべき期限のことです。しかし、自由に追加借り入れができるカードローンの場合、返済期限は定められていません。約定返済日までに約定返済額以上の金額を毎月きちんと入金していれば問題なく完済できます。追加借り入れを行った場合、次回からの約定返済額は再計算されて通知されるため確認しておきましょう。

多くのカード会社が採用している「残高スライド元利定額返済方式」の場合、借入後の残高によって最低返済額が決まるため、返済額が変わらない場合もあります。

3契約期間とは多くの場合カードの有効期限

カードローンの契約時、契約期間も定められます。契約期間とは、多くの場合、カードそのものの有効期限のことです。つまり借入金の返済期間や返済期限とはまったく異なる意味合いとなります。

追加借り入れや臨時返済で自動的に変わるカードローンの返済期間

追加借り入れや臨時返済をするとカードローンの返済期間は自動的に変わります。追加借り入れをする場合と臨時返済をする場合でどのように変化するかを押さえておきましょう。

1追加借り入れをすると返済期間は延長

追加借り入れをすると毎月の約定返済額が変わらない場合、返済期間はその分延長となります。返済期間を延長したくない場合は、「毎月の約定返済額を増やす」「臨時返済を使う」などの手段が必要です。返済期間が長くなればその分支払う利息も増えます。追加借り入れの前には返済シミュレーションなどを活用して返済計画を立ててから借り入れを検討しましょう。

2臨時返済をすると返済期間は短縮

臨時返済をすると返済した分はそのまま元金返済へ充当できるため、借入残高が減少して返済期間も短縮されます。元金を効果的に減らすためには、臨時返済はとても有効な手段です。しかし、「臨時返済をするだけの余裕は、毎月の生活の中ではなかなか出ない」という人も多いでしょう。毎月の生活に負担をかけずに臨時返済をするには、ボーナスや臨時収入、副業で得た収入などを活用するなどの工夫が必要です。

カードローンの返済期間を自分でシミュレーションする方法

カードローンの返済期間は、自分でシミュレーションすることも可能です。カードローンの返済方式にはさまざまな種類があります。ここでは多くのカード会社に採用されている「リボルビング方式」と「分割方式」の2種類を取り上げました。各方式のメリットとデメリットや、それぞれの計算方法を確認していきましょう。

種別 返済方法 特徴 メリット デメリット 支払う
利息の多さ
リボルビング方式 元利定額
リボルビング方式
毎月
一定額の返済
毎月一定額
なので
返済計画が
立てやすい
元金が
なかなか減らず
総返済額が増加
残高スライド
元利定額
リボルビング方式
借入残高が
一定以上
少なくなると
毎月の支払額
も減少
支払いが進むと
毎月の返済額が
少なくなる
元利定
リボルビング方式
よりもさらに
返済期間が延びて
総返済額が増加
最大
分割方式 元利定額
返済方式
毎月
一定額の返済
毎月一定額なので
返済計画が立てやすい
元金がなかなか
減らず総返済額
が増加
元金定額
返済方式
元金は毎月一定+
利息を支払う
元金の減るスピードが
元利均等よりも速い
ため総支払額が少なくなる
返済しはじめの
支払額が
大きく負担になり
借入可能額も
少なくなる

1主な返済方式の計算方法

ここで取り上げる4つの返済方式の計算方法は以下の通りです。

【元利均等リボルビング方式】
・毎月の返済額=定額の返済額(支払い始めから支払い終了まで一定)

元利均等リボルビング方式の場合、返済額は毎月一定額です。そのため毎月の支払額については特に計算しなくても分かりますが逆に元金と利息の金額は分かりにくくなります。毎月の支払額のうち支払い元金と利息はどうなっているのかを計算してみましょう。

・金利手数料=利用残高×年利×利用日数÷365日
・返済元金額=定額の返済額-金利手数料

元利均等リボルビング方式では、追加借り入れをすると利用残高に追加借り入れ分が足されます。毎月の返済額は変わりませんが、返済回数は延びその分金利手数料は多くかさむ計算です。

【残高スライド元利定額リボルビング方式】
・毎月の返済額=借入残高に応じてスライドした一定の返済額
・金利手数料=利用残高×年利×利用日数÷365日
・返済元金額=借入残高に応じてスライドした一定の返済額-金利手数料

残高スライド元利定額リボルビング方式も元利定額リボルビング方式と計算式は変わりません。ただし一定金額になると返済金額が少なくなるため、返済できる元金額も少なくなり、さらに返済期間が延びてしまいます。

