ゼネラル・ミルズ (NYSE:GIS)はあまり日本では知名度が高くない企業ですが、アメリカではアイスクリームのハーゲンダッツを製造したり、インスタント食品・ヨーグルト・スープの他、ペットフードまで作っている幅広い食品メーカーです。

実はこの会社は長年S&P500を上回る成績を残している企業なのですが、2018年に株価のピークをつけてから苦戦続きだったので、最近はあまりスポットライトを浴びていない銘柄でもあります。

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ゼネラルミルズ(画像=Investing.com)

長期的にはS&P500を上回るリターンを上げているゼネラルミルズ

しかし、ゼネラルミルズの2020年3-5月期の決算が発表され、久々に良い決算だったようなので、ここで取り上げたいと思います。

簡単に想像できるかも知れませんが、この会社の業績が良かったのは売上の大部分を占めるアメリカで、巣ごもり需要のためにインスタント食品やベイキングミックスなどの家庭用食品が売れたためです。新型コロナウイルスはこの会社に好影響を与えたようです。

この記事のポイント

  • 2020年3-5月期のゼネラルミルズはアナリスト予想を超える一株利益・収益をたたき出し、久々に良い決算だった。
  • 3-5月期は北米の新型コロナウイルスの影響を強く受けたが、シリアルやアイスクリームなどの家で食べる食品をメインに提供しているゼネラルミルズにはプラスの影響が大きく働き、売上は大きく伸びた。

2020年3-5月期結果

ゼネラルミルズの2020年3-5月期(20年4Q)の久々にかなり好調でした。

売上成長が一桁にとどまることが多かった過去の決算とはまるで景色が違う+20%の成長を見せ、売上も利益もアナリスト予想を超えました。

  • 一株利益:1.10ドルで、予想を0.04ドル上回る(前年比+33%)。
  • 収益:50.2億ドルで、予想を0.4億ドル上回る(前年比+21%)。

2018年4Qから8回連続で売上がアナリスト予想に届かない決算が続いて、苦しい時期を過ごしていましたが、ようやく長いトンネルを抜けています。

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アナリスト予想(画像=Investing.com)

9期ぶりにアナリスト予想を超えたゼネラルミルズの決算

3-5月はゼネラルミルズにとって稼ぎ頭の北米で新型コロナウイルスが流行して、レストランに行かずに、家でゼネラルミルズのシリアルなどの食品を食べてくれたおかげで、収益が大きく伸びたようです。

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収益(画像=Investing.com)
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利益(画像=Investing.com)

カテゴリー別売上

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今期の好調の要因を探ってみると、売上の6割を占める北米での食品が前年比で売上+36%と絶好調でした。

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ちなみに、最近のゼネラルミルズの注目部門は欧州での売上規模を上回って存在感を見せている、ペットフードです。

今期も前年比で+37%で成長するなどしっかりと伸ばしていますが、巣篭もり需要がなくても年々着実に成長を重ねています。

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ペットフード(画像=Investing.com)

2020年度はペットフードの売上が順調に成長

新型コロナウイルスの影響

既に、検討がついている人も多いと思いますが、今期のゼネラルミルズは新型コロナウイルスの巣ごもり需要を大きく受けています。

決算で新型コロナウイルスの影響について触れていた箇所をまとめておきます。

新型コロナウイルスの影響

  • 3-5月期は新型コロナウイルスの流行に大きな影響を受けた。
  • 非家庭食品から家庭食品への強い需要シフトが見られた。売上の75%が家庭食品、25%が非家庭食品と大きな隔たりが生まれた。
  • 特に、米国での家庭食品の売上が強く、売上は32%成長を見せた。特に強かったのは、ミール(インスタント食品など)とベーキング(ベーキングミックス、冷凍パン生地など)で前年比+68%と牽引した。
  • ただし、新型コロナウイルスの今後の流行具合、その結果人々が今後どの程度外食をするのかがわからないため、今後の業績見通しを発表しないことにした。

さいごに

ゼネラルミルズは歴史ある米国企業なのですが、この銘柄は地味すぎるのか、あまり投資している人も見かけません。

3%以上の比較的高い配当が魅力だったのですが、2019年に15年続いた連続増配も途絶えてしまったので、配当を目当ての投資家からの熱も冷めてしまったのかも知れません。(提供:Investing.comより)

著者:YUTA