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2020年3月17日配信記事より

「毎日が財産になる」をコーポレートスローガンとし、資産運用としてのFX取引や、CFD(「差金決済取引」「証拠金取引」)を提案、運用している株式会社マネースクエア。今回は、金融商品を取り扱う企業という難しさもあるなかでファイナンス部門の責任者の役割を担っている同社の松谷昭男氏にお話を伺いました。

飲食店で独立したかった学生時代、キャリアのなかで大事にしているものをここで培った

― 様々なご経歴のなかで、最初は地方銀行へ就職されていますが、最初から金融志望だったのですか?

いえ、実は飲食業で独立したかったんですよ。父が自営業で、その影響で私も大学4年間はファミリーレストランの厨房でアルバイトをしていましてね。卒業したら商売をやりたいなと思って、飲食業のフランチャイズで独立したいと思っていたんです。

そうしたらまあ、両親から猛反対を受けましてね。大学まで出したんだからもっと違う道を歩めと。商売が大変なことも親父は知ってましたから、そういう意味でも1回ちゃんと経験を積めということだったんだと思いますけどね。

それで地元の銀行に受かったのでそのまま就職しました。

― 意外なお話ですね。飲食業で独立したかったのは、お父様の自営業の影響を受けてかつ、ご自分もご経験されたからというだけですか?

いえ、4年間厨房に入っていてその時の体験が、今思うと自分の人生のベースになってまして。

厨房で料理を作って、それがお客様の元に運ばれていくじゃないですか。それを食べているお客様の喜んでいる顔を見れるんですよね。その時に、こうやって自分のしたことで人が喜んでくれるというのはすごく良いなと思いまして。飲食業は特にダイレクトにその反応が分かりますし、だからこれで独立してやっていきたいと思ったんです。

私はここをすごく大事にしていて、この後お話するキャリアの根幹にいつもあります。自分のしたことで人に喜んでもらえるような場所をいつも選んで来ましたね。

銀行で培った営業スキルやビジネスマナーは宝、その後、ローソンへの転職

― その想いを持ちながら銀行へ就職されたわけですが、何の業務をされていたんですか?

1年目は貸付係で、事務ですね。融資の稟議書を作成して融資を実行したり。いわゆる融資係の事務みたいな感じです。

2年目は営業ですね。カブに乗ってお客様先を回って、集金したり融資の話をしに行ったり。

― 事務と営業、やりがいがあったのはどちらでしたか?

私は完全に営業でしたね。

飲食業で感じていたのと同じように、自分のしたことで喜んでもらえるという経験はここでも出来ました。融資を希望しているお客様に稟議書を書いてお貸しして、喜んでいただいて。このときはキャリアのなかで1番ノルマが課されていましたが、仕事はすごく楽しかったし、課されたノルマを自分で考えてクリアしながらお客様に喜んでもらえるということを経験出来たのは良かったですね。

あとは、銀行はやはり固い職種ですので、ここでビジネスマナーをしっかり叩きこんでいただいたのもよかったことですね。就職に迷ったら、まず銀行に行くのも良いと思いますよ。世の中にある業種も色々見れるし、研修等もしっかりしていますしね。

― 確かにそうですね。3年ほど銀行を経験された後は株式会社ローソンへ転職されていますが、これはどういうお考えがあったのですか?

やっぱり根幹に独立したいっていうのはあったので、銀行で働いている間にもその想いが沸々と湧いて来ていたんですよね。

それで、今もあるか分からないですけど当時ローソンに何年か働いたら資金を援助してもらって独立開業出来るっていう制度がありまして。それなら分かりやすく手軽に独立出来るし面白そうなので、それを目的に転職しました。

― 何年か働くっていうのは、ローソンの店舗でっていうことですよね?

そうです。配属されたのが名古屋だったので、そこで店員から入ってその後店長をやっていました。

― 銀行で働かれてからいちコンビニの店長さんとして働くというところに抵抗みたいなものはなかったんですか?