【元利定額返済方式】
・毎月の返済額=(借入金額×利率×(1+利率)返済回数)÷((1+利率)返済回数-1)

元利均等返済方式もリボルビング返済方式と似ていますが返済回数が決まっている分割方式である点が大きく異なります。追加借り入れを行うと既存の借り入れとは別に計算するため、既存の借り入れ分の返済回数や返済金額は変わりません。

【元金定額返済方式】
・毎月の返済額=(借入金額÷返済回数)×{1+(返済回数-計算対象の回数+1)×利率}

毎月一定額の元金を支払い借入高に応じた利息を足す形となるため、初回の返済額が最も大きくなります。しかし、支払利息額は最も低く抑えられる返済方式です。当初の返済金額が大きくなるため、元利定額返済方式に比べて借入額が少なくなりがちな点はデメリットとなります。

2返済方式の違いによる総返済額の差異

返済方式の違いにより総返済額は異なります。分割方式とリボルビング方式を比較するとリボルビング方式は追加借り入れをした場合、返済金額がそのままだと返済期間が延びてしまい総支払額も増加しがちです。分割方式の元金均等返済方式は初期の返済額が大きくなりますが、総返済額を最も少なく抑えられます。ただカードローンではこの方式での返済方式はあまり見られません。

すでにカードローンを利用していて返済方式を選べない場合は、別の方法で総返済額を少しでも低く抑える対策を検討しましょう。

カードローンの返済期間に関するQ&A

カードローンの返済期間に関する質問をいくつかまとめました。困った場合などあればご確認ください。

1約定返済に遅れそうな場合の対処法はある?

「約定返済日が迫ってきたけれど、今月は期日までに返せそうにない」という場合は、一刻も早くカード会社へ連絡をして今後の返済について相談しましょう。事前連絡をするとカード会社側の心証も悪化せず返済日の調整などの相談に乗ってもらえる可能性があります。

2延滞してしまった場合どうなる?他社申込時の審査に影響する?

延滞してしまうと「カードローンは数日中に利用停止される可能性がある」「個人信用情報に金融事故情報が登録される」「遅延損害金がかかる」などのデメリットがあります。個人信用情報に金融事故情報が登録されると他社で新たにカードローンを利用したくても審査で落とされる可能性が高くなります。

3一定期間無利息サービスを利用するメリットとデメリット

初回借入時に一定期間無利息となるサービスは「間違いなくお金が入ってくる」ということが分かっている場合のつなぎ資金としてメリットの大きいサービスです。無利息期間が終わると通常の利息がかかりますが無利息期間分の利息を後から請求される心配もありません。ただし無利息だからといって借り過ぎてしまいがちな点はデメリットです。

また、リボルビング返済で大きな金利手数料がかかることもあります。一定期間無利息でのキャッシングは、確実に無利息期間で返済できる見込みがあるときのみの利用に留め、最小限の借入額に抑えましょう。

カードローンの返済期間を自分で調整する方法

最後にカードローンの返済期間を自分で調整する方法について説明します。

1返済期間を短縮するなら約定返済額の増額または臨時返済

返済期間を短縮して総返済額を節約したい場合、約定返済額の増額または臨時返済による繰り上げ返済を検討しましょう。毎月の返済額を増額することで返済期間の短縮も可能ですが、カード会社によっては、毎月の返済額を変更できない場合もあります。その場合は、ボーナス支給時に臨時返済を利用するなど、計画的に無理のない範囲で臨時返済を続けることで返済期間の短縮が可能です。

2約定返済日を変更したい場合はカード会社に相談

約定返済日の変更も検討の余地があります。「転職などで給料日が変わってしまい返済日までにお金を残せない」というパターンに陥る人も少なくありません。約定返済日が複数あるカード会社では、会員サイトで約定返済日を変えられる場合もあります。そのような仕組みがない場合は、カード会社に連絡をして約定返済日が変更できないか相談してみましょう。

どうしても約定返済日がつらい場合は「カード会社を変える」という手段も検討してみてください。

総支払額を抑えるように計画的に利用しよう

カードローンの返済期間は、完済の期限ではありません。カードローンには通常返済期限はなく約定返済日に約定返済額以上の入金を続けていけばいつか完済できる仕組みです。追加で借り入れた場合もリボルビング方式では毎月の支払額は変わらず返済期間が延び、その分支払う利息(金利手数料)も多くなります。

臨時返済や毎月の返済額総額などを上手に活用して返済期間を短縮し、総支払額を抑えるように返済計画を立てましょう。

文・藤森みすず
大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。FX・保険・不動産・フィンテックなど、金融に関する記事を多く手掛ける。

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