【目次】
①️ティアンドエスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【7/21更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【7/20更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- ティアンドエス株式会社
- コード
- 4055
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役執行役員社長 武川 義浩 /1961年生
- 会社住所
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目6番3号
- 設立年
- 2016年
- 社員数
- 264人(2020年5月31日現在)
- 事業内容
- 大手企業及び半導体工場向けシステム開発・運用保守・インフラ構築、AI関連のソフトウエア開発
- URL
- https://www.tecsvc.co.jp/
- 資本金
- 74,120,000円 (2020年7月3日現在)
- 上場時発行済み株数
- 1,750,700株
- 公開株数
- 247,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/07/17→2,650~2,800円に決定
- ブックビルディング期間:2020/07/20 - 07/28
- 公開価格決定:2020/07/29→2,800円に決定
- 申込期間:2020/07/30 - 08/04
- 上場日:2020/08/07→初値7,010円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:いちよし証券
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:極東証券
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 武川義浩 39.87%
- 渡辺照男 14.30%
- 日下理 10.76%
- 遠藤玲 7.03%
- 日下寛之 6.39%
- ティアンドエス従業員持株会 2.22%
- 木村実 2.15%
- 福田悦生 1.65%
- 日下藍子 1.46%
- 渡辺貴美子 矢ノ下美樹 渡辺一樹 渡辺奈緒 1.27%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/11 単体実績
1,905,323 148,321 109,951 114,535 - 2018/11 単体実績
2,133,537 202,444 146,470 271,126 - 2019/11 単体実績
2,297,249 269,850 184,007 455,133 - 2020/05 第2四半期単体実績
1,110,500 167,694 112,890 568,133 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年11月4日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 6億9160万0000円(247,000株×2,800円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 157,300株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- ティアンドエス株式会社<4055>は東芝・日立グループなど大手企業顧客及び半導体工場中心に、システム開発・運用保守を手掛ける企業である。
■同社について
同社は1996年8月に設立の株式会社テックジャパンと1985年3月に設立の株式会社シナノシステムエンジニアリング(いずれもソフトウェア開発請負業務を展開)が2016年11月1日に合併して設立された。
同社はシステム開発及びその関連サービスの単一セグメントであるが、下記3カテゴリーで事業展開している。
・ソリューションカテゴリー(大手企業が顧客)
・半導体カテゴリー(半導体工場を有する企業が顧客)
・先進技術ソリューションカテゴリー(AI、ロボット、IoTなどの成長市場の企業が顧客)
●ソリューションカテゴリー
ソリューションカテゴリーは、大手企業向けの請負(ソフトウェア開発・運用保守)を中心としたサービスを展開している。製造業、サービス業など様々な業種の企業をターゲットにサービス展開しており、請負(開発・運用保守)及び派遣の形態でサービスを提供している。売上比で「請負(開発・運用保守):派遣=3:1」であり、請負中心の事業モデルである。
事業領域を特定せず、コンサルティング・要件定義・設計・開発・テスト・検証までの全てのバリューチェーンを網羅し、顧客の要求する技術及び人材提供に柔軟に対応している。
●半導体カテゴリー
半導体カテゴリーが提供するサービスは、半導体工場内のシステム運用やシステム保守である。同社の前身である旧株式会社テックジャパンは20年以上前から工場を建設する顧客と関係強化に努めており、安定的に人員を提供できる体制を整えている。
半導体工場における同社の役割は、工場内システムの保守及び運用サービスや、ITヘルプデスク等の半導体工場のITインフラストラクチャー運用支援である。工場に常駐する形態で、工場システムの運用や保守業務に従事している。
●先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーは、ネットワーク・画像認識・ハードウェア制御・メモリ高速化等の最新の高度技術を駆使して、ソフトウェアの高機能及び品質向上を実現するサービスを提供している。
2019年11月期で売上高全体の4.8%の規模であるが、更なる事業規模の拡大を目指しており、急成長が見込まれる産業領域(AI、画像処理・認識・機械学習、ロボット、自動運転、メモリ高速化等)をターゲットとしている。
■相手先別及び部門別売上高
2019年11月期売上高23億円に対し、主な売上先は下記となっている。
・東芝グループ 7.6億円(割合33%)
・日立グループ 6.4億円(同28%)
・キオクシアグループ(※旧東芝メモリー) 3.7億円(同16%)
東芝・日立・キオクシアの3グループで2019年11月期売上高の77%を占めており、大手3社への売上依存が大きい状態である。
また2019年11月期の3部門の売上高は下記である。
・ソリューション 19億円(割合82%)
・半導体 3.0億円(同13%)
・先進技術ソリューション 1.1億円(同4.8%)
部門別ではソリューションカテゴリーが売上高の8割以上を占めており、同社の主力事業となっている。
■業績推移
2017年11月期 売上高19億円、経常利益1.5億円、当期純利益1.1億円
2018年11月期 売上高21億円、経常利益2.0億円、当期純利益1.5億円
2019年11月期 売上高23億円、経常利益2.7億円、当期純利益1.8億円
2020年11月期(予想) 売上高24億円、経常利益3.0億円、当期純利益2.3億円
着実な増収増益を続けており、2018年11月期に売上高20億円、経常利益2億円の大台に到達した。今期(2020年11月期)は経常利益3億円の大台到達を予想している。
今期はQ2時点で売上高11億円、経常利益1.7億円であり、通期予想達成に向け進捗は順調である。
■財務状況
2019年11月期末時点で資産合計8.2億円に対し、純資産合計4.6億円、自己資本比率56%である。
借入金なく現預金3.2億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。尚、資産の部の最大科目は現預金となっている。
■資金使途
IPOにより4.9億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・研究開発費 2.5億円
・人材採用費及び人件費 1.3億円
・設備資金 1.1億円
調達資金の半数以上が国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの共同研究における研究開発費(1.2億円)及び、共同研究の成果を踏まえたソフトウェア開発に使用する評価ボードの開発に係る研究開発費(1.3億円)に充当される。
■株主状況
武川社長が株式シェア40%を保有する筆頭株主である。第2位株主は同社元代表取締役副社長で顧問である渡辺照男氏(株式シェア14%)。
個人中心の株主構成であり、事業会社や金融機関やファンドの株主参入はない。
■まとめ