グロース株買い、バリュー株売りの流れは継続か
GAFA(グーグル〈アルファベット〉、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)を代表とする超大手IT関連株の勢いが止まらない。この4社は30日に2020年4~6月期決算を発表し、アルファベットを除く3社は増収増益を達成した。アマゾンは、食品などのネット販売やサブスクリプションサービスが絶好調で、売上高は前年同期比40%増の889億ドル(約9兆4000億円)、純利益は40億ドル超のコロナ感染対策費用を計上したにも関わらず同100増の52億ドル(5500億円)を記録。売上高、利益のいずれもアナリスト予測を大幅に上回っており、株価は3月16日の安値1627ドルから、7月13日には3343ドルまで2倍以上に上昇している。その後は全体相場の調整に合わせてもみ合いの様相を呈していたが、今回の好決算で再び買いの手の勢いが増しそうだ。
一方、ダウ平均株価は6月8日に高値2万7580ドルを付けて以降、一時2万5000ドルを割り込むなどやや軟調に推移している。この状況を、ある著名エコノミストは「GAFAを筆頭としたグロース株買い、ボーイングに代表される“コロナネガティブ株”売りのパッケージトレードをしているヘッジファンドが、かれこれ4カ月ほど好パフォーマンスを続けています。市場では、バリュー株など売られていた銘柄がそろそろ買い戻されるのではとの見方も出ていますが、トラックレコード(過去の運用実績)がいいファンドから急に資金が流出するとは思えません。なんらかの悪材料によってGAFAがショック安を起こすまで、当面はグロース株へのトレンドフォローの動きが続くのではないでしょうか」と分析する。
余談になるが、米国のトランプ大統領は7月30日、自らのSNSで「人々が適切で、安全、確実に投票できるようになるまで投票日を延期してはどうだろうか」と、物腰柔らかに大統領選挙の延期を提案したものの、この提案は共和・民主両党から即座に反対された。トランプ大統領としては、なんとか残り3カ月で経済のV字回復と株高を引き起こし、1948年のハリー・S・トルーマン元大統領のような大逆転劇を演じる必要がある。ただ、仮に上記のような「グロース株買い・バリュー株売り」のパッケージトレードを一部のヘッジファンドが続けるとすれば、GAFAなどハイテク株比率の高いナスダック指数はともかく、ダウ平均株価の先行きはさほど明るくないかもしれない。
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実は、その規模はやや小さいものの、米国市場と似たようなトレンドが日本市場にも起きている。ところが、ここにきてそのトレンドに変調が見られるという。