そうですね。学生時代に少しコンビニでアルバイトをしたこともありましたし、オペレーションは大体想像がついていたので。

でも1番強かったのは独立したいという気持ちでしたから、そこに向かういちプロセスという感じで考えていましたね。

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CFOに続く道の出発点となったキャリアチェンジ

― でもその後、独立開業せずにローソンの九州管理センターの主任になられてますよね。これはどういう選択だったのですか?

ここが私のCFOとしての出発点になったのですけどね。

コンビニの店長職をやってみたのですけど、コンビニって大部分が出店場所次第で売上が決まってしまうと思っていて。場所が動かないというのは難しいなと。なので、ここで早々に一生をかけるよりもちょっと冷静になって考えてみようと思いまして。

それでローソンの社内公募を受けて、合格して九州の管理センターへ行ったんです。公募内容は、本部の仕事が色々あって、そのなかに財務経理室もあったんです。売り上げの分析とか加盟店の決算とか銀行のときの経験もあるしおもしろそうだなと思いまして。

独立も考えたかったけども、一方自分の手に職をつけようと思ったら銀行の仕事は活かせるので、ここはその道で力をつけようかなと思いました。

― 結果的に、九州地域のローソン当時約800店の管理制度をお作りになったのですよね

そうですね。配属されたのは、当時沖縄を除く九州地域だけで当時約800店の加盟店があってそこを管轄する管理センターだったんです。

制度というほどでもないと思うんですが、当時は意外と管理会計がなされてなかったんですよね。事業体としてのローソンがどれだけ儲かっているのかっていうのが把握しにくかったんです。

なので本部から色々データをもらって自分で作って九州地区の統括に出したら「こういうのが欲しかったんだよ」って言ってもらって。したことはベーシックなことなんですが自分で0から作ってみようと思ってやれたのはよかったですね。

「枝」ではなく、今度は「幹」の仕事がしたかった

― この評価もなされて九州管理センターの主任になったのですね。その後転職されますが、これはなぜだったんですか?

私、本当は本社の経理をやりかったんですよ。

管理センターは、基本的には各加盟店舗の月次決算を締めるのが仕事なので、いわゆる主計をやったことがなかったんですよね。ほとんどFC会計と言われるところしかやったことがなかったので、もしかしてこの先経営サイドでやっていきたいと思ったときに潰しがきかないなと。

なので、プロパーの事業会社で主計の経験を積みたいと思って転職することにしました。一生ローソンにいるならもちろん問題はなかったんでしょうけど、私はそのとき税務や資金繰りに係ることをしたかったものですから。

― それで転職されたのがオムロンコーリンですね。

そうです。医師用のフォルム血圧計のトップメーカーですね。

元々コーリンメディカルという愛知の会社がEXITした先が東京のオムロンで。私はちょうどオムロンコーリンになったばかりの頃に入ったので、愛知にある本社を東京に移すぞというときだったんですね。

それで、愛知本社の業務を一定期間で引き継いで東京に持ってこれる人という条件で行ったんです。なので最初の3か月は愛知県でひたすら業務引継ぎをやっていたんですよ。

― 3か月で引き継げるものなのですか?

いやー大変でしたね。なにしろ愛知県にいたメンバーはベテランで20年くらい仕事されていた方々ばかりで素人がやったら1時間くらいかかる仕事を10分くらいで片付けちゃうような、CFOクラスの方もいるような感じだったんですけど、その人たちは東京に来ないんですよ。

その人たちから、主計をやったことない私とほとんどジュニアの派遣さん2人が行って引き継ぐわけですからもう大変で。でも愛知と東京のブリッジとして、また東京で新しいメンバーにも私たちが教えないといけないし、なんとしても3か月で引き継がなければいけないので必死でした。

おかげで基本的なことは全部このときに経験出来ましたね。連結決算、監査法人対応、税務申告と、海外子会社もありましたからそちらの対応も。経理税務の一番ベーシックな経験が出来ました。

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テクニックも大事だが、時としてガッツが上回ることもある

― でも3か月で引き継いでそのまま東京で業務を回さなきゃいけないとなると、ブリッジの役割も相当重責ですよね。松谷さんは主計未経験で入られましたけど、本来は経験者を採用しそうなものですよね?

そうですよね。たしかに、オムロンコーリンに決まる前に他の会社さんも受けたのですけどやっぱり決算経験がないってところで明確にライン分けされてしまうんですよね。ポテンシャルというよりもテクニカルスキルがはっきりと出てしまうので、それで落とされたこともありました。

オムロンコーリンも、経験からしたらもっと適任な人がいたと思うんですけど、イレギュラーな状況でかなりのガッツがないと出来ない、テクニカルだけで楽にこなして東京に帰るってのは難しかったと思うので、そういうところも加味して採用してもらえたんですかね。おそらくこの業務引継ぎの過渡期でなかったら採用してもらえなかったかなと思います。

その代わり、やはり倍やらないと経験が追いつかないので土日もほとんど仕事していましたね。でも一生懸命やれば難しいこともどんどん出来るようになるし、飛び込めば自分の手に職がつくことにもなる。

なので、もちろん状況によりますが企業側も専門職のポテンシャル採用をしても良いと思いますし、いま経理で自分のスキルが足らなくて悩んでいる人も、やれば出来るというのはお伝えしたいですね。

CEOも経験、大事にしている3つのビジネススキルとは

― それはすごく説得力があって、読者さんの力になりますね。オムロンコーリンさんでは無事本社移転も済んで、最終的には2年間在籍されて別の道に行かれたんですよね。

そうですね。1社コンサルティング会社を経験してからFLPと言う保険会社へ行きました。通算7年いて、前半4年はCFOだったのですけど後半はCEOになったんですよ。

― CEOもされてたんですか?!

そうなんです。結果的に雇われではありますが自分で商売したいという願望もここで一旦叶いましたね。

― 本当ですね。しかもCEO3年と言ってもそんなに短い期間ではないですよね。

そうですね。このCEOの経験をしたことで今度どんな仕事でも出来るなというのは思いましたね。

テクニックというより、当時100人いる会社の社員を守っていく上でのプレッシャーとか考えるべきこととかは、1度社長になった人しかなかなか実感できないものなんだなと思いましたね。よく経営者の視座で仕事をするべきと言われますが、今のように1度経営者になってから、またイチ経営陣になるとやはり視座は各段に違いますよね。

私がよく言うビジネスのスキルが3つありましてね。「テクニカルスキル」「コミュニケーションスキル」「コンセプチュアルスキル」なんですけど。

まずテクニカルは、私で言うと経理財務の知識やテクニックですね。コミュニケーションは、他者とのコミュニケーションのことです。普通のことですけど、仕事をしていく上ではチームで動きますから大切ですよね。

そして3つめがコンセプチュアル。これがとても大事だと思っています。これは概念へのスキルで、すなわちその企業のビジョンだったり、経営理念という会社のDNAを作れたり、共感出来るスキルですね。会社のビジョンや理念に共感、理解して、そこに対して自分がどうパッションを持ってコミット出来るのか。それがあると、お客様も会社もすべての方向が良くなります。

自分の担当業務だけやっていればいいとか、専門領域だけのテクニックではなくて、その専門スキルをこの会社で活かしたいのはどうしてか?というところを突き詰めると、コンセプチュアルスキルに行きつくと思います。これは、CEOを経験したことでより深まった考え方でしたね。

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「コンセプトに共感出来る社長を支えるCFOに」次に選んだ道は、ベンチャー企業のCFO

― その後、CEOとしての任期を迎えられて、現職のマネースクエアさんにCFOとしてジョインしたのですよね。転職に際してどんなことを考えられましたか?

そうですね。ベンチャー企業が良いと思っていました。コンセプトや理念に共感する会社のCEOを支えるCFOとして、CFOの立場から会社を良くしていくということをしたいなと。これが今の私の目標です。

あとは、FXって私にとっては全く初めての領域でしたけど事業領域にポテンシャルを感じましたし、会社が第二創業期で、色々トライしながら会社を変えて行こうというベンチャーマインドを感じました。その成長性と自分の持っているスキルを掛け合わせて、マネースクエアを選んだという感じですね。

― 入社に際してのミッションは何だったのですか?

ここでも最初は管理会計でしたね。財務会計は非常に強い会社なのですけど、事業柄、管理会計が未整理だったところがありまして。FXって相場ありきですから予測が難しいのですよね。そこを整理したのが最初です。

元々、0から1に整理していく管理会計が好きなんですよね。そういうカオス的な状況を立て直していくのも好きですし。だからベンチャー向いているのかもしれませんね。

「喜んでくれたらそれでいい」日本を元気にするCEOやビジネスを支えていきたい

― 松谷さんの今後の個人的な目標はありますか?

人に喜んでもらいたいというのが、学生時代飲食店でアルバイトをしていた頃からの基本ベースですね。今は会社にいるのでお客様にも社員にも喜んでもらいたい。

それも持ちつつ、年を重ねるにつれて、しかもCFOだったりCEOっていう経営の立場になって、ある時から、日本の国際競争力の低下を見て、もっと日本の人が幸せになれるように日本を活性化させていきたいと思うようになったんです。

私はもうCFOのキャリアで行く人間だと決めているので、CFOの立場からCEOを支えて会社を大きくして、日本の市場を元気にする。そういうことがしたいですね。

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トライ&エラーを繰り返して体得していくことが大事

― 最後に、CFOを目指す読者へのアドバイスをお願いします。

まず、自分がやりたい仕事だったりCFOという立場を通して「どうしたいのか」という志を抱くところがスタートかなと。ビジョンですね。先ほどの3つのビジネススキルでいうコンセプチュアルスキルです。

それからテクニカルスキル。これはもちろん磨くべきなのですけど、テクニックは知識によるところが大きいので、それは自分で勉強してもいいし、会社に入って一生懸命やっていたら身に付くものでもあります。

大事なのはやはりコミュニケーションスキルとコンセプチュアルスキルだと思いますよ。なぜこの会社なのか、この会社はどこに向かっていて何をしたいのか?というところに共感出来るかどうか。そのうえで、自分のテクニックをどう活かすのか?何が必要なのか?というところを考えればよいですね。テクニックは最後で良いと思います。

あとは会社の他の部署の人、自分と全然関係ないような仕事をしている人とでもコミュニケーションを取って、興味を持つことですね。関係ない仕事をしているようでもそんなことはなくて、みんな同じビジョンを持った会社のなかにいる仲間ですから。特にCFOになるのなら経営をしていくわけなので、自分と自分の周辺領域のことだけ理解していれば良いというわけにはいきません。

そういう自分なりの像を見つけるために、どんどんトライ&エラーを繰り返しながら体得していって欲しいですね。 考えて実行してみないと何も生まれませんから。大変な仕事ではあると思いますが、とてもやりがいはあるので是非頑張っていただきたいですね。

― 最初は飲食店で独立しようと思っていて、現在はCFOという異色のキャリアを持つ松谷さん。その根底にあるのはいつでも「人に喜んでもらいたい」という想いでした。あなたは何をして、どんな人に喜んでもらいたいですか?
松谷さん、ありがとうございました。


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【プロフィール】
松谷 昭男(まつやあきお)
株式会社マネースクエア 執行役員 ファイナンス部長

1996年大学卒業後、地方銀行に新卒入社。その後、株式会社ローソン九州管理センター主任、オムロンコーリン株式会社財務経理室マネージャー、株式会社F.L.P取締役業務管理本部長、株式会社ZenmuTech取締役などを経験。ローソンにおいては、九州地区約800店舗分の管理制度を設計。F.L.Pではコスト削減を中心に、3期連続で黒字化・過去最高益を記録。経営企画業務として中長期経営計画策定、事業計画策定、及びその運用、M&A推進にも携わる。2018年より株式会社マネースクエアに参画。